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公開日 2006/11/16 15:14
DVD再生画質には不満も − 「PS3」購入1週間目の○と×
PS3の発売から約1週間が経ち、筆者宅には発売日に購入できたPS3が設置されている。発売日に掲載した記事では、BD-ROMプレーヤーとしての画質や操作性を中心に項目を決めてテストを行ったが、今度はこの1週間でテストした細かな設定などの結果をお届けしよう。なお、今回は視聴室ではなく自室でテストを行い、モニタはD4までの入力に対応した50型プラズマテレビを使用している。
●BDプレーヤーとしては性能十分、ただし出力解像度に制限がある
AVファンから見たPS3の位置づけは、やはりBD-ROMプレーヤーとしての用途だろう。画質については前回チェックしているが、購入した「プロデューサーズ」「南極物語」「アンダーワールド2レボリューション」といった作品を自宅で視聴するようになってもBDプレーヤーとしてのクオリティは十分。ディスク挿入からの読み込みも数秒で終わり、メニューの操作も快適でBD-ROMプレーヤーとしての完成度は高い。
ただし一点だけ、本体の騒音について前回記事を訂正しておきたい。この1週間使用した間、自宅で何時間も電源を入れたままの状態で使用していた結果、PS3の騒音はやはり多少大きいかもしれないという印象に変わった。前回は一般的なDVDレコーダーと同程度と表現したが、PS3はそれよりもよりうるさい。比較的静かなプロジェクター程度と表現すれば伝わるだろうか。
PS3とテレビとの接続方法は、HDMI端子ではなくD端子(独自のAVマルチ端子接続が必要)を使って接続することもできる。そこでHDMI接続からD端子に変更して映像をチェックしたところ、D端子の720pで出力した映像は輝度が低く精細感も甘いなど、メニューを一目見て分かるほどに出来が悪い。ただし同じD端子でも1080iのクオリティの映像は特に問題がなく、D端子出力は必ず1080i出力を使うことを推奨する。HDMI接続は精細感のある1080i、滑らかさを重視した720pどちらでも良いだろう。もちろんHDMI接続、D端子接続ともに1080pを使用できれば悩まずに済むはずだ。
このほか、これはBD-ROMを再生していた際に確認したものだが、BD再生の際には映像出力の解像度設定が1080p/1080iに固定されているようだ。この制限により、メニューを720pで表示していた場合はBD-ROMを再生する際に解像度が自動的に1080iに変更される(メニューに戻ると解像度は自動的に元の設定に戻る)。また、HDMI接続で解像度を頻繁に切り変えた場合にはテレビとのコネクション確立に失敗することもあったが、その場合はテレビ側の電源を入れ直せば復帰した。普段から720pで表示していてBD再生時のみ切り替わる程度ならば特に問題は発生しないものの、いささか気になる動作である。
●DVDプレーヤーとしての性能には疑問
PS3を導入するAVファンのなかには、BDプレーヤーとしての性能のほかにもPS3を使って現行のDVDの再生にも使いたいという人も多いだろう。そこで実際にDVDを再生してDVDプレーヤーとしての性能もチェックしてみた。
PS3のDVD再生画質だが、率直に言ってあまり良くない。昨今のユニバーサルプレーヤーやハイビジョンDVDレコーダーなどはアップスケーリング回路を使ってDVDでも精細感を向上させているが、PS3の映像は良くも悪くもDVDそのままのクオリティといった印象で細部の表現は甘い。また、視聴中に特に気になったのが下の写真に示したシーンで、PS3を使ったDVD再生では、大画面で観るとすぐに分かるほどのアラが見えてしまった。
このように、PS3のDVD再生機としての性能は今ひとつと言わざるを得ない。将来的に、DVD再生画質もファームウェアのアップデートによって更新される可能性があるものの、しばらくはDVDレコーダーなど適当なDVD再生機器も確保しておいた方が良さそうだ。
●映像配信サービスもスタート
PS3には、ディスクのほかにも高画質映像を楽しむ手段が用意されている。SCEが提供するPS3向けのオンラインサービス「PLAYSTATION Network」を使った「PLAYSTATION Store」だ。ちなみに初回利用時にはファームウェアのアップデートとアカウント登録が必要となるが、ここでは省略する。
「PLAYSTATION Store」で現在提供されているのは「007/カジノ・ロワイヤル」の予告編や各種BD-ROM作品のデモ、ゲームのデモ映像など。映像はどれも2分程度の長さだがAVCフォーマットを使ったHD画質で配信されておりBD-ROM作品の画質の良さを十分伝えてくれるほど高画質なものだ。家庭のテレビで気軽に再生できることもあり、無料で見られるデモとしては魅力的な内容である。
●次回は音質を中心にクオリティをチェック
今回はPS3のビデオ関係の機能をチェックしてみたが、AV機器として見たPS3の性能はこれだけではない。来週は音元出版の視聴室に取材の場を移して、音質などクオリティをチェックする。
(折原一也)
●BDプレーヤーとしては性能十分、ただし出力解像度に制限がある
AVファンから見たPS3の位置づけは、やはりBD-ROMプレーヤーとしての用途だろう。画質については前回チェックしているが、購入した「プロデューサーズ」「南極物語」「アンダーワールド2レボリューション」といった作品を自宅で視聴するようになってもBDプレーヤーとしてのクオリティは十分。ディスク挿入からの読み込みも数秒で終わり、メニューの操作も快適でBD-ROMプレーヤーとしての完成度は高い。
ただし一点だけ、本体の騒音について前回記事を訂正しておきたい。この1週間使用した間、自宅で何時間も電源を入れたままの状態で使用していた結果、PS3の騒音はやはり多少大きいかもしれないという印象に変わった。前回は一般的なDVDレコーダーと同程度と表現したが、PS3はそれよりもよりうるさい。比較的静かなプロジェクター程度と表現すれば伝わるだろうか。
PS3とテレビとの接続方法は、HDMI端子ではなくD端子(独自のAVマルチ端子接続が必要)を使って接続することもできる。そこでHDMI接続からD端子に変更して映像をチェックしたところ、D端子の720pで出力した映像は輝度が低く精細感も甘いなど、メニューを一目見て分かるほどに出来が悪い。ただし同じD端子でも1080iのクオリティの映像は特に問題がなく、D端子出力は必ず1080i出力を使うことを推奨する。HDMI接続は精細感のある1080i、滑らかさを重視した720pどちらでも良いだろう。もちろんHDMI接続、D端子接続ともに1080pを使用できれば悩まずに済むはずだ。
このほか、これはBD-ROMを再生していた際に確認したものだが、BD再生の際には映像出力の解像度設定が1080p/1080iに固定されているようだ。この制限により、メニューを720pで表示していた場合はBD-ROMを再生する際に解像度が自動的に1080iに変更される(メニューに戻ると解像度は自動的に元の設定に戻る)。また、HDMI接続で解像度を頻繁に切り変えた場合にはテレビとのコネクション確立に失敗することもあったが、その場合はテレビ側の電源を入れ直せば復帰した。普段から720pで表示していてBD再生時のみ切り替わる程度ならば特に問題は発生しないものの、いささか気になる動作である。
●DVDプレーヤーとしての性能には疑問
PS3を導入するAVファンのなかには、BDプレーヤーとしての性能のほかにもPS3を使って現行のDVDの再生にも使いたいという人も多いだろう。そこで実際にDVDを再生してDVDプレーヤーとしての性能もチェックしてみた。
PS3のDVD再生画質だが、率直に言ってあまり良くない。昨今のユニバーサルプレーヤーやハイビジョンDVDレコーダーなどはアップスケーリング回路を使ってDVDでも精細感を向上させているが、PS3の映像は良くも悪くもDVDそのままのクオリティといった印象で細部の表現は甘い。また、視聴中に特に気になったのが下の写真に示したシーンで、PS3を使ったDVD再生では、大画面で観るとすぐに分かるほどのアラが見えてしまった。
このように、PS3のDVD再生機としての性能は今ひとつと言わざるを得ない。将来的に、DVD再生画質もファームウェアのアップデートによって更新される可能性があるものの、しばらくはDVDレコーダーなど適当なDVD再生機器も確保しておいた方が良さそうだ。
●映像配信サービスもスタート
PS3には、ディスクのほかにも高画質映像を楽しむ手段が用意されている。SCEが提供するPS3向けのオンラインサービス「PLAYSTATION Network」を使った「PLAYSTATION Store」だ。ちなみに初回利用時にはファームウェアのアップデートとアカウント登録が必要となるが、ここでは省略する。
「PLAYSTATION Store」で現在提供されているのは「007/カジノ・ロワイヤル」の予告編や各種BD-ROM作品のデモ、ゲームのデモ映像など。映像はどれも2分程度の長さだがAVCフォーマットを使ったHD画質で配信されておりBD-ROM作品の画質の良さを十分伝えてくれるほど高画質なものだ。家庭のテレビで気軽に再生できることもあり、無料で見られるデモとしては魅力的な内容である。
●次回は音質を中心にクオリティをチェック
今回はPS3のビデオ関係の機能をチェックしてみたが、AV機器として見たPS3の性能はこれだけではない。来週は音元出版の視聴室に取材の場を移して、音質などクオリティをチェックする。
(折原一也)