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公開日 2007/01/08 12:51
<CES2007>松下電器が42型フルHDプラズマを発表 − PDPの優位性を強力アピール
ラスベガス・Venetian Hotelで行われた、パナソニックのプレスカンファレンスの模様をレポートしよう。
同社は、言うまでもなくプラズマテレビの牽引車として市場をリードしているメーカーだが、カンファレンスでは、同社製テレビをアピールすることはもちろん、液晶テレビに対するプラズマの優位性を事細かに説明。“動画解像度”や“高コントラスト”などの言葉は、プラズマテレビの能力をアピールする際に日本でもよく使われるが、アメリカでも事情は同様のようだ。
また会場では、42V型のフルHD PDPも公開。液晶テレビでは32V型からフルHDモデルが展開されており、中型クラスのモデルにもフルHD化の波が押し寄せてきている。「これまで大画面モデルを中心にしてフルHD化を進めてきたが、42V型モデルを市場に投入できることを示す必要があった」(松下電器)という。ただし、今回は技術発表の意味合いが強く、実際の発売時期や価格は未定という。
一方、BDプレーヤーやレコーダーに関する新たな発表はなかった。プレゼンテーションの中で、映画監督のブレッド・ラトナー氏が「映画はBDで見よう。もし古いDVDなんかを持っていたら、他の人にあげてしまうかチャリティーに出品することだ」とジョーク混じりにビデオで語ったのみ。ただし、本日のカンファレンスはプラズマが話題の中心だったため、それ以外の新製品はほとんど紹介されなかった。明日からの本開催で、同社ブースに出品されることを期待したい。
カンファレンスでは冒頭、北米パナソニックを統括する山田喜彦氏が登壇。同氏は、2006年の同社の取り組みとして、「大画面テレビの普及拡大」と「顧客満足度の向上」の2点に注力したと説明。その結果、ブラック・フライデーのシーズンには、大画面薄型テレビのうち51%のシェアを獲得したほか、市場調査では42V型と50V型の同社薄型テレビが最大の人気モデルとなったと述べた。
また、昨年のCESで公開して話題となった、103V型のプラズマテレビについても言及。「ただ発表しただけでなく、実際に発売して人気を博した」と述べ、ラスベガスのPlanet Hollywoodなど、様々な場所に納入したという。
2007年は、北米地域で30%のシェアを目標にするとのことで、「簡単な目標ではないが、PDPはコスト面で優位。達成することは可能と考えている」という。
さらに、同社薄型テレビを中心に、AVCHD方式のHDビデオカメラやデジタルカメラ、BDプレーヤー、ホームシアターシステムなどをリンクさせる「Living in High Definition」計画についても説明。特にAVCHDカメラについては、「SDメモリーカードに記録したHD映像を薄型テレビに挿入するだけでHD映像が再生できる」とアピールし、北米でも積極的に訴求する考えを示した。
続いて、北米パナソニックのジェフ・コーブ氏と、パナソニックAVCネットワークス社のゼネラル・マネージャーであるAtsuya “Mac”Makita氏が壇上に上がり、プラズマテレビの優位性をアピールした。
まず、「スポーツを見るならプラズマ」と動画解像度の高さをアピール。「液晶テレビは盛んに1080pをアピールしているようだが、動きの速い映像では、720pのプラズマの方が高い解像度を示すこともある」と説明した。さらに、「映画を見るなら、コントラストや色調表現に優れたプラズマが良い」「視野角の広いプラズマなら、家族全員で映像を楽しめる」「輝度半減時間が約60,000時間と長寿命のプラズマなら、長く楽しめる」「環境を考えるなら、鉛・水銀フリーのプラズマが良い」などプラズマの利点を並べ立て、液晶テレビに対する対抗心を剥き出しにした。
また、「PDPは古い技術という指摘があるが」との質問に対して「全く正反対。液晶は50年前からある技術だが、プラズマが実用化されたのはごく最近」と述べたり、「PDPはガスの焼き付きが必要で、焼き付きの問題もあると言われている」という質問には、「ガスの補充など必要ない。このような話題がどこから出たのか分からない。焼き付きについても、問題とされているのはもっぱら初期のモデルだろう。今のモデルではほとんど焼き付きの心配はない。そもそも、ブラウン管で焼き付きを心配する人はいなかったのに、プラズマでなぜ問題とされるのか?」と、主に液晶陣営が指摘しているプラズマの問題点を一蹴した。
さらに、「プラズマはパネル前面に保護ガラスがあり、反射が問題になる。液晶テレビメーカーの一部は、ここにターゲットを絞ってネガティブキャンペーンを展開している」との指摘については、「安全性を高めるためのものなのでクレームを受けたことはない。小さい子供のいるような家庭では特に有用なはず」と反論。また、CEATECなどで過去に公開された、大阪市立大学大学院の岡田明教授の、薄型テレビ視聴時の視覚疲労についての研究結果も援用し、「プラズマ視聴時は液晶に比べて疲労が少ない。薄型テレビを見る際は見る人の健康を考えて選ぶべき」と主張。「PDPは現在最高の技術であるだけでなく、将来にわたっても最高の技術」と締めくくった。
同社プラズマテレビの、北米における2007年の新製品は、これまで北米では発売していなかった50V型、58V型のフルHDモデルが主力になりそうだ。2007年中に、50V型から103V型までをフルHDモデルで揃えるという。このほか、37V型モデルや720pモデルについても、外観を洗練させるなどの施策を施して販売に注力する考えだ。
日本国内と同様、32V型以下のモデルについては、液晶テレビを販売する。ここでは、120Hz駆動の倍速表示技術を採用するほか、バックライト取り替えの必要がないという新技術「LIFI」を搭載し、他社製品との差別化を図っていく。
(Phile-web編集部・風間)
ces2007
同社は、言うまでもなくプラズマテレビの牽引車として市場をリードしているメーカーだが、カンファレンスでは、同社製テレビをアピールすることはもちろん、液晶テレビに対するプラズマの優位性を事細かに説明。“動画解像度”や“高コントラスト”などの言葉は、プラズマテレビの能力をアピールする際に日本でもよく使われるが、アメリカでも事情は同様のようだ。
また会場では、42V型のフルHD PDPも公開。液晶テレビでは32V型からフルHDモデルが展開されており、中型クラスのモデルにもフルHD化の波が押し寄せてきている。「これまで大画面モデルを中心にしてフルHD化を進めてきたが、42V型モデルを市場に投入できることを示す必要があった」(松下電器)という。ただし、今回は技術発表の意味合いが強く、実際の発売時期や価格は未定という。
一方、BDプレーヤーやレコーダーに関する新たな発表はなかった。プレゼンテーションの中で、映画監督のブレッド・ラトナー氏が「映画はBDで見よう。もし古いDVDなんかを持っていたら、他の人にあげてしまうかチャリティーに出品することだ」とジョーク混じりにビデオで語ったのみ。ただし、本日のカンファレンスはプラズマが話題の中心だったため、それ以外の新製品はほとんど紹介されなかった。明日からの本開催で、同社ブースに出品されることを期待したい。
カンファレンスでは冒頭、北米パナソニックを統括する山田喜彦氏が登壇。同氏は、2006年の同社の取り組みとして、「大画面テレビの普及拡大」と「顧客満足度の向上」の2点に注力したと説明。その結果、ブラック・フライデーのシーズンには、大画面薄型テレビのうち51%のシェアを獲得したほか、市場調査では42V型と50V型の同社薄型テレビが最大の人気モデルとなったと述べた。
また、昨年のCESで公開して話題となった、103V型のプラズマテレビについても言及。「ただ発表しただけでなく、実際に発売して人気を博した」と述べ、ラスベガスのPlanet Hollywoodなど、様々な場所に納入したという。
2007年は、北米地域で30%のシェアを目標にするとのことで、「簡単な目標ではないが、PDPはコスト面で優位。達成することは可能と考えている」という。
さらに、同社薄型テレビを中心に、AVCHD方式のHDビデオカメラやデジタルカメラ、BDプレーヤー、ホームシアターシステムなどをリンクさせる「Living in High Definition」計画についても説明。特にAVCHDカメラについては、「SDメモリーカードに記録したHD映像を薄型テレビに挿入するだけでHD映像が再生できる」とアピールし、北米でも積極的に訴求する考えを示した。
続いて、北米パナソニックのジェフ・コーブ氏と、パナソニックAVCネットワークス社のゼネラル・マネージャーであるAtsuya “Mac”Makita氏が壇上に上がり、プラズマテレビの優位性をアピールした。
まず、「スポーツを見るならプラズマ」と動画解像度の高さをアピール。「液晶テレビは盛んに1080pをアピールしているようだが、動きの速い映像では、720pのプラズマの方が高い解像度を示すこともある」と説明した。さらに、「映画を見るなら、コントラストや色調表現に優れたプラズマが良い」「視野角の広いプラズマなら、家族全員で映像を楽しめる」「輝度半減時間が約60,000時間と長寿命のプラズマなら、長く楽しめる」「環境を考えるなら、鉛・水銀フリーのプラズマが良い」などプラズマの利点を並べ立て、液晶テレビに対する対抗心を剥き出しにした。
また、「PDPは古い技術という指摘があるが」との質問に対して「全く正反対。液晶は50年前からある技術だが、プラズマが実用化されたのはごく最近」と述べたり、「PDPはガスの焼き付きが必要で、焼き付きの問題もあると言われている」という質問には、「ガスの補充など必要ない。このような話題がどこから出たのか分からない。焼き付きについても、問題とされているのはもっぱら初期のモデルだろう。今のモデルではほとんど焼き付きの心配はない。そもそも、ブラウン管で焼き付きを心配する人はいなかったのに、プラズマでなぜ問題とされるのか?」と、主に液晶陣営が指摘しているプラズマの問題点を一蹴した。
さらに、「プラズマはパネル前面に保護ガラスがあり、反射が問題になる。液晶テレビメーカーの一部は、ここにターゲットを絞ってネガティブキャンペーンを展開している」との指摘については、「安全性を高めるためのものなのでクレームを受けたことはない。小さい子供のいるような家庭では特に有用なはず」と反論。また、CEATECなどで過去に公開された、大阪市立大学大学院の岡田明教授の、薄型テレビ視聴時の視覚疲労についての研究結果も援用し、「プラズマ視聴時は液晶に比べて疲労が少ない。薄型テレビを見る際は見る人の健康を考えて選ぶべき」と主張。「PDPは現在最高の技術であるだけでなく、将来にわたっても最高の技術」と締めくくった。
同社プラズマテレビの、北米における2007年の新製品は、これまで北米では発売していなかった50V型、58V型のフルHDモデルが主力になりそうだ。2007年中に、50V型から103V型までをフルHDモデルで揃えるという。このほか、37V型モデルや720pモデルについても、外観を洗練させるなどの施策を施して販売に注力する考えだ。
日本国内と同様、32V型以下のモデルについては、液晶テレビを販売する。ここでは、120Hz駆動の倍速表示技術を採用するほか、バックライト取り替えの必要がないという新技術「LIFI」を搭載し、他社製品との差別化を図っていく。
(Phile-web編集部・風間)
ces2007