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公開日 2008/01/31 19:51
ソニー、3Q連結業績を発表 − PS3は490万台を販売、BDは通期で100億円規模の赤字
ソニー(株)は本日、2007年度第3四半期の連結業績説明会を開催。同社執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏らが出席した。
2007年度第3四半期の売上高は、前年度同期比+9.6%となる2兆8,590億円と四半期として過去最高を記録。営業利益は1,894億円(+5.8%)、当期純利益は2,002億円となった。
■エレクトロニクス分野 ー BRAVIAは好調、今後は液晶と有機ELに注力
エレクトロニクス分野は、BRAVIAなどの増収により2兆694億円、前年同期比10.2%と二桁成長を達成。こちらも四半期として過去最高を記録した。この背景には、全地域で好調に売り上げた液晶テレビ“BRAVIA”やVAIO、主に海外で好評を博したサイバーショットなどの増収がある。しかし営業利益は1,665億円と、前年同期比-7.0%の減少。これについて大根田氏は、昨年よりラインナップを拡充し増収したものの、価格下落により減益に転じたBRAVIAなどを例に挙げ、「コスト削減を上回る価格の下落により、原価率が悪化したため」と説明した。
一方、リアプロジェクションテレビは引き続き市場縮小を続け、減益を計上。大根田氏は2008年3月を持ってリアプロジェクションテレビ事業から撤退し、液晶テレビや有機ELへの投資を強化すると述べた。
■ゲーム分野 ー PS3はハード/ソフトともに売り上げ好調
ゲーム分野はPS3ビジネスと新型PSPの好調を受け、売上高5,812億円(前年同期比31.2%)と、第3四半期として過去最高を記録。営業損益は129億円と黒字に転換した。なかでもPS3はハード・ソフトとも順調な売り上げの成長を記録したほか、ハードウェア生産コストの改善により、営業損失を大幅に減少。増収に大きく寄与した。
PS3のハードウェアは、前年同期比+195%となる490万台の売り上げを達成。PSPも+22%となる576万台と、好調に売り上げを伸ばした。一方PS2は-20%となる540万台となり、減収に転じている。
PS3のソフトウェアは2,600万本(+391%)の売り上げを達成。PSPとPS2はともに売り上げを落とし、それぞれ1,830万本(-14%)、6,090万本(-23%)となった。
大根田氏はゲーム事業の結果について「PS3は東欧・中東・アジア圏などで売り上げを伸ばしており、手応えを感じているが、前期をリカバリーしきれてはいない」と発言した。
■2007年度連結業績見通し
第3四半期の結果を受け同社は、2007年度の連結業績見通しの修正を発表。売上高は8兆9,800億円を維持し、当期純利益は3,400億円(+3%)としたが、営業利益を4,100億円へと9%下方修正した。大根田氏はこの見通しについて「10月時点の想定と比較して為替レートが円高に推移しているほか、株価の下落が続くなど、金融市場の環境は悪化している。そのように外部環境が厳しい中ではあるが、当期純利益は3,400億円と過去最高を目標としている」と説明した。
以下、会場で執り行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.有機ELと液晶テレビ事業の今後の見通しについて教えて欲しい。
A.有機ELは現在は月産2000台で、すぐビジネスになるとは思っていない。まずはすぐビジネスになる液晶と合わせて資本投下に注力していきたい。
Q.PS3はまだ逆ザヤ状態が続いているが、今後この状態が改善する見通しはあるのか。また先日SACD/PS2対応PS3の販売終了する発表がされたが、今後PS2と互換性のあるモデルが再発売されることはあるのか?
A.PS3の逆ザヤ状態を今期中に改善するのは厳しいだろう。来期後半にはブレイクイーブンに持ち込むことを目標にしている。商品企画については、決まり次第発表する。
Q.BDの今後の収益性は?
A.ハードは今期はかなり赤字になると思われるが、ソフトにおいては利益が出ている。しかし両方をあわせても100億単位の赤字になるだろう。黒字になるためにはある程度の数を見込まなければならない。ブルーレイに関しては我が社はキーデバイスを持っているので、コンテンツの売上増とともに早期の黒字化を目指したい。
Q.“BRAVIA”は利益は出ているのか?今後どのような戦略を考えているか?
A.液晶事業は上期は赤字だったが、第3四半期は月間120、130万台出ており、現在の価格水準であっても利益は出るようになった。商品力もついてきたので来期は数量の拡大による固定費の削減、そしてコスト優位性のあるパネルを使うことなどを計画している。来期は必ず黒字にしたいと考えている。
Q.製品の価格下落についてどう考えるか?
A.地域によっても違うが、総じていえば大型液晶テレビについては25〜30%、中型でも20〜25%と見ている。価格下落で一番苦戦したのはテレビで、下がり方が予想以上に速い印象だ。
(Phile-web編集部)
2007年度第3四半期の売上高は、前年度同期比+9.6%となる2兆8,590億円と四半期として過去最高を記録。営業利益は1,894億円(+5.8%)、当期純利益は2,002億円となった。
■エレクトロニクス分野 ー BRAVIAは好調、今後は液晶と有機ELに注力
エレクトロニクス分野は、BRAVIAなどの増収により2兆694億円、前年同期比10.2%と二桁成長を達成。こちらも四半期として過去最高を記録した。この背景には、全地域で好調に売り上げた液晶テレビ“BRAVIA”やVAIO、主に海外で好評を博したサイバーショットなどの増収がある。しかし営業利益は1,665億円と、前年同期比-7.0%の減少。これについて大根田氏は、昨年よりラインナップを拡充し増収したものの、価格下落により減益に転じたBRAVIAなどを例に挙げ、「コスト削減を上回る価格の下落により、原価率が悪化したため」と説明した。
一方、リアプロジェクションテレビは引き続き市場縮小を続け、減益を計上。大根田氏は2008年3月を持ってリアプロジェクションテレビ事業から撤退し、液晶テレビや有機ELへの投資を強化すると述べた。
■ゲーム分野 ー PS3はハード/ソフトともに売り上げ好調
ゲーム分野はPS3ビジネスと新型PSPの好調を受け、売上高5,812億円(前年同期比31.2%)と、第3四半期として過去最高を記録。営業損益は129億円と黒字に転換した。なかでもPS3はハード・ソフトとも順調な売り上げの成長を記録したほか、ハードウェア生産コストの改善により、営業損失を大幅に減少。増収に大きく寄与した。
PS3のハードウェアは、前年同期比+195%となる490万台の売り上げを達成。PSPも+22%となる576万台と、好調に売り上げを伸ばした。一方PS2は-20%となる540万台となり、減収に転じている。
PS3のソフトウェアは2,600万本(+391%)の売り上げを達成。PSPとPS2はともに売り上げを落とし、それぞれ1,830万本(-14%)、6,090万本(-23%)となった。
大根田氏はゲーム事業の結果について「PS3は東欧・中東・アジア圏などで売り上げを伸ばしており、手応えを感じているが、前期をリカバリーしきれてはいない」と発言した。
■2007年度連結業績見通し
第3四半期の結果を受け同社は、2007年度の連結業績見通しの修正を発表。売上高は8兆9,800億円を維持し、当期純利益は3,400億円(+3%)としたが、営業利益を4,100億円へと9%下方修正した。大根田氏はこの見通しについて「10月時点の想定と比較して為替レートが円高に推移しているほか、株価の下落が続くなど、金融市場の環境は悪化している。そのように外部環境が厳しい中ではあるが、当期純利益は3,400億円と過去最高を目標としている」と説明した。
以下、会場で執り行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.有機ELと液晶テレビ事業の今後の見通しについて教えて欲しい。
A.有機ELは現在は月産2000台で、すぐビジネスになるとは思っていない。まずはすぐビジネスになる液晶と合わせて資本投下に注力していきたい。
Q.PS3はまだ逆ザヤ状態が続いているが、今後この状態が改善する見通しはあるのか。また先日SACD/PS2対応PS3の販売終了する発表がされたが、今後PS2と互換性のあるモデルが再発売されることはあるのか?
A.PS3の逆ザヤ状態を今期中に改善するのは厳しいだろう。来期後半にはブレイクイーブンに持ち込むことを目標にしている。商品企画については、決まり次第発表する。
Q.BDの今後の収益性は?
A.ハードは今期はかなり赤字になると思われるが、ソフトにおいては利益が出ている。しかし両方をあわせても100億単位の赤字になるだろう。黒字になるためにはある程度の数を見込まなければならない。ブルーレイに関しては我が社はキーデバイスを持っているので、コンテンツの売上増とともに早期の黒字化を目指したい。
Q.“BRAVIA”は利益は出ているのか?今後どのような戦略を考えているか?
A.液晶事業は上期は赤字だったが、第3四半期は月間120、130万台出ており、現在の価格水準であっても利益は出るようになった。商品力もついてきたので来期は数量の拡大による固定費の削減、そしてコスト優位性のあるパネルを使うことなどを計画している。来期は必ず黒字にしたいと考えている。
Q.製品の価格下落についてどう考えるか?
A.地域によっても違うが、総じていえば大型液晶テレビについては25〜30%、中型でも20〜25%と見ている。価格下落で一番苦戦したのはテレビで、下がり方が予想以上に速い印象だ。
(Phile-web編集部)