サヤ、ピュアオーディオとサラウンドの両立を目指す「PURE SPEEDシリーズ」を発売

（株）サヤは、ピュアオーディオとサラウンド双方の利点を活かした新分野「ピュア・マルチチャンネルオーディオ」の開拓を目指すオーディオブランド「PURE SPEED」を立ち上げ、3製品を本日より発売した。

発売されるのはコントロールアンプ「SC1000」、パワーアンプ「SP2000」、スピーカー「LS3000」の3製品。価格は、セット内容やスペックなど利用者のカスタマイズに応じて500万円から1,200万円ほどを予定しているという。

同社では「オーディオ業界は、原音に忠実な音楽再生を目指す2チャンネルの『ピュアオーディオ分野』と、映画ソースのサラウンド効果など臨場感を重視する『マルチチャネル』のAV分野に大別されている」とし、「忠実なオーディオ品質をもつピュアオーディオの中でも最高峰の低歪、低雑音性能を実現しつつ、各種AV機器への接続を可能としたマルチチャンネル入力対応の新分野『ピュア・マルチチャンネルオーディオ』の開拓を目指す」とコメント。新分野開拓のために新たに「PURE SPEEDシリーズ」を開発したとしている。

■コントロールアンプ「SC1000」

・SC1000-8（8ch対応）330万円（税込）
・SC1000-6（6ch対応）280万円（税込）
・SC1000-2（2ch対応）180万円（税込）

最大8chまで対応可能なマルチチャンネルコントロールアンプ。回路は全チャンネル同一構成で、入力から出力までの全回路を1chごとに1枚の基板に集約。これにより、最短の信号経路と抜群のクロストーク性能を実現したという。

セレクタ、ボリュームやトーンなど各機能はロジックリレーコントロールにより、チャンネルカード上に配置され、増幅段と一体化。また、チャンネルカードはマザーボード上に必要チャンネル数実装され、オリジナルのオーディオバスで結合されている。

オーディオバスはチャンネルカードの制御用バスで、信頼性を高めるため信号線を2重化。雑音が混入しないよう、電源を含めて絶縁している。また、高速性が要求されないため、低スルーレート設計として雑音源にならないよう考慮。これら合理的なコンストラクションによって、トランジスタ811個、使用ダイオード213個、使用IC245個という大規模な回路をコンパクトにまとめたという。

オペアンプには、1段の増幅ステージしかもたないFET入力フォールテッドカスコード型の同社製「PS-UNIT1」を搭載。同オペアンプを2基通過するのみというシンプルな信号経路にすることにより増幅段を小さくし、歪率や雑音を抑えている。

入力は5系統あり、D端子のビデオセレクタと連動したAVセレクタになっている。ビデオ系はD1からD5まで対応できるよう、帯域200MHzダイレクトカップリングの電流帰還コンプリメンタリ・プッシュプルアンプでバッファしている。また、REC-OUTセレクタやサブアンプ用のバイパスセレクタに活用できる、もう一組のAVセレクタを独立して装備している。

パッシブダウンミックスを装備。ダウンミックス4.0ch再生を可能にしたことで、限られたスペースでも大型のピュアオーディオ用スピーカーを設置しやすいようにした。なお、ホームユースでは左右チャンネル距離が狭いのでセンタスピーカーは左右に振ってもそれほど問題はなく、ピュアオーディオ用スピーカーの低域再生能力は優れているためにスーパーウーファーも必要ないとしている。

■パワーアンプ「SP2000」　220万円（税込）

ツインモノラル構成の純A級パワーアンプ。2つのチャンネルのグラウンドを絶縁することで、ステレオパワーアンプの入力信号源を共通のグラウンドとした場合に発生するコモンモードノイズの問題をクリアしたという。

アイドル電流安定化回路を搭載。常にアイドル電流を監視してバイアス電圧を適切に制御することで、温度や経年変化の影響を受けず、安定したA級動作領域を確保した。なお、アイドル電流はヒ−トシンク温度とともにフロントパネルにモニターされる。

同社製の無帰還バッファ「PS-UNIT2」によるチャンネルデバイダ機能を内蔵。これにより、スルー、ローパス、ハイパス、バンドパスなど各特性を実現した。フィルタのカーブは-6dB/oct、-12dB/oct を使用できる。

A級動作範囲は、フロントパネルのプッシュスイッチにより切り替えることが可能。またNF式ゲイン切替えを搭載し、11.2dBから20.4dBまで12段階のゲインを選択できる。

大容量トンネル型ヒートシンクと、クーリングファンによる前面吸気・後方排気の強制空冷システムを採用。吸排気チャンバに消音器を実装、更に前面下部吸気・後面下部吸気とする事で残留騒音を低減させたことなどにより、「強制空冷である事を忘れるほどの低騒音を達成した」という。

■スピーカー「LS3000」　価格未定

ウーファー4ユニット、ミッドレンジ12ユニット、トゥイーターシングル駆動の3ウェイ17スピーカーシステム。スピーカーユニットをアレイ駆動（複数駆動）にすることによって、高能率化を図っている。アレイ型スピーカーは、駆動するスピーカーユニット数が増えるほど能率が上がり、1ユニットあたりの振幅が減って、歪率やダイナミックレンジなどの諸特性が改善されるという。

また、アレイ駆動を組み合わせることでトランジェント性能の優れている小口径軽量コーンのスピーカーユニットの耐入力を向上。振幅の減少や歪率を抑制させ、トランジェント性能と低歪率を両立させた。

多くのユニットを使用しながらも、設置面積を30cm×41.7cmに抑えたデザインとした点も特徴。また、音源が縦方向に長いアレイシステムでは、水平指向性が広く垂直指向性が狭いため、床天井反射を大幅に低減させる。

同製品では、複数のスピーカーユニットをコンパクトにまとめ、想定される距離差から計算される干渉周波数より低い周波数でハイカット側クロスオーバーを設定。これにより、近距離で聞くと中高域においてに実用に耐えない周波数特性上のディップが発生するというアレイ型スピーカー特有の問題をクリアした。

3ウェイシステムとして設計し、中高域は仮想同軸配置を採用。ウーファーは16cm防磁型ペーパーコーンユニットを4基、ミッドレンジは9cm防磁型マグネシウム＆アルミコーン複合振動板ユニットを12基、トゥイーターは2.5cmネオジウム防磁型／チタンドームユニットを搭載している。

上部の中高域ユニットを後方にずらして配置する設計を採用。ウーファーの振動板位置とミッドレンジ、トゥイーターの振動板位置のズレが最小になるよう配慮している。また、バスレフポートのチューニングを最適化することで、最大群遅延を45Hz／12.5msecに抑えている。

エンクロジャーは、ウーファー部分とミッドレンジ・トゥイーター部分を分離させた構造を採用。さらに、ウーファー部分は内部を不等間隔で4分割して各容積を小さくしている。これらにより、定在波の高域シフトと分散、剛性の強化を図っている。

加えて、サランネットにはミッドレンジ前面にハイカット吸音材を添付。ミッドレンジは3KHz以上は不要なため、この上の周波数をサランネットでカットすることで、歪率をより低減させている。

【問い合わせ先】
サヤ
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