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公開日 2016/02/04 19:22
「鴻海有利ということではない」 − シャープ高橋社長が再建支援交渉の詳細を説明
技術の海外流出懸念や白物家電切り離しなどについても回答
別項の通り、本日シャープは平成28年3月期第3四半期の連結業績を発表。決算会見では、経営再建における(株)産業革新機構と鴻海精密工業有限公司の2社との交渉について質問が集中した。本稿ではその会見の模様をレポートする。
まず代表取締役社長の高橋興三氏は、現在は産業革新機構と鴻海両方から提示された支援案を精査している段階であることを改めて説明。本日報道された「鴻海からの支援で再建を目指す方針を決めた」ということではなく、また、本日開催した取締役会も優先交渉権をどちらに与えるかの決議を行うためのものではなく、両者からの提案精査の進捗を確認するためのものであったと述べた。
その上で、現在の検討状況について鴻海からの提案の精査にリソースを割いていると説明。これを受け、会見に出席したメディアからは「鴻海が有利ということなのか?」といった趣旨の質問が相次いだが、「鴻海のほうが支援策の内容が多いなどということではない。こちらからの質問にいろんな回答をしてもらっているし、先方からもいろいろな質問をもらっている。その分析に人を割く必要が発生しているということだ」とし、「それが有利だとか優先交渉権につながるという話ではない」と語った。
支援策の内容について投資金額などが具体的に明かされることはなかったが、「金額の多寡がすべてに優先するものではない。金額はその次のレベルの話だ」と説明。
「両者とも我々にとって積極的な提案をいただいており、非常にありがたく思っている。金銭面ではない部分でも大変好条件を両者とも提示してくれている」と高橋氏はコメント。「社員、株主を含めたすべてのステークホルダーにとって最良のものを選択していく。しっかりと内容を吟味させてもらっている段階だ」とした。
なお、支援を受け入れるにあたっては液晶事業以外も含めた4つのカンパニーによる体制を維持していきたいと希望しており、鴻海、産業革新機構ともそれに理解を示していると説明。「シャープのDNAを残しながら成長していくために、カンパニーごとに分解されるのはむしろお互いにとって大きなマイナスになると申し上げている」とのことで、その形態が変わる可能性こそあるものの、液晶事業以外も含めての支援ということで話は進んでいるようだ。
また、一部報道では産業革新機構からは国内家電業界の再編に向けてシャープの白物家電部門を切り離す提案をしたという話もあったが、「そういう提案はまったくもらっていない」と高橋氏は否定。「4つのカンパニーがあることによって、シャープらしい新しい商品が生み出せると考えてもらっている」と述べた。
加えて、現在の従業員の雇用や取引先との関係性の持続についても最大限の配慮を求めていることにも言及。この要望に対しても両者とも理解を示しているという。
また、仮に鴻海からの支援を受け入れた場合に心配される、同社技術の国外流出の懸念について、堺ディスプレイプロダクト(SDP)の株をほぼ半分ずつシャープと鴻海で持ちあった状態ですでに3年の実績があることを紹介。「この3年、SDPからの技術流出はなかったし、SDP以外の面でも技術流出をさせないということでお話をもらっている」と説明した。
なお、契約締結までにあと一ヶ月程度の時間を要する点については「今日の段階で今後の結論が出ていないというのは、経営陣に決断する能力がないとも言えるのでは。それなのに今後一ヶ月で判断できるのか」といった批判的な質問も。
これに対し高橋氏は、「その結果責任については反論するつもりはない」と非を認めつつ、「双方の提案について、将来どのように事業を伸ばしていく可能性があるのか、シナジー効果がどれだけ見込めるか。それを見積もっていくのに一ヶ月程度必要だと見ている」と回答した。
また、現経営陣の経営責任について「現在の構造改革をまずやり切るのが一番の経営責任だと考えている」とコメント。「シャープが将来にわたって発展していくために何がいいのかを全力で考え、両者の提案をしっかり判断して決断していくことが責任だと思っている」とした。
ただ、支援先をひとつに絞って正式契約を締結した場合でも、それをもっての退陣には否定的な考えでいると説明。「そこまで持っていって『あとはどうぞ勝手にやってくれ』とは言えない立場にあると思っている。5年後、10年後、もっと先まで、シャープがどうやってみなさんのお役に立てるのかを見極めていきたい。単純に放り出すつもりはない」と述べた。
まず代表取締役社長の高橋興三氏は、現在は産業革新機構と鴻海両方から提示された支援案を精査している段階であることを改めて説明。本日報道された「鴻海からの支援で再建を目指す方針を決めた」ということではなく、また、本日開催した取締役会も優先交渉権をどちらに与えるかの決議を行うためのものではなく、両者からの提案精査の進捗を確認するためのものであったと述べた。
その上で、現在の検討状況について鴻海からの提案の精査にリソースを割いていると説明。これを受け、会見に出席したメディアからは「鴻海が有利ということなのか?」といった趣旨の質問が相次いだが、「鴻海のほうが支援策の内容が多いなどということではない。こちらからの質問にいろんな回答をしてもらっているし、先方からもいろいろな質問をもらっている。その分析に人を割く必要が発生しているということだ」とし、「それが有利だとか優先交渉権につながるという話ではない」と語った。
支援策の内容について投資金額などが具体的に明かされることはなかったが、「金額の多寡がすべてに優先するものではない。金額はその次のレベルの話だ」と説明。
「両者とも我々にとって積極的な提案をいただいており、非常にありがたく思っている。金銭面ではない部分でも大変好条件を両者とも提示してくれている」と高橋氏はコメント。「社員、株主を含めたすべてのステークホルダーにとって最良のものを選択していく。しっかりと内容を吟味させてもらっている段階だ」とした。
なお、支援を受け入れるにあたっては液晶事業以外も含めた4つのカンパニーによる体制を維持していきたいと希望しており、鴻海、産業革新機構ともそれに理解を示していると説明。「シャープのDNAを残しながら成長していくために、カンパニーごとに分解されるのはむしろお互いにとって大きなマイナスになると申し上げている」とのことで、その形態が変わる可能性こそあるものの、液晶事業以外も含めての支援ということで話は進んでいるようだ。
また、一部報道では産業革新機構からは国内家電業界の再編に向けてシャープの白物家電部門を切り離す提案をしたという話もあったが、「そういう提案はまったくもらっていない」と高橋氏は否定。「4つのカンパニーがあることによって、シャープらしい新しい商品が生み出せると考えてもらっている」と述べた。
加えて、現在の従業員の雇用や取引先との関係性の持続についても最大限の配慮を求めていることにも言及。この要望に対しても両者とも理解を示しているという。
また、仮に鴻海からの支援を受け入れた場合に心配される、同社技術の国外流出の懸念について、堺ディスプレイプロダクト(SDP)の株をほぼ半分ずつシャープと鴻海で持ちあった状態ですでに3年の実績があることを紹介。「この3年、SDPからの技術流出はなかったし、SDP以外の面でも技術流出をさせないということでお話をもらっている」と説明した。
なお、契約締結までにあと一ヶ月程度の時間を要する点については「今日の段階で今後の結論が出ていないというのは、経営陣に決断する能力がないとも言えるのでは。それなのに今後一ヶ月で判断できるのか」といった批判的な質問も。
これに対し高橋氏は、「その結果責任については反論するつもりはない」と非を認めつつ、「双方の提案について、将来どのように事業を伸ばしていく可能性があるのか、シナジー効果がどれだけ見込めるか。それを見積もっていくのに一ヶ月程度必要だと見ている」と回答した。
また、現経営陣の経営責任について「現在の構造改革をまずやり切るのが一番の経営責任だと考えている」とコメント。「シャープが将来にわたって発展していくために何がいいのかを全力で考え、両者の提案をしっかり判断して決断していくことが責任だと思っている」とした。
ただ、支援先をひとつに絞って正式契約を締結した場合でも、それをもっての退陣には否定的な考えでいると説明。「そこまで持っていって『あとはどうぞ勝手にやってくれ』とは言えない立場にあると思っている。5年後、10年後、もっと先まで、シャープがどうやってみなさんのお役に立てるのかを見極めていきたい。単純に放り出すつもりはない」と述べた。