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公開日 2016/06/09 19:12
“マッハ36”ベリリウム振動板のメリットとは? マクセル、新ヘッドホン「MXH-MD5000」説明会
10年ぶり投入のハイエンドヘッドホンをアピール
日立マクセル(株)は、ハイレゾ対応のヘッドホン「MXH-MD5000」の発売を翌日に控えた本日6月9日、メディア向けの製品説明会を開催。新製品の特徴や開発の狙い、ヘッドホン市場動向を説明した。
■マクセル10年ぶりのハイエンドヘッドホンは“マッハ36”の金属振動板モデル
「MXH-MD5000」は、ベリリウム合金コーティングの振動板による新開発45mmドライバーユニットを搭載。再生周波数帯域20Hz〜40kHzに対応するハイレゾ対応仕様とし、同社が音にこだわった音響機器製品に付けているシンボルマーク「m」も付与している。
6月10日に発売することが発表されていたが(関連ニュース)、同社スタッフからの特徴紹介や実機デモが披露された格好だ。なお価格はオープンだが39,800円前後での販売が予想される。本体色はブラックのみ。
型番の「MD」は「Metal Diaphragm」という意味が込められており、「今後、金属コーティング振動板を採用したラインナップの拡充を図っていきたい」(同社ライフソリューション事業本部 マーケティング事業部 事業企画部 企画課 副主幹 河原健介氏)という。
なお、マクセルがハイエンドヘッドホンを投入するのは、2006年に発売した“VRAISON”(関連ニュース)以来実に10年ぶり。同モデルは周波数帯域とビットレートを拡張する「Bit-Revolution」技術を搭載し、PCに接続して音楽を聴くという、現代を先取りしたような製品だった。
しかし、「当時はPCで音楽を聴くことが今ほど一般的になっていなかったので商品があまり認知されなかった」(同社ライフソリューション事業本部 マーケティング事業部 事業企画部 企画課 課長 沢辺祐二氏)とのこと。「その後ヘッドホン開発は滞ってしまっていたが、音響ブランドとして価値を高めていくためには、やはりヘッドホンが必要だろうと考えた」と、製品開発の背景を語る。
■Hi-Fiオーディオにも採用されるベリリウム振動板の利点とは?
ベリリウム合金は軽量かつ高剛性であることが特徴。ヘッドホンでも採用例の多いチタンなど他の金属に比べ、音伝導性や硬さが約2.5倍、比重(軽さ)も非常に軽いという物性を持っていることを紹介し、音伝導性がマッハの約36倍と高速であると説明。「“マッハ36”のベリリウムコート振動板だ」(河原氏)とアピールする。
音の伝播速度が速いことで振動板全体が一体として音を再現でき、高い周波数の再現性に優れると同社は説明。また、振動時に変形しない硬さを持つため、音の濁りの原因となる振動板の分割振動を抑制できる。加えて、軽さは振動板を速く動かせてレスポンス特性の向上につながり、また、内部損失も他価格共振しにくいため音の濁りが少ないという。
また、ベリリウムの振動板はピュアオーディオの高級スピーカーに採用されていることを紹介。ヤマハ「NS-1000M」、JBL「Project EVEREST DD67000」、TAD“Reference one”「TAD-R1MK2」といった各社のフラグシップ級製品に採用されている技術をヘッドホンに投入したとし、「オーバーヘッドホンでの採用はおそらく業界初ではないか」(河原氏)とアピールした。
また、ドライバーには軽量なCCAWボイスコイルも搭載したほか、さらに5層の音響レジスターにより音域バランスを調整。フラットな再生バランスを実現したとしている。
■リケーブルでバランス駆動ケーブルも使用可能
筐体内部にはデュアルチャンバー構造を採用。ドライバー背面に作られる2つの空気層が音響抵抗を最適化し、ドライバーの振動効率を高めることで音質向上を図っている。
イヤーパッドは低反発素材を立体縫製したもの。頭部や耳部の凸凹にフィットする形状にして聴き疲れのない装着性を実現すると同時に、気密性も向上によって音漏れを低減させ、低域を漏らさず耳に届けられるため音質向上にもつながっているとした。
ケーブルは着脱式の片出しで、約1.2m/L型プラグのケーブルと、約3.0m/ストレート型の2種類のケーブルを同梱。3.5mm 4極のバランス駆動ケーブルの使用にも対応している。なお、バランスケーブルは同梱していないが、「オプション品として今後の開発も検討している」という。
製品の特徴説明にあたった河原氏は、現在の国内ヘッドホン市場の状況にも言及。数量では横ばいで推移している一方、金額ベースで見ると前年比108%で伸長しており、平均単価が上がっていることを紹介する。
加えて、ヘッドホン全体に占めるハイレゾ対応モデルの構成比についてもコメント。数量ベースではまだ3%だが、金額で見ると14%を占めるまでに成長しており、「無視できない市場になっている」と、マーケティング的な観点からも製品誕生の背景を説明した。
そのほか、4月29日・30日に開催されたヘッドホン祭(レポート記事一覧)で同社は本機を参考出展していたが、同イベントでの「ヘッドフォン祭アワード ヘッドフォン部門(ミドルクラス:2-5万円)」において金賞を受賞したことも河原氏はアピール。
なお、発売翌日となる今週末6月11日(土)には、e☆イヤホン秋葉原店において本機の試聴会も開催する。時間は11時から18時まで。
■マクセル10年ぶりのハイエンドヘッドホンは“マッハ36”の金属振動板モデル
「MXH-MD5000」は、ベリリウム合金コーティングの振動板による新開発45mmドライバーユニットを搭載。再生周波数帯域20Hz〜40kHzに対応するハイレゾ対応仕様とし、同社が音にこだわった音響機器製品に付けているシンボルマーク「m」も付与している。
6月10日に発売することが発表されていたが(関連ニュース)、同社スタッフからの特徴紹介や実機デモが披露された格好だ。なお価格はオープンだが39,800円前後での販売が予想される。本体色はブラックのみ。
型番の「MD」は「Metal Diaphragm」という意味が込められており、「今後、金属コーティング振動板を採用したラインナップの拡充を図っていきたい」(同社ライフソリューション事業本部 マーケティング事業部 事業企画部 企画課 副主幹 河原健介氏)という。
なお、マクセルがハイエンドヘッドホンを投入するのは、2006年に発売した“VRAISON”(関連ニュース)以来実に10年ぶり。同モデルは周波数帯域とビットレートを拡張する「Bit-Revolution」技術を搭載し、PCに接続して音楽を聴くという、現代を先取りしたような製品だった。
しかし、「当時はPCで音楽を聴くことが今ほど一般的になっていなかったので商品があまり認知されなかった」(同社ライフソリューション事業本部 マーケティング事業部 事業企画部 企画課 課長 沢辺祐二氏)とのこと。「その後ヘッドホン開発は滞ってしまっていたが、音響ブランドとして価値を高めていくためには、やはりヘッドホンが必要だろうと考えた」と、製品開発の背景を語る。
■Hi-Fiオーディオにも採用されるベリリウム振動板の利点とは?
ベリリウム合金は軽量かつ高剛性であることが特徴。ヘッドホンでも採用例の多いチタンなど他の金属に比べ、音伝導性や硬さが約2.5倍、比重(軽さ)も非常に軽いという物性を持っていることを紹介し、音伝導性がマッハの約36倍と高速であると説明。「“マッハ36”のベリリウムコート振動板だ」(河原氏)とアピールする。
音の伝播速度が速いことで振動板全体が一体として音を再現でき、高い周波数の再現性に優れると同社は説明。また、振動時に変形しない硬さを持つため、音の濁りの原因となる振動板の分割振動を抑制できる。加えて、軽さは振動板を速く動かせてレスポンス特性の向上につながり、また、内部損失も他価格共振しにくいため音の濁りが少ないという。
また、ベリリウムの振動板はピュアオーディオの高級スピーカーに採用されていることを紹介。ヤマハ「NS-1000M」、JBL「Project EVEREST DD67000」、TAD“Reference one”「TAD-R1MK2」といった各社のフラグシップ級製品に採用されている技術をヘッドホンに投入したとし、「オーバーヘッドホンでの採用はおそらく業界初ではないか」(河原氏)とアピールした。
また、ドライバーには軽量なCCAWボイスコイルも搭載したほか、さらに5層の音響レジスターにより音域バランスを調整。フラットな再生バランスを実現したとしている。
■リケーブルでバランス駆動ケーブルも使用可能
筐体内部にはデュアルチャンバー構造を採用。ドライバー背面に作られる2つの空気層が音響抵抗を最適化し、ドライバーの振動効率を高めることで音質向上を図っている。
イヤーパッドは低反発素材を立体縫製したもの。頭部や耳部の凸凹にフィットする形状にして聴き疲れのない装着性を実現すると同時に、気密性も向上によって音漏れを低減させ、低域を漏らさず耳に届けられるため音質向上にもつながっているとした。
ケーブルは着脱式の片出しで、約1.2m/L型プラグのケーブルと、約3.0m/ストレート型の2種類のケーブルを同梱。3.5mm 4極のバランス駆動ケーブルの使用にも対応している。なお、バランスケーブルは同梱していないが、「オプション品として今後の開発も検討している」という。
製品の特徴説明にあたった河原氏は、現在の国内ヘッドホン市場の状況にも言及。数量では横ばいで推移している一方、金額ベースで見ると前年比108%で伸長しており、平均単価が上がっていることを紹介する。
加えて、ヘッドホン全体に占めるハイレゾ対応モデルの構成比についてもコメント。数量ベースではまだ3%だが、金額で見ると14%を占めるまでに成長しており、「無視できない市場になっている」と、マーケティング的な観点からも製品誕生の背景を説明した。
そのほか、4月29日・30日に開催されたヘッドホン祭(レポート記事一覧)で同社は本機を参考出展していたが、同イベントでの「ヘッドフォン祭アワード ヘッドフォン部門(ミドルクラス:2-5万円)」において金賞を受賞したことも河原氏はアピール。
なお、発売翌日となる今週末6月11日(土)には、e☆イヤホン秋葉原店において本機の試聴会も開催する。時間は11時から18時まで。