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公開日 2018/04/26 12:10
FiiO「Q5」や「M7」の詳細が明らかに。Bluetoothケーブルや新ハイブリッド型イヤホンも披露
本国マネージャーも来日
エミライは昨日25日、FiiOブランドの新製品についてプレス向け発表会を開催。昨日発表したポータブルヘッドホンアンプ「Q5」(関連ニュース)、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)の「M7」(関連ニュース)を含む、今後発売予定の新製品について、製品の詳細を明らかにした。
発表会には中国・FiiO Electronics本社のマネージャー、ジェームズ・チャン氏も出席。製品企画の狙いなどを話した。
■アンプモジュールを採用したポータブルアンプ「Q5」
Q5は「価格帯最高峰の物量と音質を実現した」と同社が紹介するDAC/Bluetoothレシーバー内蔵ポータブルヘッドホンアンプ。正式な価格はまだ決定していないが、4万円台での発売を予定しているという。また、後述の付属アンプモジュールの違いにより2種類のパッケージが用意される。
DACには旭化成エレクトロニクスの「AK4490EN」をデュアルで搭載。フラグシップDAC「AK4490EQ」ではなくAK4490ENを採用した理由は、2chでの特性や聴感上の音質に優れていると判断したためだという。ファイルフォーマットは、最大PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzネイティブ再生に対応している。
内部にはTI製のオペアンプ「OPA1642」、パナソニック製フィルムコンデンサ、新日本無線製ボリュームコントロールチップ、ビシェイ社製の抵抗器など高品質に定評のある音響パーツを採用し、精度と音質を高めている。
音量は電子ボリュームにより256段の細かな調整が可能で、アナログ式ボリュームで起こりうる、左右の音量が不揃いになる“ギャングエラー”も排除している。
7つの部位それぞれに低ドロップアウト・レギュレーターを内蔵。独立した電源回路により安定した電力供給を行い、クリーンな電源と各コンポーネント間の干渉抑制を行っている。
Bluetooth受信部では、Bluetoothチップに内蔵されたDAC部をバイパスし、AK4490ENに直接信号を入力する設計。これにより全高調波歪およびクロストーク、ノイズフロアを低減でき、優れた音質を実現するとしている。
本体下部のアンプ部は、六角星型のトルクスねじで固定されたモジュール式になっており、端子や電力特性の異なる様々なアンプモジュールを、ユーザーの求めるオーディオ環境に合わせて付け替えることができる。
アンプモジュールはFiiOのフラグシップDAP「X7 Mark II」でも採用されている機構で、現在同社では、駆動に高い電圧とゲインが必要なイヤホン/ヘッドホンに向けたハイパワーモデル「AM5」、音量のとりやすさと引き換えにノイズが目立ちやすい高感度のイヤホン/ヘッドホンに向けた低ノイズモデル「AM1」「AM3A」、中間的な特性を持つミドルパワーモデル「AM2」をラインナップしている。
Q5に付属のバランス出力対応モジュールは、3.5mmステレオミニ端子と2.5mmバランス端子を搭載する「AM3A」、または3.5mmステレオミニ端子と4.4mmバランス端子を搭載する「AM3B」どちらか一方が付属。パッケージも付属するバランスモジュール毎に用意される。
AM3Bは、AM3Aをベースに日本ディックス社の4.4mmバランスジャックを搭載、ミドルパワーモデルにあたる新型アンプモジュールとなる。単純に端子を交換しただけでなく、基板構成をオーディオ回路と電源/通信回路に分割再設計。アンバランス出力も含めて音質をブラッシュアップし、出力も約100mW向上した。
その他の仕様として、3.5mmライン入力端子は同軸/光デジタル入力も兼用。Apple製品のMFi認証を取得しており、接続の自動検知/切り替え機能を搭載。スマートフォンアプリ「FiiO Music」で設定の変更・保存も可能となっている。
■新しくスタートするDAP「M7」
M7は同社の新たなDAPシリーズの第1弾。価格は3万円前後を見込む。ブラックとシルバーのカラーバリエーションを展開するが、それ以外のカラー展開も計画しているという。
従来よりFiiOには、“M”からはじまるモデル名を冠した製品群が存在しているが、M7はそこに連なるものではなく、新しく仕切り直すかたちで開発されたという。これまでFiiOの主力シリーズだった「Xシリーズ」とも異なる立ち位置となっている。なお、今後開発するDAPも、Mから始まるモデル名が名付けられるとのこと。
SoCはこれまで数多くの製品で採用してきたRockchipではなく、Samsungの「Exynos7270」を搭載。14nm FinFETプロセスで製造される、電力効率とサイズ比に優れたデュアルコアチップ(駆動周波数1GHz)となる。
Exynos7270の採用に伴い、最新スマートフォンで使用されているものとおなじ6層マルチステージHDI(高密度相互接続)PCBを搭載。本体の薄型化に貢献している。
DACにはESSの「ES9018Q2C」を採用。ExynosからES9018Q2Cの経路の間には処理用FPGAも介している。さらに音楽の忠実な再現のため、同社のX7 Mark IIと同じくサンプリングレートごとの2種類のクロックを搭載した。
金属製の筐体は効率の良い電波の送信を工夫しており、Bluetoothの接続途切れも大幅に緩和できたという。
OSはAndorid 7.0をベースにしたカスタムOSを搭載。再生アプリやファイルマネージャーがプリインストールされている。Playストアからのアプリ追加などには非対応で、Wi-Fiも非搭載となる。
ジェームズ氏は、「現在の市場にはスマートフォンなどで音楽を楽しむユーザーと、iPodのような単機能のオーディオプレーヤーを求めるユーザーという2通りが存在している」とリサーチしており、それぞれに合った製品を開発していく方針だと語った。
■Bluetoothケーブルと新イヤホンも参考出展
発表会では、今後発売を計画している新製品も2機種も参考展示された。
展示品のうち1つは、Bluetooth受信機を内蔵したBluetoothケーブル「RC-BT」。QualcommのSoC「CSR8645」を採用し、MMCX端子採用のイヤホンをワイヤレス化することができる。
同様の製品はすでに様々なメーカーが販売しているが、「価格は他社製品半分程度を実現できる」とのこと。技適もすでに取得し、日本で販売する準備は整いつつあるという。コーデックはSBC/AAC/aptXに対応し、連続10時間前後使用可能だ。
もう1つの参考展示品は、BAドライバー3基+10mm ダイナミックドライバー1基のハイブリッド型イヤホン「FH5」。同社が販売している「FH1」の上位モデルで、価格は4万円前後を見込む。
BAドライバーは大手メーカーKnowles社製の品質に定評のあるモデルを採用しており、中域にED-30262、高域に2個1組の「TWFK-31082-B82」を搭載。帯域ごとに分けた3つの音導管を備えており、低域はチューブを長く引き回し、ローパスフィルターとして作用させている。
ケーブルは従来よりハイグレードなものを同梱する。その代わり、バランスケーブルも付属していた同社従来製品と異なり、3.5mmモデル1本のみが付属となる。
これらはヘッドホン祭にも出展。発表会は開催しないが、その代わりジェームズ氏が直接日本のユーザーから話を聴く機会を設けたいとし、今後も日本市場に見合った製品開発を続けていく構えを見せた。
発表会には中国・FiiO Electronics本社のマネージャー、ジェームズ・チャン氏も出席。製品企画の狙いなどを話した。
■アンプモジュールを採用したポータブルアンプ「Q5」
Q5は「価格帯最高峰の物量と音質を実現した」と同社が紹介するDAC/Bluetoothレシーバー内蔵ポータブルヘッドホンアンプ。正式な価格はまだ決定していないが、4万円台での発売を予定しているという。また、後述の付属アンプモジュールの違いにより2種類のパッケージが用意される。
DACには旭化成エレクトロニクスの「AK4490EN」をデュアルで搭載。フラグシップDAC「AK4490EQ」ではなくAK4490ENを採用した理由は、2chでの特性や聴感上の音質に優れていると判断したためだという。ファイルフォーマットは、最大PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzネイティブ再生に対応している。
内部にはTI製のオペアンプ「OPA1642」、パナソニック製フィルムコンデンサ、新日本無線製ボリュームコントロールチップ、ビシェイ社製の抵抗器など高品質に定評のある音響パーツを採用し、精度と音質を高めている。
音量は電子ボリュームにより256段の細かな調整が可能で、アナログ式ボリュームで起こりうる、左右の音量が不揃いになる“ギャングエラー”も排除している。
7つの部位それぞれに低ドロップアウト・レギュレーターを内蔵。独立した電源回路により安定した電力供給を行い、クリーンな電源と各コンポーネント間の干渉抑制を行っている。
Bluetooth受信部では、Bluetoothチップに内蔵されたDAC部をバイパスし、AK4490ENに直接信号を入力する設計。これにより全高調波歪およびクロストーク、ノイズフロアを低減でき、優れた音質を実現するとしている。
本体下部のアンプ部は、六角星型のトルクスねじで固定されたモジュール式になっており、端子や電力特性の異なる様々なアンプモジュールを、ユーザーの求めるオーディオ環境に合わせて付け替えることができる。
アンプモジュールはFiiOのフラグシップDAP「X7 Mark II」でも採用されている機構で、現在同社では、駆動に高い電圧とゲインが必要なイヤホン/ヘッドホンに向けたハイパワーモデル「AM5」、音量のとりやすさと引き換えにノイズが目立ちやすい高感度のイヤホン/ヘッドホンに向けた低ノイズモデル「AM1」「AM3A」、中間的な特性を持つミドルパワーモデル「AM2」をラインナップしている。
Q5に付属のバランス出力対応モジュールは、3.5mmステレオミニ端子と2.5mmバランス端子を搭載する「AM3A」、または3.5mmステレオミニ端子と4.4mmバランス端子を搭載する「AM3B」どちらか一方が付属。パッケージも付属するバランスモジュール毎に用意される。
AM3Bは、AM3Aをベースに日本ディックス社の4.4mmバランスジャックを搭載、ミドルパワーモデルにあたる新型アンプモジュールとなる。単純に端子を交換しただけでなく、基板構成をオーディオ回路と電源/通信回路に分割再設計。アンバランス出力も含めて音質をブラッシュアップし、出力も約100mW向上した。
その他の仕様として、3.5mmライン入力端子は同軸/光デジタル入力も兼用。Apple製品のMFi認証を取得しており、接続の自動検知/切り替え機能を搭載。スマートフォンアプリ「FiiO Music」で設定の変更・保存も可能となっている。
■新しくスタートするDAP「M7」
M7は同社の新たなDAPシリーズの第1弾。価格は3万円前後を見込む。ブラックとシルバーのカラーバリエーションを展開するが、それ以外のカラー展開も計画しているという。
従来よりFiiOには、“M”からはじまるモデル名を冠した製品群が存在しているが、M7はそこに連なるものではなく、新しく仕切り直すかたちで開発されたという。これまでFiiOの主力シリーズだった「Xシリーズ」とも異なる立ち位置となっている。なお、今後開発するDAPも、Mから始まるモデル名が名付けられるとのこと。
SoCはこれまで数多くの製品で採用してきたRockchipではなく、Samsungの「Exynos7270」を搭載。14nm FinFETプロセスで製造される、電力効率とサイズ比に優れたデュアルコアチップ(駆動周波数1GHz)となる。
Exynos7270の採用に伴い、最新スマートフォンで使用されているものとおなじ6層マルチステージHDI(高密度相互接続)PCBを搭載。本体の薄型化に貢献している。
DACにはESSの「ES9018Q2C」を採用。ExynosからES9018Q2Cの経路の間には処理用FPGAも介している。さらに音楽の忠実な再現のため、同社のX7 Mark IIと同じくサンプリングレートごとの2種類のクロックを搭載した。
金属製の筐体は効率の良い電波の送信を工夫しており、Bluetoothの接続途切れも大幅に緩和できたという。
OSはAndorid 7.0をベースにしたカスタムOSを搭載。再生アプリやファイルマネージャーがプリインストールされている。Playストアからのアプリ追加などには非対応で、Wi-Fiも非搭載となる。
ジェームズ氏は、「現在の市場にはスマートフォンなどで音楽を楽しむユーザーと、iPodのような単機能のオーディオプレーヤーを求めるユーザーという2通りが存在している」とリサーチしており、それぞれに合った製品を開発していく方針だと語った。
■Bluetoothケーブルと新イヤホンも参考出展
発表会では、今後発売を計画している新製品も2機種も参考展示された。
展示品のうち1つは、Bluetooth受信機を内蔵したBluetoothケーブル「RC-BT」。QualcommのSoC「CSR8645」を採用し、MMCX端子採用のイヤホンをワイヤレス化することができる。
同様の製品はすでに様々なメーカーが販売しているが、「価格は他社製品半分程度を実現できる」とのこと。技適もすでに取得し、日本で販売する準備は整いつつあるという。コーデックはSBC/AAC/aptXに対応し、連続10時間前後使用可能だ。
もう1つの参考展示品は、BAドライバー3基+10mm ダイナミックドライバー1基のハイブリッド型イヤホン「FH5」。同社が販売している「FH1」の上位モデルで、価格は4万円前後を見込む。
BAドライバーは大手メーカーKnowles社製の品質に定評のあるモデルを採用しており、中域にED-30262、高域に2個1組の「TWFK-31082-B82」を搭載。帯域ごとに分けた3つの音導管を備えており、低域はチューブを長く引き回し、ローパスフィルターとして作用させている。
ケーブルは従来よりハイグレードなものを同梱する。その代わり、バランスケーブルも付属していた同社従来製品と異なり、3.5mmモデル1本のみが付属となる。
これらはヘッドホン祭にも出展。発表会は開催しないが、その代わりジェームズ氏が直接日本のユーザーから話を聴く機会を設けたいとし、今後も日本市場に見合った製品開発を続けていく構えを見せた。