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公開日 2019/01/12 07:39
<CES>他社を1年以上引き離せた − 「GZ2000」のカスタム有機ELパネルは「パナソニックだからできた」
自発光デバイスのノウハウを注入
日本の有機ELテレビ市場は、ソニーとパナソニックが大きなシェアを持っている。そのパナソニックが今回CESで発表した新モデル「GZ2000」は、ドルビービジョン/HDR10+に両対応し、さらにHLGフォトモードにも初対応したことで注目されている。
その一方で、有機ELパネルそのものをカスタマイズしたことも、AVファンの間で話題となっている。
すでに折原一也氏によるレポートもお届けしているが、平均輝度レベル(APL)が上がったことでダイナミックレンジが広がり、特に明るいシーンでの映像の煌めき感が高まる。結果として明部のディテールがよりくっきりと表現されるようになり、映像全体の解像感も上がる。同じソースをこれまでのフラグシップ機「FZ1000」と比べると、画面が明るいだけでなく、よりくっきり、シャキッとした映像に進化していたことが印象的だった。
既報の通り、これまでパナソニックでは、有機ELパネルをモジュール単位でしか調達できなかった。調達元についてパナソニックは明言しないが、LG Displayであることは間違いない。モジュール単位ということは、パネルそのものに手を加えられず、あとは映像処理エンジンの工夫などで画質の差別化を図るしかない。
今回のGZ2000では、モジュール単位ではなく、各部品ごとの調達が可能になった。これによって、各部品のカスタマイズができるようになったと説明している。なお先に述べておくと、有機ELパネルは2019年の最新世代のものである。
さて、このパネルそのものをカスタマイズするということについて、ニュースリリースでは比較的さらっと書かれているが、冷静に考えるとかなりすごいことだ。どの程度までカスタマイズしているのか気になったので、直接聞いてみた。尋ねたのはパナソニック(株)海外マーケティング本部 コミュニケーション部 テレビ課 課長の村上順治氏だ。
村上氏は今回のカスタマイズについて「プラズマテレビなど自発光パネルのノウハウがあるからこそできたもの。他社にはできないレベルのことだ」と説明する。
ではデバイスレベルで、どこをどうカスタマイズしているかについては、はっきりと教えてもらえなかった。T-CONなのかと問うと「T-CONそのものではない」という。それではドライバーICなのかと聞くと「ドライバーICそのものではない」という。
T-CONそのものでも、ドライバーICそのものでもないが、平均輝度が上がったということは、それぞれの駆動アルゴリズムを変えたということなのだろうか。結局、はっきりした情報はつかめなかったが、ヒントは「自発光のノウハウがあったからできた」という言葉だろう。なお、パネルの最終組立てはパナソニックが行っているという。
村上氏は、今回の「パネルをカスタマイズした」ということによって、「他社製品に対して、1年から数年先までのアドバンテージを築けたと考えている」と、強い自信を見せる。もちろん画質向上には、新開発の映像処理エンジン「HCX(Hollywood Cinema Experience)PRO Intelligent」の搭載も手伝っている。これは同社の映像処理技術に加え、ハリウッドとのコラボレーションによるノウハウも加えて開発したものだ。
さて、もう少し詳しく本機の詳細を見よう。HDMI 2.1端子を搭載しているが、HDMI 2.1の新機能のうち、今のところ対応しているのは「ALLM」(自動ローレイテンシーモード)のみ。本機はドルビーアトモスに対応していることから、eARCにも対応しているのではないかと予想していたが、ALLMだけとのことだ。
そのドルビーアトモスだが、GZ2000はテレビの上にアップファイアリング(上向き)スピーカーを備え、天井に反射させる仕組みを採っている。最近、ドルビーアトモスは必ずしもハイトスピーカーやイネーブルドスピーカーがマストではなくなっているようで、バーチャライザーでドルビーアトモスに対応するケースもあるが(今回発表されたソニーのテレビもバーチャライザー対応と思われる)、本機は実際に音を出すという本格的な実装になっているのだ。
実際の音を聴くと、これがかなり良い。テレビのスピーカーだけで聴いているとは思えないほど、高さ方向も横方向も音の包囲感が出ている。ここまで効果があるなら、配信やパッケージだけでなく、放送もドルビーアトモスでやって欲しいと思ったほどだ。なお、設定で天井高さなどを設定することはできないが、約3mの高さまで対応するという。吹き抜けなどでは難しいが、日本の通常のリビングなら、大抵の場合対応できるだろう。
またこの音質の高さは、テクニクス独自の「JENOエンジン」を搭載したこと、アップファイアリング含めて計7基のスピーカーを搭載したことなども寄与しているはずだ。今後はステレオソースが来たときの定位をどうするかなど、最終の詰めを行っていくのだという。
なお、GZ2000シリーズ用のオプションとしてヘッドホン端子に接続する外付けサブウーファーも準備中。ヘッドホン端子から低音成分のみを出力するというものだ。
さらにスマート機能ではMy Home Screen 4.0が搭載され、より自由で柔軟なUIカスタマイズができるようになった。
また音声アシスタントはGoogleアシスタントとAmazon Alexaに対応しており、声でテレビの操作を行うことが可能。ただしソニーやLG、サムスン、VIZIOなどがアップデート対応する、アップル「AirPlay 2」や「HomeKit」には対応していない。
その一方で、有機ELパネルそのものをカスタマイズしたことも、AVファンの間で話題となっている。
すでに折原一也氏によるレポートもお届けしているが、平均輝度レベル(APL)が上がったことでダイナミックレンジが広がり、特に明るいシーンでの映像の煌めき感が高まる。結果として明部のディテールがよりくっきりと表現されるようになり、映像全体の解像感も上がる。同じソースをこれまでのフラグシップ機「FZ1000」と比べると、画面が明るいだけでなく、よりくっきり、シャキッとした映像に進化していたことが印象的だった。
既報の通り、これまでパナソニックでは、有機ELパネルをモジュール単位でしか調達できなかった。調達元についてパナソニックは明言しないが、LG Displayであることは間違いない。モジュール単位ということは、パネルそのものに手を加えられず、あとは映像処理エンジンの工夫などで画質の差別化を図るしかない。
今回のGZ2000では、モジュール単位ではなく、各部品ごとの調達が可能になった。これによって、各部品のカスタマイズができるようになったと説明している。なお先に述べておくと、有機ELパネルは2019年の最新世代のものである。
さて、このパネルそのものをカスタマイズするということについて、ニュースリリースでは比較的さらっと書かれているが、冷静に考えるとかなりすごいことだ。どの程度までカスタマイズしているのか気になったので、直接聞いてみた。尋ねたのはパナソニック(株)海外マーケティング本部 コミュニケーション部 テレビ課 課長の村上順治氏だ。
村上氏は今回のカスタマイズについて「プラズマテレビなど自発光パネルのノウハウがあるからこそできたもの。他社にはできないレベルのことだ」と説明する。
ではデバイスレベルで、どこをどうカスタマイズしているかについては、はっきりと教えてもらえなかった。T-CONなのかと問うと「T-CONそのものではない」という。それではドライバーICなのかと聞くと「ドライバーICそのものではない」という。
T-CONそのものでも、ドライバーICそのものでもないが、平均輝度が上がったということは、それぞれの駆動アルゴリズムを変えたということなのだろうか。結局、はっきりした情報はつかめなかったが、ヒントは「自発光のノウハウがあったからできた」という言葉だろう。なお、パネルの最終組立てはパナソニックが行っているという。
村上氏は、今回の「パネルをカスタマイズした」ということによって、「他社製品に対して、1年から数年先までのアドバンテージを築けたと考えている」と、強い自信を見せる。もちろん画質向上には、新開発の映像処理エンジン「HCX(Hollywood Cinema Experience)PRO Intelligent」の搭載も手伝っている。これは同社の映像処理技術に加え、ハリウッドとのコラボレーションによるノウハウも加えて開発したものだ。
さて、もう少し詳しく本機の詳細を見よう。HDMI 2.1端子を搭載しているが、HDMI 2.1の新機能のうち、今のところ対応しているのは「ALLM」(自動ローレイテンシーモード)のみ。本機はドルビーアトモスに対応していることから、eARCにも対応しているのではないかと予想していたが、ALLMだけとのことだ。
そのドルビーアトモスだが、GZ2000はテレビの上にアップファイアリング(上向き)スピーカーを備え、天井に反射させる仕組みを採っている。最近、ドルビーアトモスは必ずしもハイトスピーカーやイネーブルドスピーカーがマストではなくなっているようで、バーチャライザーでドルビーアトモスに対応するケースもあるが(今回発表されたソニーのテレビもバーチャライザー対応と思われる)、本機は実際に音を出すという本格的な実装になっているのだ。
実際の音を聴くと、これがかなり良い。テレビのスピーカーだけで聴いているとは思えないほど、高さ方向も横方向も音の包囲感が出ている。ここまで効果があるなら、配信やパッケージだけでなく、放送もドルビーアトモスでやって欲しいと思ったほどだ。なお、設定で天井高さなどを設定することはできないが、約3mの高さまで対応するという。吹き抜けなどでは難しいが、日本の通常のリビングなら、大抵の場合対応できるだろう。
またこの音質の高さは、テクニクス独自の「JENOエンジン」を搭載したこと、アップファイアリング含めて計7基のスピーカーを搭載したことなども寄与しているはずだ。今後はステレオソースが来たときの定位をどうするかなど、最終の詰めを行っていくのだという。
なお、GZ2000シリーズ用のオプションとしてヘッドホン端子に接続する外付けサブウーファーも準備中。ヘッドホン端子から低音成分のみを出力するというものだ。
さらにスマート機能ではMy Home Screen 4.0が搭載され、より自由で柔軟なUIカスタマイズができるようになった。
また音声アシスタントはGoogleアシスタントとAmazon Alexaに対応しており、声でテレビの操作を行うことが可能。ただしソニーやLG、サムスン、VIZIOなどがアップデート対応する、アップル「AirPlay 2」や「HomeKit」には対応していない。