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公開日 2019/05/09 20:19

スカパーJSATが18年度通期決算を発表。FTTH再送信サービス拡大をベースに、多チャンネルサービス契約増へ

競争優位性向上と新規事業育成に注力
Senka21編集部・竹内純
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スカパーJSATホールディングスは、2018年度通期決算を発表した。営業収益は視聴料収入が43億円減少したが、防衛省向け衛星引き渡し等により対前年度比では12.7%増の1,640億円。営業利益は視聴料収入の減少から同2.3%減の153億円。当期純利益は投資有価証券評価損12億円計上などで同14.7%減の97億円となった。

(株)スカパーJSATホールディングス 代表取締役社長 米倉英一氏

2018年度通期決算は増収減益

セグメント別には、メディア事業は減収減益。宇宙事業は増収増益。2019年度通期予想は、営業収益が同12.5%減の1,435億円、営業利益が同1.9%減の150億円、当期純利益が同3.3%増の100億円とした。

セグメント別連結業績推移。第4四半期に伸び悩んだ

2019年度連結業績予想は減収増益

メディア事業は、現在約3,000万世帯のFTTH再送信サービス提供可能世帯に対し、223万件の契約を獲得。今年度の取り組みとしては、今夏からNHS BS8Kを含めた新4K8K衛星放送全チャンネルの視聴が実現するタイミングを好機と捉え、docomo/ソフトバンク/家電量販店などのコラボルート拡充、導入マンションの拡販などで契約拡大を目指すとのこと。再送信サービスの契約拡大をベースにして、多チャンネルサービスの契約拡大につなげていく狙いだ。

FTTH再送信サービスの契約者増をベースにしたメディア事業のプラットフォーム事業戦略

(株)スカパーJSATホールディングス 取締役(メディア事業担当)小牧次郎氏

その核となるのは、「スカパー!プロ野球セット」と「スカパー!基本プラン」。「スカパー!プロ野球セット」では、今年は放送に加え、配信でも12球団全試合の生中継を実現したことから、3月の同セットへの新規・再加入件数が前年比19%増を記録と好調。同社取締役(メディア事業担当)小牧次郎氏は「20代・30代のお客様の契約が増え、スマホのテレビアプリでの視聴増加が顕著」と“配信効果”を強調した。

「プロ野球セット」「基本プラン」を軸に契約数拡大

テレビ3台目まで追加料金なしとして好評の「スカパー!基本プラン」は、昨年10月発売開始から半年で契約件数が30万件を突破。これまで半額を得ていた2台目・3台目の料金を無料とすることで減収につながるが、「複数台で家族別々に視聴したり、レコーダーに録画したりすることで視聴機会が増え、契約減につながる。2,3台目追加料金なしのお得感もお客様への効果は大きく、長期的には増収につながる」との見方を示した。

新4K8K衛星放送も大きな商機と捉える

さらに今夏には、普及の上で課題と見られる宅内設備の改修等を不要とする専用アダプターを用意し、新4K8K衛星放送の全チャンネル視聴を実現する。今秋日本で開催される「ラグビーワールドカップ2019日本大会」も全48試合を4Kで生中継(JSPORTS 4K)。「4K放送への注目が高まるこの機に、加入拡大を加速する」と意気込む。

メディア事業の主要指標。2019年度は6.6万の純減を見込む

加入件数の推移は、新規加入件数は前期比8.7万件減の45.7万件、純増減数は同4.3万件の大幅改善で1.5万件の純減、累計加入件数は同1.5万件減の324.8万件となった。2019年度の目標は、「スカパー!基本プラン」の加入促進効果がひと段落してきたことなどから、純増数は6.6万件の純減、累計加入件数者数318.1万件とした。

新規事業として「スカパー!情報銀行プラットフォーム」の共同実証実験を7月より開始

なお、スカパー!の顧客基盤を活用した新規事業として「LIFE育成事業の育成」を明言しているが、そのひとつとして、契約者のパーソナルデータを活用する「スカパー!情報銀行プラットフォーム」の実現を目指し、(株)DataSign、(株)サイバー・コミュニケーションズ、(株)インテージとの共同研究・実証実験を2019年7月より開始することを、本日発表した。

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