公開日 2025/04/18 20:19

final、新ヘッドホン“DXシリーズ” 第1弾「DX6000」。まったく新しい音場感とサウンドを再現

「これまでにない革新的なダイナミックドライバーの開発」がコンセプト
編集部:成藤正宣
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finalは、新たに立ち上げたヘッドホン “DXシリーズ” の第1弾モデルとなる「DX6000」を、4月25日(金)に発売する。直販価格は248,000円(税込)。本日4月18日より予約受付を開始する。

「DX6000」

DXシリーズは、「これまでにない革新的なダイナミックドライバーの開発」をコンセプトに据えたヘッドホンシリーズ。最初のモデルとなるDX6000では、振動板からボイスコイルにまでこだわった新設計ダイナミック型ドライバーを搭載。ドライバー前後の空気の流れも新開発の構造で制御し、まったく新しい音場感とサウンドを堪能できるとしている。

ドライバーユニットの振動板には、剛性が高く内部損失の大きいマグネシウム合金を採用。音質に悪影響をおよぼす分割振動と不要共振を抑制している。

そして振動板の周囲を取り囲むエッジには、極めて軽量な発泡シリコン樹脂を採用した。同社によればこのエッジの開発に数年を要したといい、極めて軽く柔らかい素材を用いてエッジの厚みを増すことで、動きやすさの確保と不要共振の排除という相反する課題を解決したとのこと。

新開発のドライバーユニットは、マグネシウム振動板と発泡シリコンエッジを組み合わせた

マグネシウム振動板とエッジの接合についても、金型内部に振動板を固定した後、発泡シリコンを流し込んで一体成型するという手法を採用した。これにより、接着剤で貼り合わせる一般的な接合手法のさまざまな課題を根本的に解決したとしている。

ボイスコイルにおいては、ドライバーユニットに対し直列にコイルを挿入する「トランジェントコイルシステム」を採用する。ヘッドホンは通気性を高めるほど開放的で自然な音場感を得られるが、それにつれて低音の再生周波数帯域が狭まってしまう。エッジに柔らかい素材を使用し、ドライバーユニットの最低共振周波数(f0)を大きく下げればこれを補えるが、一般的な開放型ヘッドホンは高域の音圧を落とすために巻線数が多く重たいボイスコイルを搭載するため、正確なピストンモーションが妨げられていたという。

トランジェントコイルシステムでは、振動板とエッジ、ボイスコイルを含む振動系を軽量に保ったまま高域の音圧を下げ、同時に柔らかいエッジによってf0も低減。開放的な音場感と必要十分な低音感を両立し、その上鋭い音の立ち上がり/立ち下がり(トランジェント)も実現したと謳っている。

ハウジングはアルミマグネシウム合金のブロックから切削加工で作り上げ、ドライバーを強固に支持。その一方、ドライバーの前室と後室を繋ぐ新開発の「フリーエア構造」を取り入れて通気を確保。従来の開放型ヘッドホンを越える超開放的な音場感を実現し、“イヤースピーカーを思わせる自然で広がりのある新しい音楽体験が可能” としている。

強度の高いアルミマグネシウム合金のハウジング内に、広大な音場を生む「フリーエア構造」を内蔵

イヤーパッドも独自に開発したものを装着。ドライな肌触りと耐久性を兼ね備えた和紙使用の特殊生地と通気性に優れた発泡体を組み合わせた開放型設計となっている。ヘッドバンドにも同様の素材を採用し、湿気に強く高い耐久性を実現した。なお、イヤーパッドは特殊なネジでドライバーユニットに固定されており、ユーザーによる交換は製品保証の対象外となる。

ドライバーだけで十分な低音が出せることから、開放感のある独自開発のイヤーパッドを採用した

着脱式ケーブルもDXシリーズ用に新開発。OFC導体を用いた軽量なスリムケーブルで、プラグはXLR、ケーブル長は約3mとなる。ほか、持ち運び用のセミハードケースが同梱する。

スリムケーブル
セミハードケース
DXシリーズ用に開発されたスリムケーブルやセミハードケースが付属

定格インピーダンスは47Ω(@1kHz)、感度は83dB/mW。本体質量は363g。なおトランジェントコイルシステムの影響により、インピーダンスは20kHzで480Ωまで上昇するため、本製品の駆動にはハイインピーダンスに対応するなど十分な電力性能を備えた据え置きアンプとの組み合わせが推奨されている。

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