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公開日 2014/09/07 19:44
<IFA>Xperia Z3など新モデル群の狙いと今後の展望をキーマンに訊く
ウェアラブルの“ライフログ”を今後どう活用するのか?
ソニーのIFA 2014の目玉商品となったXperia Z3、Xperia Z3 Compact、Xperia Z3 Tablet Compact。AV関連ではハイレゾ再生への対応が大きな特徴だが、それ以外に目を向けても、PS4リモートプレイの対応や、新しいウェアラブルデバイスへの採用と、モバイルならではの視点の進化点も数多い。Xperia Z3ファミリーとソニーモバイルの製品群がどんなユーザーエクスペリエンスを目指しているのか、ソニーモバイルのデザイン・商品企画部門長の田嶋知一氏と、UX Creatve Design & Planning統括部長の伊藤博史氏へのグループインタビューを敢行した。
■ソニーグループの強みを活かしての他機器連携で差別化していく
伊藤氏:Xperia Z1のストーリーは“ONE SONY”のストーリーでした。1/2.3型の超大型センサーとトリルミナスディスプレイを搭載し、続くXperia Z2ではデジタルノイズキャンセリングと4Kのインテグレーションを行い、今回のXperia Z3は3代目にあたります。
Z3の企画にあたっては薄型化と軽量化を中心にやってきていまして、7.3mmの薄さを実現できたことに加え、質量も152gと前回のモデルからかなり軽量化できました。ただ、薄ければ良いものでもなく、薄さのなかでどう長時間使えるバッテリーを組み込むか、2日間つかっていただけるスタミナを確保するのが大きなチャレンジでした。
またデザイン的にはZ1から採用はじめたオムニバランスデザインにしながら、キャラクターとして四隅のコーナーが美しいデザインを採用しています。そしてスタミナもそうなんですが、堅牢性にこだわりまして、IP68への対応、従来よりも深い1.5mまで沈めても大丈夫なつくりにしました。また、コーナー部も従来は傷がつき塗装が剥げやすいということがあったので、強化した樹脂を採用し、長く美しく使っていただく作りにしています。
ーーXperia Z3のバッテリー容量がZ2から少し減っていますが、これにはどんな理由があるのでしょうか。
伊藤氏:最初からターゲットとして“2デイ”を考えていました。あとはディスプレイ周りで消費電力を落としたりしたので、最終的に3,100mAhでも2日間のバッテリー持ちを実現できるという目星が立ちました。
ーーXperia Z3のデザインについて、オムニバランスデザインを継承していますが、ユーザーからの新鮮味がなくなることは考えなかったのでしょうか。
田嶋氏:「Xperia Z」の頃からインターフェースとして“1枚の板”を作ろうとしていて、今回のZ3でやりたいところにかなり近づいてきました。確かに新鮮味がないとも言えるかもしれませんが、その一方で、Z1、Z2からのデザインのこなれ方、完成度が上がったと思っています、
Z1、Z2っていかにも“男の子デザイン”だったかなとも思いますが、中身が非常にコンパクトになったことで、女性にも受け入れてもらえたと思います。そうした前提があり、今回は全然違うデザインを入れるんじゃなくて、常に最終目標は一枚の薄い板で、そこに対して次の世代をどう変えるかというデザイン面でのチャレンジでした。
ーーXperiaのユーザー男女比はどれくらいなのでしょうか?
田嶋氏:男性比率が高いですね。日本みたいなマーケットシェアを取れているところなら女性率もそれなりにあります。日本は7:3くらいですかね。
ーーとにかく薄い板にすると、デザインの差別化が難しくなりますよね。そうなると他機器との連携がキーワードになると思いますが、一方でそれはハード面は関係なくソフトだけで実現できてしまう。その矛盾はどう解決していくのでしょうか。
田嶋氏:つながる相手がソニーという身内にいて、その相手といち早く決めながら、他社より先に定義できるところで勝負するしかないですね。差異化を提案して、走って、他社が真似してきたら、次の提案をする。どんどん走り続けるしかないかと思っています。グループのなかにプレイステーションがあたり、テレビがあったり、スピーカーがあったりするのが強みですね。
■PS4のリモートプレイは「ソニーにとって切り札」
伊藤氏:そしてデザイン以外の特徴として、PS4のリモートプレイにこの商品から対応します。このリモートプレイにつきましては、家のなかでPS4を楽しんでいただいて、例えばちょっと書斎に行くであったりとか、テレビを占有する訳にいかない時などに、XPEIRAを利用して、引き続きゲームを楽しめるというものです。
ーーリモートプレイは外出先でも可能なのですか? また、PS VITAとの違いはどこになるのでしょうか。
伊藤氏:基本的にはVITAと同じで、XperiadでもVITA同様に屋外でもリモートプレイ可能ですが、環境としては屋内を推奨しています。このリモートプレイはソニーにとって切り札で、ソニーが蓄積したなかで、他社に負けないことをユーザーエクスペリエンスに入れています。
ーーPS4のリモートプレイのソフトは他社には公開しないのですか?
田嶋氏:将来的にどうかはわかりませんが、今この時期は考えていません。ネットワークのテストなどをみっちりやらないといけないものですので、SDKをばらまいて勝手にやってくださいというものではないのです。SCEのゲームエクスペリエンスのクオリティコントロールははっきりしているので、テスト、検証、保障できる数に限りがある。当面は戦略的にもオペレーションでも、エクスクルーシブにやっていきます。
■新カメラモジュールは薄型化にも貢献
伊藤氏:カメラもXperia Z3の特徴です。今回から新しいカメラモジュールを導入しています。センサーサイズは今までと同じ1/2.3型、20.1万画素と変わらないのですが、この新しいモジュールからISO12800と非常に高い感度を実現しています。
また、ハンディカムの技術をふんだんに織り込み、光学式手ブレ補正(インテリジェントアクティブモード)によって、走りながら動画をとっていただいてもブレません。さらには25ミリの広角レンズだけでなく、そこに新しい技術も入れています。
この新型カメラモジュールが薄型化されていたことも、薄さ0.7ミリというサイズを最終的に実現できたひとつの要因で、それもあって、そぎ落とされた美しいデザインが実現できたと思っています。そのほか、ハイレゾ対応ヘッドセットを使うと、ハイレゾリューションのクオリティで音楽を楽しんでいただけます。
ーーXperia Z3で薄さを実現したポイントはどこにあったのでしょうか。
田嶋氏:カメラセンサーですね、1/2.3という大型のサイバーショットと同じセンサーサイズで、レンズを薄くして、CMOSとのストラクチャで薄型化を実現しています。
■スマホもタブレットも「Compact」
「Xperia Z3 Compact」については、「Xperia Z1 Compact」より正面の面積を小さくしながらも、4.3インチから4.6インチへとディスプレイの大型化を実現していますし、バッテリーも2,300mAhから2,600mAhと大容量化しています。なお、カメラ性能はXperia Z3 と同じものです。
「Xperia Z3 Tablet Compact」も、もう一つのプレミアム商品と言えます。タブレットは使っているけど、家に置きっぱなしになされてるという方が多い状況かと思います。そこで我々は、缶コーヒー1本くらいと同じように手軽に毎日鞄のなかに入れて、持ち運んでいることを忘れるサイズを目指しました。
ーー「Xperia Z3 Tablet Compact」薄型化を実現できた要因はなんなのでしょうか。
伊藤氏:タブレットについては強度を確保するのが大変で、ガラスであるとか、樹脂素材との進化などと合わせて6.4ミリという薄さを実現できています。
■ウェアラブル端末の“ライフログ”をどう活用していく?
そして、2つのスマートウェア「SmartBand Talk」と「Smart Watch 3」では、どれくらい歩いて、どれくらい寝て、いつ、どれくらい音楽を聴いたのか、車に乗ったのかなどといった“ライフログ”を記録できます。今回から新たに階段を上がったりした数値も、スマートバンドトークとの組み合わせで認識できるようになりました。それから、テニスセンサーとの連動も予定していて、すべ包括的に日々の生活を蓄積できます。
また、SmartBand Talkはディスプレイを搭載しており、スマホの画面を見ずとも、タップするとその日のライフログを確認できますし、このモデルからボイスインタラクションに対応しました。Smart Watch 3についてはAndroid wearの次世代バージョン対応でして、新たに内蔵メモリに音楽データを保存してBluetoothイヤホンで聴くといったような使い方もできるようになります。
ーーSmart Watch 3については、Wi-Fi機能内蔵だとの情報もありますが?
伊藤氏:詳細は公表していませんが、考えていることはあります。ただ、いつになるかはまだ言えない段階です。
ーーウェアラブルの提案として「ライフログ」のアプリを推していらっしゃいますが、これはスマートフォン側のアプリという側面も強いように思います。明確にウェアラブルのデバイスの役割はどこにあると言えるのでしょうか。
田嶋氏:今、ウェアラブルサイドは一番人間に近いところで動きのデータをフィードする役目があります。実は、スマホを体に着けていればアクセラレートでできるというのは、確かにあります。
一方で、腕についてることで、センサーを増やせるというメリットがあります。発汗センサーとか、パルスセンサーとか、今後利用できるセンサーが出てきて、それらの進化の過程にウェアラブルデバイスがマッピングされています。
今のライフログアプリケーションのデータも、加速データの情報はスマホとウェアラブルの両方のデータをクラウドに上げて、正しい数値を出しています。現在は試行錯誤を重ねている部分もありますが、どれだけ人間の行動のログをとれるのかということ、例えば、歩いてるのか走ってるのか、車に乗っているのか階段のぼってるのかなど、文脈の高いハイコンテクストのデータをとるというのが大きな違いです。
ーーライフログデータを取得した先に何を考えているのでしょうか。
田嶋氏:最初からのコンセプトは、フィジカルな体の動きに加えて、「この写真を撮ったときに興奮した」「この音楽はこの感情と連動した」と分かるようなり、振り返りがリッチになるというものです。将来的なアイディアとしては、ユーザーにアドバイスをするようにしたいですね。
このデータはソニーが蓄積したなかで、他社に負けないところでやっていきます、すべては「ライフログ」のアプリケーションに向けてコンパチブルで動かしているし、Smartband Talkのコマンドをしたり、NOTIEを受けたりすることで、電車の中で誰もが下を向いてスマホをいじってる暗い社会ではなく、上を向きながら、ルックアップする社会をつくりたいなと考えています。ライフログを頑張って、スマートウェアのエクスペリエンス、新しい「ベスト・オブ・ソニー」を作りたいと考えています。
ーーGoogleが、人間が積極的に検索した内容から、目に見えることをまとめて便利にしています。ソニーはそれに対して自分で気が付かないところをまとめることを狙っているということなのでしょうか。
田嶋氏:そうですね。Googleさんがやっているのは、プロアクティブでやったことを分析したり、サーチしたりして、提案していますよね。我々は写真を見て、そこから人の心拍数をみたり、カメラのビデオのデータと組み合わせたりと無意識の部分をとれます。そういうところで、Googleさんのアドバイスと我々の無意識のアドバイスとを組み合わせることでもっとできることがあると思います。つまり、Googleさんと戦うというより、補間しあえる関係なのではないでしょうか。ただ、ソニーとしてはもっと体に近づけたいという思いはあります。
■ソニーグループの強みを活かしての他機器連携で差別化していく
伊藤氏:Xperia Z1のストーリーは“ONE SONY”のストーリーでした。1/2.3型の超大型センサーとトリルミナスディスプレイを搭載し、続くXperia Z2ではデジタルノイズキャンセリングと4Kのインテグレーションを行い、今回のXperia Z3は3代目にあたります。
Z3の企画にあたっては薄型化と軽量化を中心にやってきていまして、7.3mmの薄さを実現できたことに加え、質量も152gと前回のモデルからかなり軽量化できました。ただ、薄ければ良いものでもなく、薄さのなかでどう長時間使えるバッテリーを組み込むか、2日間つかっていただけるスタミナを確保するのが大きなチャレンジでした。
またデザイン的にはZ1から採用はじめたオムニバランスデザインにしながら、キャラクターとして四隅のコーナーが美しいデザインを採用しています。そしてスタミナもそうなんですが、堅牢性にこだわりまして、IP68への対応、従来よりも深い1.5mまで沈めても大丈夫なつくりにしました。また、コーナー部も従来は傷がつき塗装が剥げやすいということがあったので、強化した樹脂を採用し、長く美しく使っていただく作りにしています。
ーーXperia Z3のバッテリー容量がZ2から少し減っていますが、これにはどんな理由があるのでしょうか。
伊藤氏:最初からターゲットとして“2デイ”を考えていました。あとはディスプレイ周りで消費電力を落としたりしたので、最終的に3,100mAhでも2日間のバッテリー持ちを実現できるという目星が立ちました。
ーーXperia Z3のデザインについて、オムニバランスデザインを継承していますが、ユーザーからの新鮮味がなくなることは考えなかったのでしょうか。
田嶋氏:「Xperia Z」の頃からインターフェースとして“1枚の板”を作ろうとしていて、今回のZ3でやりたいところにかなり近づいてきました。確かに新鮮味がないとも言えるかもしれませんが、その一方で、Z1、Z2からのデザインのこなれ方、完成度が上がったと思っています、
Z1、Z2っていかにも“男の子デザイン”だったかなとも思いますが、中身が非常にコンパクトになったことで、女性にも受け入れてもらえたと思います。そうした前提があり、今回は全然違うデザインを入れるんじゃなくて、常に最終目標は一枚の薄い板で、そこに対して次の世代をどう変えるかというデザイン面でのチャレンジでした。
ーーXperiaのユーザー男女比はどれくらいなのでしょうか?
田嶋氏:男性比率が高いですね。日本みたいなマーケットシェアを取れているところなら女性率もそれなりにあります。日本は7:3くらいですかね。
ーーとにかく薄い板にすると、デザインの差別化が難しくなりますよね。そうなると他機器との連携がキーワードになると思いますが、一方でそれはハード面は関係なくソフトだけで実現できてしまう。その矛盾はどう解決していくのでしょうか。
田嶋氏:つながる相手がソニーという身内にいて、その相手といち早く決めながら、他社より先に定義できるところで勝負するしかないですね。差異化を提案して、走って、他社が真似してきたら、次の提案をする。どんどん走り続けるしかないかと思っています。グループのなかにプレイステーションがあたり、テレビがあったり、スピーカーがあったりするのが強みですね。
■PS4のリモートプレイは「ソニーにとって切り札」
伊藤氏:そしてデザイン以外の特徴として、PS4のリモートプレイにこの商品から対応します。このリモートプレイにつきましては、家のなかでPS4を楽しんでいただいて、例えばちょっと書斎に行くであったりとか、テレビを占有する訳にいかない時などに、XPEIRAを利用して、引き続きゲームを楽しめるというものです。
ーーリモートプレイは外出先でも可能なのですか? また、PS VITAとの違いはどこになるのでしょうか。
伊藤氏:基本的にはVITAと同じで、XperiadでもVITA同様に屋外でもリモートプレイ可能ですが、環境としては屋内を推奨しています。このリモートプレイはソニーにとって切り札で、ソニーが蓄積したなかで、他社に負けないことをユーザーエクスペリエンスに入れています。
ーーPS4のリモートプレイのソフトは他社には公開しないのですか?
田嶋氏:将来的にどうかはわかりませんが、今この時期は考えていません。ネットワークのテストなどをみっちりやらないといけないものですので、SDKをばらまいて勝手にやってくださいというものではないのです。SCEのゲームエクスペリエンスのクオリティコントロールははっきりしているので、テスト、検証、保障できる数に限りがある。当面は戦略的にもオペレーションでも、エクスクルーシブにやっていきます。
■新カメラモジュールは薄型化にも貢献
伊藤氏:カメラもXperia Z3の特徴です。今回から新しいカメラモジュールを導入しています。センサーサイズは今までと同じ1/2.3型、20.1万画素と変わらないのですが、この新しいモジュールからISO12800と非常に高い感度を実現しています。
また、ハンディカムの技術をふんだんに織り込み、光学式手ブレ補正(インテリジェントアクティブモード)によって、走りながら動画をとっていただいてもブレません。さらには25ミリの広角レンズだけでなく、そこに新しい技術も入れています。
この新型カメラモジュールが薄型化されていたことも、薄さ0.7ミリというサイズを最終的に実現できたひとつの要因で、それもあって、そぎ落とされた美しいデザインが実現できたと思っています。そのほか、ハイレゾ対応ヘッドセットを使うと、ハイレゾリューションのクオリティで音楽を楽しんでいただけます。
ーーXperia Z3で薄さを実現したポイントはどこにあったのでしょうか。
田嶋氏:カメラセンサーですね、1/2.3という大型のサイバーショットと同じセンサーサイズで、レンズを薄くして、CMOSとのストラクチャで薄型化を実現しています。
■スマホもタブレットも「Compact」
「Xperia Z3 Compact」については、「Xperia Z1 Compact」より正面の面積を小さくしながらも、4.3インチから4.6インチへとディスプレイの大型化を実現していますし、バッテリーも2,300mAhから2,600mAhと大容量化しています。なお、カメラ性能はXperia Z3 と同じものです。
「Xperia Z3 Tablet Compact」も、もう一つのプレミアム商品と言えます。タブレットは使っているけど、家に置きっぱなしになされてるという方が多い状況かと思います。そこで我々は、缶コーヒー1本くらいと同じように手軽に毎日鞄のなかに入れて、持ち運んでいることを忘れるサイズを目指しました。
ーー「Xperia Z3 Tablet Compact」薄型化を実現できた要因はなんなのでしょうか。
伊藤氏:タブレットについては強度を確保するのが大変で、ガラスであるとか、樹脂素材との進化などと合わせて6.4ミリという薄さを実現できています。
■ウェアラブル端末の“ライフログ”をどう活用していく?
そして、2つのスマートウェア「SmartBand Talk」と「Smart Watch 3」では、どれくらい歩いて、どれくらい寝て、いつ、どれくらい音楽を聴いたのか、車に乗ったのかなどといった“ライフログ”を記録できます。今回から新たに階段を上がったりした数値も、スマートバンドトークとの組み合わせで認識できるようになりました。それから、テニスセンサーとの連動も予定していて、すべ包括的に日々の生活を蓄積できます。
また、SmartBand Talkはディスプレイを搭載しており、スマホの画面を見ずとも、タップするとその日のライフログを確認できますし、このモデルからボイスインタラクションに対応しました。Smart Watch 3についてはAndroid wearの次世代バージョン対応でして、新たに内蔵メモリに音楽データを保存してBluetoothイヤホンで聴くといったような使い方もできるようになります。
ーーSmart Watch 3については、Wi-Fi機能内蔵だとの情報もありますが?
伊藤氏:詳細は公表していませんが、考えていることはあります。ただ、いつになるかはまだ言えない段階です。
ーーウェアラブルの提案として「ライフログ」のアプリを推していらっしゃいますが、これはスマートフォン側のアプリという側面も強いように思います。明確にウェアラブルのデバイスの役割はどこにあると言えるのでしょうか。
田嶋氏:今、ウェアラブルサイドは一番人間に近いところで動きのデータをフィードする役目があります。実は、スマホを体に着けていればアクセラレートでできるというのは、確かにあります。
一方で、腕についてることで、センサーを増やせるというメリットがあります。発汗センサーとか、パルスセンサーとか、今後利用できるセンサーが出てきて、それらの進化の過程にウェアラブルデバイスがマッピングされています。
今のライフログアプリケーションのデータも、加速データの情報はスマホとウェアラブルの両方のデータをクラウドに上げて、正しい数値を出しています。現在は試行錯誤を重ねている部分もありますが、どれだけ人間の行動のログをとれるのかということ、例えば、歩いてるのか走ってるのか、車に乗っているのか階段のぼってるのかなど、文脈の高いハイコンテクストのデータをとるというのが大きな違いです。
ーーライフログデータを取得した先に何を考えているのでしょうか。
田嶋氏:最初からのコンセプトは、フィジカルな体の動きに加えて、「この写真を撮ったときに興奮した」「この音楽はこの感情と連動した」と分かるようなり、振り返りがリッチになるというものです。将来的なアイディアとしては、ユーザーにアドバイスをするようにしたいですね。
このデータはソニーが蓄積したなかで、他社に負けないところでやっていきます、すべては「ライフログ」のアプリケーションに向けてコンパチブルで動かしているし、Smartband Talkのコマンドをしたり、NOTIEを受けたりすることで、電車の中で誰もが下を向いてスマホをいじってる暗い社会ではなく、上を向きながら、ルックアップする社会をつくりたいなと考えています。ライフログを頑張って、スマートウェアのエクスペリエンス、新しい「ベスト・オブ・ソニー」を作りたいと考えています。
ーーGoogleが、人間が積極的に検索した内容から、目に見えることをまとめて便利にしています。ソニーはそれに対して自分で気が付かないところをまとめることを狙っているということなのでしょうか。
田嶋氏:そうですね。Googleさんがやっているのは、プロアクティブでやったことを分析したり、サーチしたりして、提案していますよね。我々は写真を見て、そこから人の心拍数をみたり、カメラのビデオのデータと組み合わせたりと無意識の部分をとれます。そういうところで、Googleさんのアドバイスと我々の無意識のアドバイスとを組み合わせることでもっとできることがあると思います。つまり、Googleさんと戦うというより、補間しあえる関係なのではないでしょうか。ただ、ソニーとしてはもっと体に近づけたいという思いはあります。