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公開日 2022/05/12 15:21
ジョニー・アイブ氏が語るApple Watch開発の裏側。ニューソン氏の助けで完成へ【Gadget Gate】
アップル元デザイン最高責任者
アップルの元デザイン最高責任者 ジョニー・アイブ氏が、初代Apple Watchの開発に携わった頃の思い出話を語っている。
アイブ氏は英Financial Timesにゲスト編集者として参加し、自ら設立したデザイン会社「LoveFrom」のパートナーであるマーク・ニューソン氏と対談を行った。その中でアイブ氏はシルバーという色へのこだわりと、ニューソン氏がApple Watchの完成にいかに貢献したかを語っている。
アップル製品のほとんどは、カラーバリエーションの1つにシルバーを採用している。今回のゲスト記事でもアイブ氏は、「シルバーの魔法」と題される記事でこの色を語り、「純粋で高貴なもの」と呼んでいる。
アイブ氏いわく、シルバーは「打ち延ばしやすく、加工しがいのある素材です。本来は貴重なものでありながら、手頃な価格であるため、他の貴金属よりも用途が広く、さまざまなオブジェに加工できる」とのこと。さらに「シルバーは幽玄な白色です。チタンやニッケルはとても暖かく、ステンレスはとても冷たく青いのに、シルバーにはほとんど色がない」という魅力も語っている。
アップル製品ユーザーにとって興味深いのは、Apple Watchのデザインに費やした時間を「特に困難な時期」だったとしつつも、ニューソン氏との仕事により「楽しくて効果的なコラボレーションを実現した」と述べているくだりだろう。
アイブ氏はApple Watchを「手首に装着できる、とてもパーソナルで便利な製品をつくる重要なチャンス」だと強く感じて、「大元となるアイディアや基本的なインターフェースの問題に多くの時間を注ぎ込み」ながらも「実際のモノづくりはとてもシンプルだと思い込んでいた」という。アイブ氏のデザインは簡潔でミニマルな造形美が印象に残りやすいが、シンプルさと使いやすさの両立は難しいとも思われる。
アイブ氏はApple Watchの最終的なデザインに苦心し、ニューソン氏に助けを求めたことを認めている。そして2人が力を合わせることで、現在のようなデザインにたどり着いたのだそうだ。さらに、常に「合理的な代替案がないようなデザイン」に挑戦しているとの心がけも語られている。
米New York Timesの記者による著書『アフター・スティーブ(After Steve)』では、初代Apple Watchを贅沢品にしたかったアイブ氏と、よりマスの市場を意識したティム・クックCEOの衝突が明かされていた。実際、初代Apple Watchは芸術品のようなEditionモデルが用意されていたが、ここ数年のApple Watchから最高級モデルが消えたことが「アップルにアイブ氏の居場所がなくなったこと」を象徴しているのかもしれない。
Source: Financial Times
via: iMore
※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。
アイブ氏は英Financial Timesにゲスト編集者として参加し、自ら設立したデザイン会社「LoveFrom」のパートナーであるマーク・ニューソン氏と対談を行った。その中でアイブ氏はシルバーという色へのこだわりと、ニューソン氏がApple Watchの完成にいかに貢献したかを語っている。
アップル製品のほとんどは、カラーバリエーションの1つにシルバーを採用している。今回のゲスト記事でもアイブ氏は、「シルバーの魔法」と題される記事でこの色を語り、「純粋で高貴なもの」と呼んでいる。
アイブ氏いわく、シルバーは「打ち延ばしやすく、加工しがいのある素材です。本来は貴重なものでありながら、手頃な価格であるため、他の貴金属よりも用途が広く、さまざまなオブジェに加工できる」とのこと。さらに「シルバーは幽玄な白色です。チタンやニッケルはとても暖かく、ステンレスはとても冷たく青いのに、シルバーにはほとんど色がない」という魅力も語っている。
アップル製品ユーザーにとって興味深いのは、Apple Watchのデザインに費やした時間を「特に困難な時期」だったとしつつも、ニューソン氏との仕事により「楽しくて効果的なコラボレーションを実現した」と述べているくだりだろう。
アイブ氏はApple Watchを「手首に装着できる、とてもパーソナルで便利な製品をつくる重要なチャンス」だと強く感じて、「大元となるアイディアや基本的なインターフェースの問題に多くの時間を注ぎ込み」ながらも「実際のモノづくりはとてもシンプルだと思い込んでいた」という。アイブ氏のデザインは簡潔でミニマルな造形美が印象に残りやすいが、シンプルさと使いやすさの両立は難しいとも思われる。
アイブ氏はApple Watchの最終的なデザインに苦心し、ニューソン氏に助けを求めたことを認めている。そして2人が力を合わせることで、現在のようなデザインにたどり着いたのだそうだ。さらに、常に「合理的な代替案がないようなデザイン」に挑戦しているとの心がけも語られている。
米New York Timesの記者による著書『アフター・スティーブ(After Steve)』では、初代Apple Watchを贅沢品にしたかったアイブ氏と、よりマスの市場を意識したティム・クックCEOの衝突が明かされていた。実際、初代Apple Watchは芸術品のようなEditionモデルが用意されていたが、ここ数年のApple Watchから最高級モデルが消えたことが「アップルにアイブ氏の居場所がなくなったこと」を象徴しているのかもしれない。
Source: Financial Times
via: iMore
※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。