公開日 2011/08/10 09:55
山之内正が速報レビュー − デノン初のネットワークオーディオプレーヤー「DNP-720SE」を聴く
注目のハイCPモデルが登場
デノンからブランド初のネットワークオーディオプレーヤー「DNP-720SE」が発表された。本機の機能、そして音質の評価を山之内正氏が速報レビューする。
本機はデノンの単体ネットワークオーディオプレーヤー第一弾で、この分野で最廉価の身近な製品として企画された点が目を引く。その背景には、「ネットワークオーディオを新たな音楽ソースの一つとして気軽に楽しんでもらいたい」という同社の狙いがあり、新分野ならではの楽しさを広めたいという意気込みが伝わってくる。
スリムな筐体からは想像できないほど機能は豊富で、有線LANだけでなくWi-Fiにも標準で対応しているのはその一例だ。そのほかiPodのデジタル接続、USBメモリーのダイレクト再生、AirPlay対応など、デジタル音源はフルサポートに近い。さらにAM/FMチューナーを内蔵しているので、インターネットラジオだけでなくアナログのラジオ放送も手軽に楽しむことができる。
対応するファイル形式はFLACが96kHz/24bitまで、AAC、WMA、WAVが48kHz/24bitまでとデータの種類によって差があるので、手持ちの音源の内容を十分に確認してから導入することをお薦めしたい。見やすい有機ELディスプレイとカーソルを使って本体やリモコンで基本的な操作ができるが、iPhoneなどのWi-Fi端末があれば純正を含むUPnP対応再生ソフトで直感的に動かせる。最初からAirPlay対応を実現していることを考えると、iPhoneやiPod touchのユーザーは特に本機を導入するメリットが大きいように思われる。
再生音は余分な強調感のない素直なバランスで、CDのリッピング音源と96/24などハイレゾ音源の差も無理なく引き出してくる。高品位音源では低音が過剰にふくらまない自然なベースや、輪郭の明瞭なボーカルの音像再現など、ハッとするような表現を垣間見せ、同クラスのCDプレーヤーを超えそうな勢いだ。また、本機の光デジタル出力を単体のD/AコンバーターやAVアンプにつなぐと、DAC部のクオリティ次第で再生音の大幅なグレードアップも期待できる。最近は96/24など上位フォーマットをサポートするDACが増えているので、ぜひ試してみよう。
【SPEC】●再生周波数特性:2〜48kHz(96kHz再生時)、2〜20kHz(44.1kHz再生時) ●ダイナミックレンジ:98dB ●SN比:110dB ●全高調波歪率:0.003% ●音声出力端子:光デジタル、アナログ ●その他端子:イーサーネット端子、無線LAN用アンテナ端子、FM/AMアンテナ端子、USB端子 ●消費電力:18W ●外形寸法:434W×74H×282Dmm ●質量:2.9kg
山之内正 プロフィール
出版社勤務を経て、音楽の勉強のためドイツで1年間過ごす。帰国後より、デジタルAVやホームシアター分野の専門誌を中心に執筆。趣味の枠を越えてクラシック音楽の知識も深く、その視点はオーディオ機器の評論にも反映されている。
本機はデノンの単体ネットワークオーディオプレーヤー第一弾で、この分野で最廉価の身近な製品として企画された点が目を引く。その背景には、「ネットワークオーディオを新たな音楽ソースの一つとして気軽に楽しんでもらいたい」という同社の狙いがあり、新分野ならではの楽しさを広めたいという意気込みが伝わってくる。
スリムな筐体からは想像できないほど機能は豊富で、有線LANだけでなくWi-Fiにも標準で対応しているのはその一例だ。そのほかiPodのデジタル接続、USBメモリーのダイレクト再生、AirPlay対応など、デジタル音源はフルサポートに近い。さらにAM/FMチューナーを内蔵しているので、インターネットラジオだけでなくアナログのラジオ放送も手軽に楽しむことができる。
対応するファイル形式はFLACが96kHz/24bitまで、AAC、WMA、WAVが48kHz/24bitまでとデータの種類によって差があるので、手持ちの音源の内容を十分に確認してから導入することをお薦めしたい。見やすい有機ELディスプレイとカーソルを使って本体やリモコンで基本的な操作ができるが、iPhoneなどのWi-Fi端末があれば純正を含むUPnP対応再生ソフトで直感的に動かせる。最初からAirPlay対応を実現していることを考えると、iPhoneやiPod touchのユーザーは特に本機を導入するメリットが大きいように思われる。
再生音は余分な強調感のない素直なバランスで、CDのリッピング音源と96/24などハイレゾ音源の差も無理なく引き出してくる。高品位音源では低音が過剰にふくらまない自然なベースや、輪郭の明瞭なボーカルの音像再現など、ハッとするような表現を垣間見せ、同クラスのCDプレーヤーを超えそうな勢いだ。また、本機の光デジタル出力を単体のD/AコンバーターやAVアンプにつなぐと、DAC部のクオリティ次第で再生音の大幅なグレードアップも期待できる。最近は96/24など上位フォーマットをサポートするDACが増えているので、ぜひ試してみよう。
【SPEC】●再生周波数特性:2〜48kHz(96kHz再生時)、2〜20kHz(44.1kHz再生時) ●ダイナミックレンジ:98dB ●SN比:110dB ●全高調波歪率:0.003% ●音声出力端子:光デジタル、アナログ ●その他端子:イーサーネット端子、無線LAN用アンテナ端子、FM/AMアンテナ端子、USB端子 ●消費電力:18W ●外形寸法:434W×74H×282Dmm ●質量:2.9kg
山之内正 プロフィール
出版社勤務を経て、音楽の勉強のためドイツで1年間過ごす。帰国後より、デジタルAVやホームシアター分野の専門誌を中心に執筆。趣味の枠を越えてクラシック音楽の知識も深く、その視点はオーディオ機器の評論にも反映されている。