公開日 2014/04/25 11:00
【本日発売!】オーディオテクニカの新イヤホン“CKRシリーズ”を全部聴いてみた
オーディオテクニカが自信を持って贈る、イヤホンのスタンダードシリーズが遂にリファイン!世界初「デュアルフェーズ・プッシュプルドライバー」など、極限まで歪みを低減させる独自技術の数々を駆使したCKRシリーズを中林直樹氏が一挙レビューした。
音のパワーと純度を高める新発想のデュアルドライバー
登場以来、多くのユーザーを獲得したオーディオテクニカのCKMシリーズ。同社のイヤホン群の中でもハイエンドからミドルクラスを担った、いわば中核シリーズだった。それがこの4月日、フルモデルチェンジを遂げる。その名はCKRシリーズ。RはResolution(解像度)、Sound Reality(音の再現性)そしてHighResponse(応答性)を高い次元で追求したことに由来するという。
ラインアップは全5タイプだ。最上位機種のATH-CKR10からATH-CKR9、ATH-CKR7、ATH-CKR5、ATH-CKR3という布陣である。
中でも注目してほしいのが、ATH-CKR10およびATH-CKR9である。それは世界初となる「デュアルフェーズ・プッシュプルドライバー」を搭載しているからに他ならない。結論を急ぐようだが、昨今の各ブランド間におけるイヤホンの技術開発競争にあって、この機構はひときわ輝くものだと感じている。
その特長は2基の13mmドライバーを向かい合わせに配置し高磁束化を図ったことだ。しかも、それらをプッシュプルで駆動させることで、パワフルな再現と歪みの低減も狙っている。限られたスペースの中に、こうした機構をマウントできたことは、オーディオテクニカの高い技術力の証左だといえよう。
ATH-CKR10はそのドライバーユニットに加え、土台となるヨークに純鉄を採用。ハウジングは強さと軽さが両立したチタニウムとした。ケーブルはノイズの少ない伝送が可能なスタッカード撚り線を用いている。
さて、できあがったばかりの製品を一足早く聴ける機会を得た。そこで、リリースされたばかりのBeck『モーニング・フェイズ』のハイレゾ版(96kHz/24bit FLAC)を聴く。
まず、ボーカルやギターがふわりと耳の周囲に立ち上がってくるような印象。しかも、それが淡くならず、密度感がある。また、ベースやドラムスは解像度と深みがバランスする。このあたりがデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーの威力だろうか。ところで、昨今のイヤホンのトレンドのひとつに、ダイナミック型とバランスド・アーマチュア(BA)型とのハイブリッド方式が挙げられる。無論、ATH-CKR10はそうではない。いやむしろ、これまで使い慣れたダイナミック型に新しい発想をプラスして、未知の音楽再生領域に挑んでいるのだ。BA型がイヤホンに新たな風を持ち込んだことは事実だが、それを知れば知るほど、ダイナミック型のアドバンテージが浮き彫りになる。まだまだ進化の余地はあるのだ。
ATH-CKR9はデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーと切削アルミニウムハウジングがキーフィーチャーだ。Beckを試聴してみたが、ATH-CKR10とはやや傾向が異なり、すっきりと軽やかな音場が広がった。特にボーカルはクリアで、輪郭も滲まない。
スタンダードモデルも個性溢れる実力派揃い!
ATH-CKR7は新設計のドライバーを採用。その口径は14mmと大型だ。ハウジングには切削アルミニウムとステンレスを採用。これは2つの素材で音に悪影響を及ぼす不要な振動を抑えるためだ。豊かなサウンドステージや、ゆったりとした響きが印象的だった。この音づくりは確実に上位機種のそれを受け継いでいる。高級イヤホンの領域に、これから分け入ってみたいと思うなら、本機から初めてもよいだろう。
ATH-CKR5のドライバーも新開発の13mmタイプ。真鍮のスタビライザーでやはり制振を図っている。中高域の清々しさと、重低域の迫力が融合したサウンドだ。ボディは6色展開で、そのどれもが上品な光沢に包まれている。シリーズ中、最も小型軽量のATH-CKR3は、素直でまとまりのあるサウンドを聴かせてくれた。
このような実力を備えたCKRシリーズがいよいよ登場する。しかも、一挙に出揃うのだ。そこにプランナーやエンジニアたちの探究心、そしてブランドのパワーや勢いを感じるといっても決して大げさではないはずだ。
===CKRシリーズ ラインナップ===
未知の再生領域を目指したプレミアムイヤホン
ATH-CKR10 ¥40,000(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ13mm×2 ●再生周波数帯域:5〜40,000Hz ●インピーダンス:12Ω ●質量:約16g(ケーブル除く)
世界初「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を搭載した最上位モデル。これまでのイヤホンの音を一新するサウンドを実現している。
世界初技術×切削アルミボディ
ATH-CKR9 ¥30,000(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ13mm×2 ●再生周波数帯域:5〜35,000Hz ●インピーダンス:12Ω ●質量:約12g(ケーブル除く)
CKR10と同じく、世界初「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を搭載。こちらのボディはアルミニウム。
洗練された才色兼備の逸品
ATH-CKR7 ¥15,000(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ14mm ●再生周波数帯域:5〜28,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●質量:約10g(ケーブル除く)
ハイブリッドメタルハウジング(ステンレスとアルミ)採用。美しいデザイン、メタルの質感、重量感が所有欲を満たす。高低域用アコースティックレジスター搭載。
テクニカ独自技術を集結
ATH-CKR5 ¥6,000(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ13mm ●再生周波数帯域:5〜25,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●質量:約8g(ケーブル除く)
真鍮スタビライザーとダイレクトダイアフラムマウント方式ドライバーユニットを搭載。ユニットは大口径13mmでワイドレンジ再生を実現。
コンパクトにいい音を!
ATH-CKR3 ¥3,500(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ9.8mm ●再生周波数帯域:5〜24,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●質量:約6g(ケーブル除く)
CKR5と同等のテクノロジーを搭載。小型9.8mmドライバーながら、サイズと価格からは想像できないサウンドを放つ。
音のパワーと純度を高める新発想のデュアルドライバー
登場以来、多くのユーザーを獲得したオーディオテクニカのCKMシリーズ。同社のイヤホン群の中でもハイエンドからミドルクラスを担った、いわば中核シリーズだった。それがこの4月日、フルモデルチェンジを遂げる。その名はCKRシリーズ。RはResolution(解像度)、Sound Reality(音の再現性)そしてHighResponse(応答性)を高い次元で追求したことに由来するという。
ラインアップは全5タイプだ。最上位機種のATH-CKR10からATH-CKR9、ATH-CKR7、ATH-CKR5、ATH-CKR3という布陣である。
中でも注目してほしいのが、ATH-CKR10およびATH-CKR9である。それは世界初となる「デュアルフェーズ・プッシュプルドライバー」を搭載しているからに他ならない。結論を急ぐようだが、昨今の各ブランド間におけるイヤホンの技術開発競争にあって、この機構はひときわ輝くものだと感じている。
その特長は2基の13mmドライバーを向かい合わせに配置し高磁束化を図ったことだ。しかも、それらをプッシュプルで駆動させることで、パワフルな再現と歪みの低減も狙っている。限られたスペースの中に、こうした機構をマウントできたことは、オーディオテクニカの高い技術力の証左だといえよう。
ATH-CKR10はそのドライバーユニットに加え、土台となるヨークに純鉄を採用。ハウジングは強さと軽さが両立したチタニウムとした。ケーブルはノイズの少ない伝送が可能なスタッカード撚り線を用いている。
さて、できあがったばかりの製品を一足早く聴ける機会を得た。そこで、リリースされたばかりのBeck『モーニング・フェイズ』のハイレゾ版(96kHz/24bit FLAC)を聴く。
まず、ボーカルやギターがふわりと耳の周囲に立ち上がってくるような印象。しかも、それが淡くならず、密度感がある。また、ベースやドラムスは解像度と深みがバランスする。このあたりがデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーの威力だろうか。ところで、昨今のイヤホンのトレンドのひとつに、ダイナミック型とバランスド・アーマチュア(BA)型とのハイブリッド方式が挙げられる。無論、ATH-CKR10はそうではない。いやむしろ、これまで使い慣れたダイナミック型に新しい発想をプラスして、未知の音楽再生領域に挑んでいるのだ。BA型がイヤホンに新たな風を持ち込んだことは事実だが、それを知れば知るほど、ダイナミック型のアドバンテージが浮き彫りになる。まだまだ進化の余地はあるのだ。
ATH-CKR9はデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーと切削アルミニウムハウジングがキーフィーチャーだ。Beckを試聴してみたが、ATH-CKR10とはやや傾向が異なり、すっきりと軽やかな音場が広がった。特にボーカルはクリアで、輪郭も滲まない。
スタンダードモデルも個性溢れる実力派揃い!
ATH-CKR7は新設計のドライバーを採用。その口径は14mmと大型だ。ハウジングには切削アルミニウムとステンレスを採用。これは2つの素材で音に悪影響を及ぼす不要な振動を抑えるためだ。豊かなサウンドステージや、ゆったりとした響きが印象的だった。この音づくりは確実に上位機種のそれを受け継いでいる。高級イヤホンの領域に、これから分け入ってみたいと思うなら、本機から初めてもよいだろう。
ATH-CKR5のドライバーも新開発の13mmタイプ。真鍮のスタビライザーでやはり制振を図っている。中高域の清々しさと、重低域の迫力が融合したサウンドだ。ボディは6色展開で、そのどれもが上品な光沢に包まれている。シリーズ中、最も小型軽量のATH-CKR3は、素直でまとまりのあるサウンドを聴かせてくれた。
このような実力を備えたCKRシリーズがいよいよ登場する。しかも、一挙に出揃うのだ。そこにプランナーやエンジニアたちの探究心、そしてブランドのパワーや勢いを感じるといっても決して大げさではないはずだ。
===CKRシリーズ ラインナップ===
未知の再生領域を目指したプレミアムイヤホン
ATH-CKR10 ¥40,000(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ13mm×2 ●再生周波数帯域:5〜40,000Hz ●インピーダンス:12Ω ●質量:約16g(ケーブル除く)
世界初「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を搭載した最上位モデル。これまでのイヤホンの音を一新するサウンドを実現している。
世界初技術×切削アルミボディ
ATH-CKR9 ¥30,000(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ13mm×2 ●再生周波数帯域:5〜35,000Hz ●インピーダンス:12Ω ●質量:約12g(ケーブル除く)
CKR10と同じく、世界初「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を搭載。こちらのボディはアルミニウム。
洗練された才色兼備の逸品
ATH-CKR7 ¥15,000(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ14mm ●再生周波数帯域:5〜28,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●質量:約10g(ケーブル除く)
ハイブリッドメタルハウジング(ステンレスとアルミ)採用。美しいデザイン、メタルの質感、重量感が所有欲を満たす。高低域用アコースティックレジスター搭載。
テクニカ独自技術を集結
ATH-CKR5 ¥6,000(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ13mm ●再生周波数帯域:5〜25,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●質量:約8g(ケーブル除く)
真鍮スタビライザーとダイレクトダイアフラムマウント方式ドライバーユニットを搭載。ユニットは大口径13mmでワイドレンジ再生を実現。
コンパクトにいい音を!
ATH-CKR3 ¥3,500(税抜)
【SPEC】●型式:ダイナミック型 ●ドライバー:φ9.8mm ●再生周波数帯域:5〜24,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●質量:約6g(ケーブル除く)
CKR5と同等のテクノロジーを搭載。小型9.8mmドライバーながら、サイズと価格からは想像できないサウンドを放つ。