公開日 2014/10/14 12:07
<明るい100インチを手軽に実現>エプソン新プロジェクター「EH-TW530」レビュー
超大画面を手軽に体験できる入門機
「EH-TW530S/TW530」は、エプソンのホームシアター向けプロジェクターシリーズ“dreamio”において、スタンダード機に位置付けされるWXGA解像度(1,280×800画素)のモデルである。実売7万円前後の手軽な価格帯でありながら、ハイビジョン画質(垂直方向の画素数が650以上)と3D投写機能を備え、しかもコンパクトで2.4kgと軽量で、エントリーユーザーに適した質実剛健な1台だ。
前モデルの「EH-TW510」に比べると、映像の明るさは100ルーメンアップして2,800ルーメンに向上。また、コントラスト比は、TW510の4,500対1から本機TW530では15,000対1へと大幅に引き上げられていているのがポイントだ。言い換えると、明るい部屋でもよりメリハリのある鮮明な映像を、暗く照明を落とした部屋でも黒の引き締まった映像が楽しめるように進化している。
その他、デザインは精悍さを増し、10%以上の軽量化を果たすなど、パーソナル用途や持ち運びに嬉しい細部のブラッシュアップも歓迎したい。下位モデルである「EH-TW410」との最大の違いは3D投写が可能な事で、3Dメガネを追加購入すれば、映画もゲームも3Dで楽しむことが出来る。
2,800ルーメン以上に明るく感じられる画質
エプソンならではの色のピュアさや再現性の良さ
まず基本として、本機はエプソンが得意とする、RGB毎に各1枚・合計3枚の液晶パネルを用いてカラー映像を作り出す「3LCD方式」を採用している。一般的なコンパクトプロジェクターの多くが採用しているDLP方式は、色(特に白色)が虹のように割れて見える「レインボーノイズ」あるいは「カラーブレーキング」と呼ばれる症状が起こりがちだが、「3LCD方式」は原理上そうした心配が無く、安定した高画質を楽しめる点で優れている。
試写してみると、映像は2,800ルーメンのスペック以上に明るく感じ、リビング程度の照明下なら眩しいくらい。色の再現性も元気だ。また、明るい部屋ではどうしても黒の再現が難しくなるが、これだけ映像が明るくなると、コントラストも充分で鮮明な映像を得ることができる。日常のテレビ放送やスポーツ観戦、ゲームなら、部屋の明かりをつけたままでも充分に楽しめるのだ。
補足すると、エプソンが示すルーメン値は、白色だけでなく、カラーにも適用される。これも「3LCD方式」ならではのメリットで、スペック値以上に映像が明るく感じられたり、色の再現性に優れている秘密だ。
お次は「シネマモード」で映画を視聴。「シネマモード」に切り替えると、ランプ設定は「低」になり、日没後のリビングに適した明るさになる。(注:ランプの輝度は任意に「高」と「低」が任意に選択可能。出荷設定のシネマモードはランプ輝度が「低」に設定されている)
出荷設定の「シネマモード」は、色がかなり濃いめだが、明かりのある部屋では、プロジェクター映像の“色”は洗い流されて薄く見えてしまうので、そうしたことも考慮した設定なのだろう。暗室で視聴する場合は、設定項目で「色の濃さ」を「-20」くらいに設定すると、映画本来の風合いが楽しめる。
映像の明るさを重視したエントリーモデル故、暗室でBD映画を観るとなると、黒の階調再現性や解像感は物足りなさを感じるが、色のピュアさや再現性の良さはエプソンならではで、この価格帯ではおすすめ出来る高品位なものだ。
ほか、電源オン時にスライド式のレンズカバーを閉じると、映像をミュートすることができるのも便利。カバーを開けると再び遅延なく明るい映像が映し出されるので、電源をオフ/オンせずに映像光をちょっとだけ遮断したい…という場合に役立つ。因みに、映像ミュート時は自動的にランプ輝度が「低」に切り替わり、消費電力が175W程度に抑えられることも確認した。(ランプ輝度「高」時の消費電力は、おおよそ250W程度)
7万円前後で明るく高品位な映像と3D投写機能
超大画面を手軽に体験したいエントリーユーザーにお勧め
2.4kgと言えば、ノートパソコン2台分程度。誰もが気軽に持ち運べる軽さで、視聴するときにだけ持ち出して、使用後は片付けるという利用スタイルにも向く。もちろん、出張上映や出張プレゼンにも重宝するだろう。レンズは比較的広角で、最短2.3mで80型を、2.89mで100型の大画面を投写できる。6畳間で例えると、短辺方向に投写すれば80型、長辺方向に投写すれば100型、と考えれば良いだろう。
台形補正は上下方向だけでなく、左右方向に対応しているのもエプソンならではの機能美。スクリーンの正面からだけでなく、斜め横方向からも映像を歪みなく投写できるので、設置位置を選ばず、生活空間との馴じみが良いのだ。因みに調整方法も工夫されていて、レンズ近くのスライドバーで直感的に行えるのもポイント。リモコンでメニュー画面を呼び出すような煩わしさなく、置き場所を頻繁に変えるようなユーザーにも重宝だ。
接続はAV機器とならHDMIが便利。映像も音もケーブル一本で済み、音声は本機から鳴らすこともできる。内蔵されているのは小さなスピーカーなので音質も音量も限界があるが、テレビや映画のセリフ内容を確認するには充分。リモコンでダイレクトに音量調整もでき、何より、テレビ感覚でプロジェクターが利用できるのが利点だ。
7万円前後の手軽な価格で、明るく高品位な映像と3D投写機能が自慢。明るいリビングで、大勢でスポーツ観戦、テレビ視聴、ゲームプレイを楽しむのにお勧めできる画質クオリティーも魅力だ。テレビを超える超大画面を手軽に体験したいエントリーユーザーにお勧めできる高品位モデルである。
(鴻池賢三)
前モデルの「EH-TW510」に比べると、映像の明るさは100ルーメンアップして2,800ルーメンに向上。また、コントラスト比は、TW510の4,500対1から本機TW530では15,000対1へと大幅に引き上げられていているのがポイントだ。言い換えると、明るい部屋でもよりメリハリのある鮮明な映像を、暗く照明を落とした部屋でも黒の引き締まった映像が楽しめるように進化している。
その他、デザインは精悍さを増し、10%以上の軽量化を果たすなど、パーソナル用途や持ち運びに嬉しい細部のブラッシュアップも歓迎したい。下位モデルである「EH-TW410」との最大の違いは3D投写が可能な事で、3Dメガネを追加購入すれば、映画もゲームも3Dで楽しむことが出来る。
2,800ルーメン以上に明るく感じられる画質
エプソンならではの色のピュアさや再現性の良さ
まず基本として、本機はエプソンが得意とする、RGB毎に各1枚・合計3枚の液晶パネルを用いてカラー映像を作り出す「3LCD方式」を採用している。一般的なコンパクトプロジェクターの多くが採用しているDLP方式は、色(特に白色)が虹のように割れて見える「レインボーノイズ」あるいは「カラーブレーキング」と呼ばれる症状が起こりがちだが、「3LCD方式」は原理上そうした心配が無く、安定した高画質を楽しめる点で優れている。
試写してみると、映像は2,800ルーメンのスペック以上に明るく感じ、リビング程度の照明下なら眩しいくらい。色の再現性も元気だ。また、明るい部屋ではどうしても黒の再現が難しくなるが、これだけ映像が明るくなると、コントラストも充分で鮮明な映像を得ることができる。日常のテレビ放送やスポーツ観戦、ゲームなら、部屋の明かりをつけたままでも充分に楽しめるのだ。
補足すると、エプソンが示すルーメン値は、白色だけでなく、カラーにも適用される。これも「3LCD方式」ならではのメリットで、スペック値以上に映像が明るく感じられたり、色の再現性に優れている秘密だ。
お次は「シネマモード」で映画を視聴。「シネマモード」に切り替えると、ランプ設定は「低」になり、日没後のリビングに適した明るさになる。(注:ランプの輝度は任意に「高」と「低」が任意に選択可能。出荷設定のシネマモードはランプ輝度が「低」に設定されている)
出荷設定の「シネマモード」は、色がかなり濃いめだが、明かりのある部屋では、プロジェクター映像の“色”は洗い流されて薄く見えてしまうので、そうしたことも考慮した設定なのだろう。暗室で視聴する場合は、設定項目で「色の濃さ」を「-20」くらいに設定すると、映画本来の風合いが楽しめる。
映像の明るさを重視したエントリーモデル故、暗室でBD映画を観るとなると、黒の階調再現性や解像感は物足りなさを感じるが、色のピュアさや再現性の良さはエプソンならではで、この価格帯ではおすすめ出来る高品位なものだ。
ほか、電源オン時にスライド式のレンズカバーを閉じると、映像をミュートすることができるのも便利。カバーを開けると再び遅延なく明るい映像が映し出されるので、電源をオフ/オンせずに映像光をちょっとだけ遮断したい…という場合に役立つ。因みに、映像ミュート時は自動的にランプ輝度が「低」に切り替わり、消費電力が175W程度に抑えられることも確認した。(ランプ輝度「高」時の消費電力は、おおよそ250W程度)
7万円前後で明るく高品位な映像と3D投写機能
超大画面を手軽に体験したいエントリーユーザーにお勧め
2.4kgと言えば、ノートパソコン2台分程度。誰もが気軽に持ち運べる軽さで、視聴するときにだけ持ち出して、使用後は片付けるという利用スタイルにも向く。もちろん、出張上映や出張プレゼンにも重宝するだろう。レンズは比較的広角で、最短2.3mで80型を、2.89mで100型の大画面を投写できる。6畳間で例えると、短辺方向に投写すれば80型、長辺方向に投写すれば100型、と考えれば良いだろう。
台形補正は上下方向だけでなく、左右方向に対応しているのもエプソンならではの機能美。スクリーンの正面からだけでなく、斜め横方向からも映像を歪みなく投写できるので、設置位置を選ばず、生活空間との馴じみが良いのだ。因みに調整方法も工夫されていて、レンズ近くのスライドバーで直感的に行えるのもポイント。リモコンでメニュー画面を呼び出すような煩わしさなく、置き場所を頻繁に変えるようなユーザーにも重宝だ。
接続はAV機器とならHDMIが便利。映像も音もケーブル一本で済み、音声は本機から鳴らすこともできる。内蔵されているのは小さなスピーカーなので音質も音量も限界があるが、テレビや映画のセリフ内容を確認するには充分。リモコンでダイレクトに音量調整もでき、何より、テレビ感覚でプロジェクターが利用できるのが利点だ。
7万円前後の手軽な価格で、明るく高品位な映像と3D投写機能が自慢。明るいリビングで、大勢でスポーツ観戦、テレビ視聴、ゲームプレイを楽しむのにお勧めできる画質クオリティーも魅力だ。テレビを超える超大画面を手軽に体験したいエントリーユーザーにお勧めできる高品位モデルである。
(鴻池賢三)