公開日 2017/02/06 10:00
もはや価格破壊? 9万円台でES9038PRO搭載、OPPO「Sonica DAC」のサウンドを聴く
【特別企画】話題のUSB-DAC/ネットワークプレーヤー
OPPOが2月上旬に発売するUSB-DAC/ネットワークプレーヤー「Sonica DAC」を、土方久明氏がさっそくレビュー。実売9.8万円という価格ながらESSの最上位DACを搭載し、22.6MHz DSDの再生に対応した本機の実力を検証する。あわせて、専用アプリの使い勝手など機能性についてもチェックしていく。
■高いコストパフォーマンスを実現したD/Aコンバーター
OPPOからネットワーク再生機能を備えた据え置き型USB-DAC「Sonica DAC」が登場した。10万円以下という価格ながら、ESS Technology社の新世代最上位DACチップ「ES9038PRO」を搭載するという、非常に高いコストパフォーマンスを実現した製品である。
「OPPOから新製品が出る」と聞いた時、今では多くのオーディオ/ビジュアルファンが気持ちを高ぶらせるのではないだろうか。筆者もその一人だ。
近年のデジタルオーディオ&ビジュアルシーンにおいて、OPPOは最先端を走るメーカーとなった。現在では世界のエレクトロニクスメーカーが同社のBDプレーヤーをベンチマークにしているが、その最新モデルとして昨年12月にUltra HD Blu-rayに対応した「UDP-203」が発売されたことは記憶に新しい。
それにとどまらず、2017年中には同社が「究極のオーディオファイル・グレード」とアピールするUltra HD Blu-rayプレーヤー「UDP-205」の発売も控えている。そしてオーディオ分野でも、ヘッドホンアンプ/USB-DAC「HA-1」をはじめとする製品がピュアオーディオファン、ヘッドホンファンから高い評価を受けているのはご承知の通りである。
このように勢いのとどまることを知らないOPPOが、この2月に満を持して送り出すのが、今回取り上げるSonica DACだ。その特徴は多岐にわたるため、まず箇条書きにしてみる。
・ESS Technology社の旗艦DACチップ「ES9038PRO」を採用
・768kHz/32bit PCM、22.6MHz DSDに対応するUSB-DAC
・DLNA/UPnPによるネットワーク再生に対応
・ほかにも同軸/光デジタル入力、アナログ入力、Bluetoothに対応
・音楽ストリーミングサービス「TIDAL」「Spotify」に対応
・電源回路の強化やフルバランス設計などアナログ面にも注力
・32bitデジタルボリュームによるプリアンプ機能
・Android/iOSに対応する自社開発の専用操作アプリ「Sonica APP」
こうして仕様を列挙すると、はたしてこれが本当に約10万円の製品なのかと驚きを禁じ得ない。中でも大きな魅力として挙げられるのが、DACチップにESS Technology社「ES9038PRO」を搭載したことだ。
このチップは、高精度な変換処理を実現するアルゴリズム“Hyperstream IIテクノロジー”を採用した、ESSの最新世代フラグシップDACチップ。多くのハイエンドオーディオ製品に採用された「ES9018S」の後継機種である「ES9028PRO」の上位モデルという位置付けでもある。1チップあたり合計32基のDACを内蔵し、本機のようにステレオ・モードで使用する場合、片チャンネルあたり16基のDACが並列動作する。
まだ一部のハイエンド製品にしか搭載されていないES9038PROを、このようなリーズナブルな価格の製品に投入してくるメーカーが現れるとは思いもよらなかった。本チップはES9018Sと比べて出力電流が大きく、新規設計のI/V変換回路を必要とするなど、開発リソースも求められる。チップの入手を含め、これらの条件をクリアして製品化を実現できたのは、オーディオ以外にも多くの製品を市場投入する総合エレクトロニクスメーカーのパワーがなせる技なのかもしれない。
また本機の電源部には、大型トロイダルトランスとリニアパワーサプライを組み合わせたハイブリッド型電源が搭載されていることにも注目したい。
ここから分かる通り、Sonica DACは限られたコストの中で、デジタルオーディオ機器の心臓部とも言えるDACチップと、音質に大きな影響のある電源部に、集中して良質なマテリアルを投入したのである。
■高いコストパフォーマンスを実現したD/Aコンバーター
OPPOからネットワーク再生機能を備えた据え置き型USB-DAC「Sonica DAC」が登場した。10万円以下という価格ながら、ESS Technology社の新世代最上位DACチップ「ES9038PRO」を搭載するという、非常に高いコストパフォーマンスを実現した製品である。
「OPPOから新製品が出る」と聞いた時、今では多くのオーディオ/ビジュアルファンが気持ちを高ぶらせるのではないだろうか。筆者もその一人だ。
近年のデジタルオーディオ&ビジュアルシーンにおいて、OPPOは最先端を走るメーカーとなった。現在では世界のエレクトロニクスメーカーが同社のBDプレーヤーをベンチマークにしているが、その最新モデルとして昨年12月にUltra HD Blu-rayに対応した「UDP-203」が発売されたことは記憶に新しい。
それにとどまらず、2017年中には同社が「究極のオーディオファイル・グレード」とアピールするUltra HD Blu-rayプレーヤー「UDP-205」の発売も控えている。そしてオーディオ分野でも、ヘッドホンアンプ/USB-DAC「HA-1」をはじめとする製品がピュアオーディオファン、ヘッドホンファンから高い評価を受けているのはご承知の通りである。
このように勢いのとどまることを知らないOPPOが、この2月に満を持して送り出すのが、今回取り上げるSonica DACだ。その特徴は多岐にわたるため、まず箇条書きにしてみる。
・ESS Technology社の旗艦DACチップ「ES9038PRO」を採用
・768kHz/32bit PCM、22.6MHz DSDに対応するUSB-DAC
・DLNA/UPnPによるネットワーク再生に対応
・ほかにも同軸/光デジタル入力、アナログ入力、Bluetoothに対応
・音楽ストリーミングサービス「TIDAL」「Spotify」に対応
・電源回路の強化やフルバランス設計などアナログ面にも注力
・32bitデジタルボリュームによるプリアンプ機能
・Android/iOSに対応する自社開発の専用操作アプリ「Sonica APP」
こうして仕様を列挙すると、はたしてこれが本当に約10万円の製品なのかと驚きを禁じ得ない。中でも大きな魅力として挙げられるのが、DACチップにESS Technology社「ES9038PRO」を搭載したことだ。
このチップは、高精度な変換処理を実現するアルゴリズム“Hyperstream IIテクノロジー”を採用した、ESSの最新世代フラグシップDACチップ。多くのハイエンドオーディオ製品に採用された「ES9018S」の後継機種である「ES9028PRO」の上位モデルという位置付けでもある。1チップあたり合計32基のDACを内蔵し、本機のようにステレオ・モードで使用する場合、片チャンネルあたり16基のDACが並列動作する。
まだ一部のハイエンド製品にしか搭載されていないES9038PROを、このようなリーズナブルな価格の製品に投入してくるメーカーが現れるとは思いもよらなかった。本チップはES9018Sと比べて出力電流が大きく、新規設計のI/V変換回路を必要とするなど、開発リソースも求められる。チップの入手を含め、これらの条件をクリアして製品化を実現できたのは、オーディオ以外にも多くの製品を市場投入する総合エレクトロニクスメーカーのパワーがなせる技なのかもしれない。
また本機の電源部には、大型トロイダルトランスとリニアパワーサプライを組み合わせたハイブリッド型電源が搭載されていることにも注目したい。
ここから分かる通り、Sonica DACは限られたコストの中で、デジタルオーディオ機器の心臓部とも言えるDACチップと、音質に大きな影響のある電源部に、集中して良質なマテリアルを投入したのである。
次ページUSBからネットワーク、Bluetoothまで豊富な入力を装備