公開日 2018/03/15 11:11
エソテリック「P-05X/D-05X」を聴く ー 圧巻の進化を遂げたセパレートプレーヤー
同社30周年のアニバーサリー・イヤーに登場
エソテリックは昨年2017年にブランド生誕30周年を迎えたが、日本のハイエンドオーディオ・ブランドとしての地位を揺るぎないものとしてきた。同ブランドの象徴として存在するのが、セパレート・デジタルプレーヤーだ。30周年というアニバーサリー・イヤーに登場したのが、10年のロングランを達成した銘機「P-05/D-05」の系譜を継ぐ「P-05X/D-05X」である。長年蓄積されたノウハウと上位モデル「P-02X/D-02X」で投入された技術を組み合わせ完成させた、ハイエンドオーディオシーンにおけるマイルストーンを詳しくレビューする。
本機の概要
■上位モデルの技術を継承、30周年に相応しい内容
2017年はエソテリック30周年のアニバーサリー・イヤーだった。それを自ら祝福するように登場したのが、セパレートのデジタルプレーヤー「P-05X/D-05X」である。型番から言うと、P-05/D-05の後継機種にあたるが、その内容を考えると、むしろP-02X/D-02Xのテクノロジーを踏襲したジュニアモデル的な位置づけにも感じられる。
もう少し俯瞰してみると、このモデルの登場によってエソテリックはセパレート・デジルタプレーヤーが3セット、一体型が6機種という合計9セットものSACD/CDプレーヤーを擁するブランドになっている。これは世界的にも類例がないだろう。
ただ開発陣にインタビューしてみると、P-05XとD-05Xという組合せで使うことはもちろんだが、使い手の状況や考え方によって自由に組み合わせてもらっていいという。「2007年のモデルであるP-05/D-05を使って来た人が、まずD‐05Xだけ導入してもらってもいいし、初めてエソテリックを購入する人が、USB-DACとしてD‐05Xを選んでもらっても嬉しい」と語っており、同社はそうした多様性を持たせている。
■前機種との共通点はほぼなく、D-05Xは最新DACを搭載
今回徹底的にブラッシュアップされたP-05X/D-05Xでは、前モデルのP-05/D-05からそのまま踏襲している部分は少ないのだが、中でもP-05Xに搭載されたVRDS-NEO「VMK-5」は、細部をリファインしながらキャリーオーバーしている。
デジタル出力としては、HDMIケーブルを2本使用する「ES-LINK4」が大きな特徴だ。デジタル処理のほとんどをトランスポート側で行い、「オーディオデータ」「LRクロック」「ビットクロック」をそれぞれ差動で伝送する。ただし、XLRケーブル2本を使う従来型のES‐LINK対応デュアルXLR端子や、同軸デジタル出力端子も装備しており、様々な使い方に対応している。
D-05Xは、フラッグシップ機「Grandioso D1」からの設計思想を継承。左右独立した大型トロイダル・トランスを核とする電源部からのデュアルモノ構成、DAC部はAKMのAK4497を採用。これを計8回路組み合わせて34bitプロセッシングを形成している。また、D-05X側の高精度クロックをBNCケーブルを使ってP-05Xに供給し、同期させることもできる。
本機の概要
■上位モデルの技術を継承、30周年に相応しい内容
2017年はエソテリック30周年のアニバーサリー・イヤーだった。それを自ら祝福するように登場したのが、セパレートのデジタルプレーヤー「P-05X/D-05X」である。型番から言うと、P-05/D-05の後継機種にあたるが、その内容を考えると、むしろP-02X/D-02Xのテクノロジーを踏襲したジュニアモデル的な位置づけにも感じられる。
もう少し俯瞰してみると、このモデルの登場によってエソテリックはセパレート・デジルタプレーヤーが3セット、一体型が6機種という合計9セットものSACD/CDプレーヤーを擁するブランドになっている。これは世界的にも類例がないだろう。
ただ開発陣にインタビューしてみると、P-05XとD-05Xという組合せで使うことはもちろんだが、使い手の状況や考え方によって自由に組み合わせてもらっていいという。「2007年のモデルであるP-05/D-05を使って来た人が、まずD‐05Xだけ導入してもらってもいいし、初めてエソテリックを購入する人が、USB-DACとしてD‐05Xを選んでもらっても嬉しい」と語っており、同社はそうした多様性を持たせている。
■前機種との共通点はほぼなく、D-05Xは最新DACを搭載
今回徹底的にブラッシュアップされたP-05X/D-05Xでは、前モデルのP-05/D-05からそのまま踏襲している部分は少ないのだが、中でもP-05Xに搭載されたVRDS-NEO「VMK-5」は、細部をリファインしながらキャリーオーバーしている。
デジタル出力としては、HDMIケーブルを2本使用する「ES-LINK4」が大きな特徴だ。デジタル処理のほとんどをトランスポート側で行い、「オーディオデータ」「LRクロック」「ビットクロック」をそれぞれ差動で伝送する。ただし、XLRケーブル2本を使う従来型のES‐LINK対応デュアルXLR端子や、同軸デジタル出力端子も装備しており、様々な使い方に対応している。
D-05Xは、フラッグシップ機「Grandioso D1」からの設計思想を継承。左右独立した大型トロイダル・トランスを核とする電源部からのデュアルモノ構成、DAC部はAKMのAK4497を採用。これを計8回路組み合わせて34bitプロセッシングを形成している。また、D-05X側の高精度クロックをBNCケーブルを使ってP-05Xに供給し、同期させることもできる。
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