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公開日 2024/08/15 07:00

自宅の常設DAC兼ヘッドホンアンプが3世代目にアップデート! iFi Audio「ZEN DAC 3」を確かめる

[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第276回】
高橋敦
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■4年ぶり2度目、高橋敦氏が「ZEN DAC」をチェック!



2020年2月に本連載でチェック、その好感触で筆者自室システムに即導入となったDAC兼ヘッドホンアンプがiFI Audio「ZEN DAC」だ。(参考:デスクトップオーディオの新たな“コア”、iFI Audio「ZEN DAC」を徹底チェック!

高橋氏所有の「ZEN DAC(初代機)」。現状実際はデスクトップではなくデスクサイドに設置されているわけですが

デスクトップ設置に支障ないコンパクトさで、ヘッドホン出力とライン出力の同時出力が可能で、パワードスピーカーにつなぐライン出力側の音量は可変と固定を選択可能で、据え置き利用では扱いが面倒になりがちな内蔵バッテリー方式ではない。筆者がデスクトップオーディオ用DAC兼ヘッドホンアンプに求めるそれらすべてを満たす製品は当時は他にあまり見かけず、それを完全クリアしてくれたZEC DACに飛びついたのだ。

そのZEN DACは一般的にも好評を博し、その後、ライン出力特化モデル「ZEN DAC Signature」、シンプルモデル「ZEN Air DAC」とシリーズ展開されていたのだが……。

この2024年4月、ZENシリーズ第3世代となる「ZEN DAC 3」が発売された。価格は39,600円だ。

黒感を強めた精悍な配色にて新登場「ZEN DAC 3」

お値段が発売当時の初代ZEN DACの実売価格から倍近くに跳ね上がっているが、物価上昇と円安の二重打撃時代なので仕方ない。初代は当時にしてもコスパ良すぎだったし、その初代の標準小売価格にしても発売時の2万2000円から2022年9月には3万3000円へと値上げされていたのだ。

それに現在の製品として見れば、本機の機能や仕様と価格のバランスは他社同クラス製品に劣るものではない。つまり、前述の条件を満たすデスクトップオーディオ好適モデルを改めて現時点の現行製品から選ぼうとするなら、ZEN DAC 3はやはりその有力候補として上がってくるわけだ。

ならば4年ぶり2度目のZEN DACチェック、やるしかない。

■ヘッドホン&ライン同時出力は健在



まずは改めて「ZEN DAC」としての基本、それを踏まえての初代から3での変化を確認していこう。

“ZEN DACシリーズ”はデスクトップサイズのDAC&ヘッドホンアンプ。PC等とUSB接続できて、そこからDACとしてのライン出力と、ヘッドホンアンプとしてのヘッドホン出力を行える。

DACとヘッドホンアンプの機能を併せ持つ形のアイテムの中でもこのZEN DACシリーズは、製品名からもわかるように、DACとしての性能や機能も重視されているタイプだ。背面にライン出力専用のRCA端子、ラインバランス出力用4.4mm端子を用意。後者は4.4mm to 4.4mmの接続のほか、変換ケーブルを用いれば一般的なXLR端子バランス入力との接続も可能になっている。

左から4.4mmラインバランス伝送出力端子、可変/固定切替スイッチ、RCAラインアンバランス出力端子

XLR接続時に使える変換ケーブル「iFi Audio 4.4 to XLR cable Standard Edition」(市場想定価格:税込19,800円)

その背面では「VARIABLE FIXED」切替スイッチも要注目。ライン出力の音量を本機のボリュームノブによる可変とするか、それともラインレベルに固定するかを切替選択できる。前者を選んだ状態での本機はプリアンプの役割も兼ね、後者では一般的なDACとしての役割となる。

加えて本機はヘッドホン出力とライン出力は常に同時出力。つまりヘッドホン端子にヘッドホンやイヤホン、ライン出力端子にパワードスピーカーが接続されている状態では、その両方に音声信号が出力される仕様だ。

この仕様を採用している製品は、このクラスのコンシューマー向け製品では少数派に思える。一般には「ヘッドホン出力かライン出力かをスイッチで選択」「ヘッドホンが接続されていればそちら優先でライン出力はオフ」という排他出力になっている製品の方が多い印象だ。

だからこそ、この仕様を好むユーザーにとってZEN DACシリーズは貴重。例えば筆者のデスクトップシステムの構成は、

ZEN DAC→ヘッドホン出力→イヤホン&ヘッドホン
↳ライン固定出力→モニターコントローラー→パワードスピーカー


というものだ。スピーカーの音量調整やオンオフは、モニターコントローラー(モニコン)のレベルノブとディマーやミュートのスイッチで行っている。スピーカー周りの操作は常にすべてモニコンで行えるようにしてあるわけだ。

本連載でも紹介したHeritage Audio Baby RAMをモニコンとして組み込み、スピーカー周りの操作を一任

この仕組みだとイヤホンやヘッドホンは常に接続しっぱなしで問題ないのも楽でよい。ヘッドホンを抜いたら自動でライン出力に切り替えられてヘッドホン用に上げてたボリュームがそのままライン出力されてスピーカーから爆音! なんて事故も起きない。筆者にとってはこれが使いやすい。

ただしこのあたりの使い勝手については本当に、人それぞれの使い方やシステムの組み方次第だ。なのでここは、ZEN DACのこの方式が最高!ということではなく、みなさんもそれぞれの使い方に合った仕様の製品を選んでくださいね! という話と受け取っていただければと思う。

次ページ初代機からどこが変わった?比較チェック

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