公開日 2019/04/13 08:00
レコード始めるなら今がチャンス! 星野源もキズナアイも、むしろイマドキアーティストはアナログだ
レコードストアデイ記念
令和元年、いまアナログレコードが熱い。
なぜ最近、レコードが盛り上がっているのか考えてみると、1万円あればお釣りが来るようなレコードプレーヤーもたくさんあるし、レコード自体もネット通販などを利用して比較的簡単に集めることができる。
なるほど、レコードを始めるための敷居がかなり低くなってきているわけだ。しかし、そもそも若い世代が聴きたい音源がレコードになっていなければどうしようもないのでは?
あえて言いたい。若者こそ、むしろレコード趣味に向いているのだ。というのも、実は今の若手アーティストは、思っている以上にレコードのリリースに積極的なのだから。
■星野源からキズナアイまで、意外とあるぞイマドキレコード
例えば4月1日にはモーニング娘。の『セカンド モーニング』『いきまっしょい!』のアナログ盤がリリースされていたりと、なにもジャズやクラシック、古典ロックのソフトばかりというわけでもない。
いま当時のジャケットを見せられても「へぇ・・・」としか思わない、若い世代も多いかもしれない。今年の新大学生は(現役入学であれば)、「LOVEマシーン」がリリースされた1999年には、まだ産まれてすらいないのだから無理もない。
では、今を時めくシンガーソングライター星野源ならどうだろう。彼は3月末に『YELLOW DANCER』『POP VIRUS』のレコードを出したばかりだったりするし、他にも大森靖子、ビッケブランカなどのシンガーソングライターもレコードを出している。
バンドミュージックで言えば、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやRADWIMPS、[ALEXANDROS]、MAN WITH THE MISSIONなどといった00年代・10年代にかけて一線で活躍するバンドから、Never young beach、Tempalay、CHAIなど新進気鋭のバンドまで、積極的にレコードを出している。ちなみに、今年衝撃の再結成を果たしたNUMBER GIRLも、2016年に『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』『SAPPUKEI』『NUM-HEAVYMETALLIC』3作のレコードをリリースしている。やはりロック界隈は今も昔もレコードがアツいようだ。
もうひとつ、意外とアツいのがアイドル界隈。AKBグループや坂道グループあたりは特にレコードを出していない、もしくは過去に1、2回程度出したこともあるくらいなのだが、ももいろクローバーZやでんぱ組.inc、ゆるめるモ! 、BiSなど、どこかサブカルチャーの匂いをまとうグループはかなり力を入れている印象。上述のモーニング娘。もアイドルだし。
そして、tofubeatsやm-floなどのエレクトロ系ミュージシャンも意外とレコードを出していたりするし、4月13日のレコードストアデイではバーチャルユーチューバー・Kizuna AI(キズナアイ)のアーティストデビュー楽曲「Hello, Morning」のレコードも発売される。バーチャル世界からレコードをリリースする、もはやそういう時代なのだ。
もちろんシュガー・ベイブやYMOのような国内の大御所ミュージシャン、海外のミュージシャンなどは多くレコードを出しているため、音楽趣味の広い方であればより楽しめる。レコードストアデイには全国のレコードショップにてさまざまなイベントが行われるほか、先述の「Hello, Morning」など、多くの限定作品が店頭に並ぶので、少しでも気になるなら、ちょっと覗いてみるのもいいだろう。
■趣味丸出しで選ぶ編集部おすすめレコード
せっかくなので、ファイル・ウェブ編集部員が趣味全開で選ぶおすすめタイトルもいくつか挙げていきたい。
<1>編集部S:Alcest「Souvenirs D'un Autre Monde」
フランスのシューゲイザーブラックメタルバンド・Alcestが2007年にリリースした1stアルバム。シューゲイザー×ブラックメタルというスタイルを確立し、一部の狭い界隈で “名盤” と崇められる一枚。ジャケがとても綺麗なので部屋に置いておくだけでも気持ちがいい。
<2>編集部K:さよならポニーテール「ハミングの色」
素性を隠し、ソーシャルネット上で活動するグループ・さよならポニーテールの、5/15にリリースを控えるニューシングル。A面に表題曲の「ハミングの色」を、B面に「宇宙の片隅」を収録。本作の収録曲は今後リリース予定のアルバムに収録されないらしいので、まさに必携のアイテムだろう。
<3>編集部Y:Aimer「Brave Shine / broKen NIGHT」
シリーズ屈指の人気作『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』2ndシーズンのOP「Brave Shine」と、これまた人気のゲーム『Fate/hollow ataraxia』(PS Vita版)テーマ曲「broKen NIGHT」および「holLow wORlD」をセットにしたお得な盤。ジャケは武内 崇の手によるアーチャーがデザインされており、額縁に入れておきたい。
<4>編集部O:フィッシュマンズ「BLUE SUMMER 〜Selected Tracks 1991-1995〜」
1999年にボーカルの佐藤伸治が急逝してから20年を経て、その評価が高まり続けているフィッシュマンズ。ドラマーである茂木欣一が、“レコードで聴いてほしい曲”をテーマに初期音源から選んだベスト盤が本作。「いかれたBaby」をはじめ名曲多数。2016年に再発された『空中キャンプ』など世田谷3部作も、ぜひレコードで。
最後に、かなり多くのアーティストがレコードをリリースしているので、その中の一部を下記にまとめてみた。なお、レコードは生産数の少ないものも多いため、中には手に入りづらくなっているものもあるかもしれないが、それを探すのもレコードの楽しみ方だろう。
スマホひとつあれば大抵の音楽はいつでもどこでも聴けるようになった今だからこそ、家にいるときは “あえて” レコードで音楽を聴く、というのも良いのではないだろうか。
レコードをリリースする/しているアーティスト一覧
・9mm Parabellum Bullet
・ASIAN KUNG-FU GENERATION
・BABYMETAL
・BiS
・CHAI
・DYGL
・GLIM SPANKY
・H zettrio
・Homecomings
・KID FRESINO
・LiSA
・m-flo
・MAN WITH THE MISSION
・NEGICCO
・Never young beach
・Nothing carved in stone
・Nulbarich
・NUMBER GIRL
・P-model(平沢進)
・RADWIMPS
・SOIL & "PIMP" SESSIONS
・Suchmos
・Superorganism
・Tempalay
・TENDRE
・The birthday
・tofubeats
・TWEEDEES
・[ALEXANDROS]
・エゴラッピン
・キノコホテル
・クラムボン
・クリープハイプ
・サカナクション
・スカート
・でんぱ組
・ビッケブランカ
・フジファブリック
・ゆるめるモ!
・銀杏BOYZ
・女王蜂
・秦基博
・星野源
・大森靖子
・中島愛
・東京スカパラダイスオーケストラ
・踊ってばかりの国
なぜ最近、レコードが盛り上がっているのか考えてみると、1万円あればお釣りが来るようなレコードプレーヤーもたくさんあるし、レコード自体もネット通販などを利用して比較的簡単に集めることができる。
なるほど、レコードを始めるための敷居がかなり低くなってきているわけだ。しかし、そもそも若い世代が聴きたい音源がレコードになっていなければどうしようもないのでは?
あえて言いたい。若者こそ、むしろレコード趣味に向いているのだ。というのも、実は今の若手アーティストは、思っている以上にレコードのリリースに積極的なのだから。
■星野源からキズナアイまで、意外とあるぞイマドキレコード
例えば4月1日にはモーニング娘。の『セカンド モーニング』『いきまっしょい!』のアナログ盤がリリースされていたりと、なにもジャズやクラシック、古典ロックのソフトばかりというわけでもない。
いま当時のジャケットを見せられても「へぇ・・・」としか思わない、若い世代も多いかもしれない。今年の新大学生は(現役入学であれば)、「LOVEマシーン」がリリースされた1999年には、まだ産まれてすらいないのだから無理もない。
では、今を時めくシンガーソングライター星野源ならどうだろう。彼は3月末に『YELLOW DANCER』『POP VIRUS』のレコードを出したばかりだったりするし、他にも大森靖子、ビッケブランカなどのシンガーソングライターもレコードを出している。
バンドミュージックで言えば、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやRADWIMPS、[ALEXANDROS]、MAN WITH THE MISSIONなどといった00年代・10年代にかけて一線で活躍するバンドから、Never young beach、Tempalay、CHAIなど新進気鋭のバンドまで、積極的にレコードを出している。ちなみに、今年衝撃の再結成を果たしたNUMBER GIRLも、2016年に『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』『SAPPUKEI』『NUM-HEAVYMETALLIC』3作のレコードをリリースしている。やはりロック界隈は今も昔もレコードがアツいようだ。
もうひとつ、意外とアツいのがアイドル界隈。AKBグループや坂道グループあたりは特にレコードを出していない、もしくは過去に1、2回程度出したこともあるくらいなのだが、ももいろクローバーZやでんぱ組.inc、ゆるめるモ! 、BiSなど、どこかサブカルチャーの匂いをまとうグループはかなり力を入れている印象。上述のモーニング娘。もアイドルだし。
そして、tofubeatsやm-floなどのエレクトロ系ミュージシャンも意外とレコードを出していたりするし、4月13日のレコードストアデイではバーチャルユーチューバー・Kizuna AI(キズナアイ)のアーティストデビュー楽曲「Hello, Morning」のレコードも発売される。バーチャル世界からレコードをリリースする、もはやそういう時代なのだ。
もちろんシュガー・ベイブやYMOのような国内の大御所ミュージシャン、海外のミュージシャンなどは多くレコードを出しているため、音楽趣味の広い方であればより楽しめる。レコードストアデイには全国のレコードショップにてさまざまなイベントが行われるほか、先述の「Hello, Morning」など、多くの限定作品が店頭に並ぶので、少しでも気になるなら、ちょっと覗いてみるのもいいだろう。
■趣味丸出しで選ぶ編集部おすすめレコード
せっかくなので、ファイル・ウェブ編集部員が趣味全開で選ぶおすすめタイトルもいくつか挙げていきたい。
<1>編集部S:Alcest「Souvenirs D'un Autre Monde」
フランスのシューゲイザーブラックメタルバンド・Alcestが2007年にリリースした1stアルバム。シューゲイザー×ブラックメタルというスタイルを確立し、一部の狭い界隈で “名盤” と崇められる一枚。ジャケがとても綺麗なので部屋に置いておくだけでも気持ちがいい。
<2>編集部K:さよならポニーテール「ハミングの色」
素性を隠し、ソーシャルネット上で活動するグループ・さよならポニーテールの、5/15にリリースを控えるニューシングル。A面に表題曲の「ハミングの色」を、B面に「宇宙の片隅」を収録。本作の収録曲は今後リリース予定のアルバムに収録されないらしいので、まさに必携のアイテムだろう。
<3>編集部Y:Aimer「Brave Shine / broKen NIGHT」
シリーズ屈指の人気作『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』2ndシーズンのOP「Brave Shine」と、これまた人気のゲーム『Fate/hollow ataraxia』(PS Vita版)テーマ曲「broKen NIGHT」および「holLow wORlD」をセットにしたお得な盤。ジャケは武内 崇の手によるアーチャーがデザインされており、額縁に入れておきたい。
<4>編集部O:フィッシュマンズ「BLUE SUMMER 〜Selected Tracks 1991-1995〜」
1999年にボーカルの佐藤伸治が急逝してから20年を経て、その評価が高まり続けているフィッシュマンズ。ドラマーである茂木欣一が、“レコードで聴いてほしい曲”をテーマに初期音源から選んだベスト盤が本作。「いかれたBaby」をはじめ名曲多数。2016年に再発された『空中キャンプ』など世田谷3部作も、ぜひレコードで。
最後に、かなり多くのアーティストがレコードをリリースしているので、その中の一部を下記にまとめてみた。なお、レコードは生産数の少ないものも多いため、中には手に入りづらくなっているものもあるかもしれないが、それを探すのもレコードの楽しみ方だろう。
スマホひとつあれば大抵の音楽はいつでもどこでも聴けるようになった今だからこそ、家にいるときは “あえて” レコードで音楽を聴く、というのも良いのではないだろうか。
レコードをリリースする/しているアーティスト一覧
・9mm Parabellum Bullet
・ASIAN KUNG-FU GENERATION
・BABYMETAL
・BiS
・CHAI
・DYGL
・GLIM SPANKY
・H zettrio
・Homecomings
・KID FRESINO
・LiSA
・m-flo
・MAN WITH THE MISSION
・NEGICCO
・Never young beach
・Nothing carved in stone
・Nulbarich
・NUMBER GIRL
・P-model(平沢進)
・RADWIMPS
・SOIL & "PIMP" SESSIONS
・Suchmos
・Superorganism
・Tempalay
・TENDRE
・The birthday
・tofubeats
・TWEEDEES
・[ALEXANDROS]
・エゴラッピン
・キノコホテル
・クラムボン
・クリープハイプ
・サカナクション
・スカート
・でんぱ組
・ビッケブランカ
・フジファブリック
・ゆるめるモ!
・銀杏BOYZ
・女王蜂
・秦基博
・星野源
・大森靖子
・中島愛
・東京スカパラダイスオーケストラ
・踊ってばかりの国