[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第56回】USB-DAC/ヘッドホンアンプの基礎知識ナビ<基本スペック編>
<基本スペック/その他>
最後に地味な部分ふたつに注目だ。
電源周りではまず、独立した電源が必要な対応なのか、それともUSBからの電源供給で動作するバスパワータイプなのかがポイント。
前者の独立タイプは電源供給に余裕があり、アンプの安定して強力な駆動には大いに有利だ。一方で後者のUSBバスパワー駆動はUSBからの限られた電源供給での駆動を余儀なくされ、音質面だけを見れば不利ではある。しかし電源ケーブル不要という点はデスクトップ環境の配線のシンプル化に大いに貢献する。
次に入出力端子。
ヘッドホンやイヤホンを接続する出力端子は、6.35mm標準ステレオ端子または3.5mmミニステレオ端子となる。相互に変換できるアダプターが販売されているので、どちらが搭載されていてもどうにかなる。しかし変換アダプターが介在することは音質面で好ましくない気もするし、物理的にも邪魔だ。手持ちのヘッドホンやイヤホンの中で使用率の高いもののプラグと合うサイズの出力端子を持ったアンプを選んでおいた方が、気分的にはよいだろう。
入力端子は、ポータブルアンプの場合はまず、3.5mmミニステレオ端子が用意されているはずだ。これはポータブルプレーヤーやスマートフォンのヘッドホン出力との接続に適している。据え置き型のヘッドホンアンプだと左右別のRCAプラグによるライン入力も用意されているだろう。手持ちのオーディオ機器との接続にはこれが活躍する。
そしてUSB入力なのだが、これはB端子、miniB端子、microB端子のどれが搭載されているかは製品ごとに異なる。据え置き型の製品はB端子、ポータブル製品はminiBかmicroBが多い。
どの端子が搭載されていてもそれに合わせたケーブルを間違いなく選べば問題ないのだが、マニアックな方向に進むとちょっと問題がある。いわゆる「オーディオ用高音質USBケーブル」はその大半がB端子向け。miniBやmicroBのケーブルはほとんどない。後々そういうところにもこだわりたい方は、B端子搭載の製品を選んでおくとよいだろう。
以上、今回は「スペックとキーワードで読み解くイマドキのヘッドホンアンプ・前編」として、「基本スペック」をテーマに解説してきたがいかがだっただろうか。次回は後編として、回路/パーツ編をお届けする。引き続き乞うご期待だ。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域 バックナンバーはこちら