公開日 2022/07/31 09:19
トランスローター/リンやDS AUDIOも注目展示
サウンドピット40周年記念“創業祭”レポート。弩級アンプ10機種聴き比べなど注目モデル多数登場
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
名古屋のハイエンドオーディオショップ、サウンドピットが毎年7月に開催するオーディオイベント“創業祭”が、7月30日(土)と31日(日)の2日間、吹上ホールで開催されている。新型コロナウイルスの影響で2年連続中止となっていたが、今回、3年ぶりの大型開催となった。
サウンドピットの坂口社長は、「今回でサウンドピットの創業祭も40年を迎えます。今回初参加の会社様も含め、過去最大規模の32社様に参加いただくことができました。土方久明さんに講演をいただくのも初めての試みです。やはりオーディオは実際に音を聴いていただくことが一番大切ですので、ぜひ多くの皆様に楽しんでいただきたいです」と意気込みを語る。
会場の一番奥にメイン試聴スペースが設置され、各社のトップモデルを中心に展開。土方氏によるデモンストレーションは土曜日に2回、日曜日には1回開催される。メイン試聴スペースの周囲と手前には各メーカーによるミニブースが設けられ、そちらでも音を楽しめるようになっている。
エアータイトは、トランスローターのトーンアーム「TRA9」を初披露。アノダイズ黒色マット加工となっており、今回特別に、海外限定モデルのMCカートリッジ「Opus One」と組み合わせた。またミュンヘンで発表されたプリアンプ「ATC-7」も国内初披露した。開発に3年をかけコンセプトを練り上げたモデルとなっており、トーンコントロールとプレゼンススイッチも搭載、これには「好みに合わせて音のニュアンスを変え、色々遊んでほしい」という思いが込められているという。
リンからは、先日発表されたばかりの新トーンアーム「ARKO」とMCカートリッジ「KENDO」を組み合わせたパッケージ「SELEKT LP12」が初登場。デジタルプレーヤーのフラグシップである「KLIMAX DSM/3」と合わせ、アナログ/デジタル両面から、リンならではの取り組みを紹介する。
オーディオ・ノートは今回の創業祭に初出展。キャパシターや真空管のソケット、RCAのピンなど、自社オリジナルのこだわりパーツを紹介。銀メッキの上にパラジウムメッキを重ねていることが特徴で、メッキ業者も厳密に選定を行い、音質を徹底的に追求して組み上げたという。
DS AUDIOからは9月発売予定の「DS-W3」の光カートリッジとフォノイコライザーが登場。OTOTENでも参考出品されていたモデルだが、改めて音も披露された。セットで130万円程度を想定している。第3世代の振動板を採用しており、「光カートリッジの音を最初に知っていただくきっかけとして欲しい」としている。アクリルを採用したデザインも美しい、VERTEREのアナログプレーヤー「SG-1 PKG」と組み合わせて紹介した。
HORA AUDIOは滋賀県に拠点を置くスピーカーブランドで、独自の木工クラフト技術を生かした手作りのスピーカー製作を行っている。「Coco」は、オールホーンという珍しいスピーカー。「Cube」というモノラルでも使用できる小型スピーカーや、滋賀県産の木材を活用した「NORM」などを展示していた。
試聴イベントでは30日(土)午前中、土方氏による「ソース機器聴き比べ」と題し、CDプレーヤー3モデルとネットワークプレーヤー1モデル、それにアナログプレーヤー7機種の聴き比べが行われた。
前半はB&Wの「801 D4」とプリアンプにアキュフェーズの「C-3900」、パワーアンプにエアータイトの「ATM-2211J」というリファレンスセット。プレーヤーはエソテリックの「K-01X」(強化電源+クロックも追加)、ラックスマンの「D-07X」、プレイバック・デザインズの「MPD-8」「MPT-8」、それにリンの「KLIMAX DSM/3」と人気の高い4機種の聴き比べを実施。土方氏もリファレンスにしているというエリック・ミヤシロのSACD「TIMES SQUARE」や、今井美樹の「卒業写真」のカバーなど音質面でも定評ある音源を次々に再生、ブランドごとによる音の違いを確認した。
後半はJBL「4347」とマッキントッシュのアンプによる、パワー感と躍動感のあるシステムに変更しアナログ再生を追求。Reed「Muse 3C」、トランスローター「ZET-3」、ラックスマン「PD-151 MKII」、ドクトル・ファイキャルト・アナログ+クラウディオのトーンアーム、リン「SELEKT LP12」、オーディオノート「GINGA」、SME「Diamond Series SYNERGY」という贅沢な聴き比べを行った。
「Muse 3C」では、アイドラー再生とベルトドライブ再生という貴重な聴き比べを実施。アイドラーでは中域の密度感の高さが、ベルトでは透明度の高い高域が非常に印象的。切り替えは数分程度で完了するが、アイレックス担当者によると「購入される方の9割はアイドラーを選んでいます」とのこと。
午後の部はアンプの聴き比べが行われた。アキュフェーズ、クレル、エアータイト、マッキントッシュ、オクターヴ、オーディオ・ノート、ゴールドムンド、トライオード、プレイバック・デザインズ、オーロラサウンドと、真空管と半導体を交えた多国籍なブランドが競演するというゴージャスな試聴イベントとなった。
ゴールドムンドの、800万円オーバーとなる「TELOS 440」「MIMESIS 37S Nextgen」の組み合わせには、参加者からため息が漏れるほど。またプレイバック・デザインズの超巨大パワーアンプ「SPA-8」の強力なグリップによる表現力に圧倒される一方で、クレル「K-300i」といった一体型プリメインアンプも、繊細で洗練された音を描き出す。
いずれも2時間半にも及ぶ濃厚な聴き比べイベントとなったが、来場者もほとんど席を立たず、土方氏の解説、またオーディオの音に聴き入っていた。
イベントの最後に土方氏は、「アンプとスピーカーの組み合わせを選ぶことができること、コンポーネントの楽しみがオーディオにとって一番大切なこと。皆様も今回のシステムで、“これは!”と感じる組み合わせがあったと思います。ぜひそんなモデルに出会ったら、実際にお店を訪問し、お気に入りのシステムを見つけてください」と、オーディオならではの楽しみをさらに深めてほしいと訴えた。
そのほか、注目のブースを写真でレポートする。
サウンドピットの坂口社長は、「今回でサウンドピットの創業祭も40年を迎えます。今回初参加の会社様も含め、過去最大規模の32社様に参加いただくことができました。土方久明さんに講演をいただくのも初めての試みです。やはりオーディオは実際に音を聴いていただくことが一番大切ですので、ぜひ多くの皆様に楽しんでいただきたいです」と意気込みを語る。
会場の一番奥にメイン試聴スペースが設置され、各社のトップモデルを中心に展開。土方氏によるデモンストレーションは土曜日に2回、日曜日には1回開催される。メイン試聴スペースの周囲と手前には各メーカーによるミニブースが設けられ、そちらでも音を楽しめるようになっている。
エアータイトは、トランスローターのトーンアーム「TRA9」を初披露。アノダイズ黒色マット加工となっており、今回特別に、海外限定モデルのMCカートリッジ「Opus One」と組み合わせた。またミュンヘンで発表されたプリアンプ「ATC-7」も国内初披露した。開発に3年をかけコンセプトを練り上げたモデルとなっており、トーンコントロールとプレゼンススイッチも搭載、これには「好みに合わせて音のニュアンスを変え、色々遊んでほしい」という思いが込められているという。
リンからは、先日発表されたばかりの新トーンアーム「ARKO」とMCカートリッジ「KENDO」を組み合わせたパッケージ「SELEKT LP12」が初登場。デジタルプレーヤーのフラグシップである「KLIMAX DSM/3」と合わせ、アナログ/デジタル両面から、リンならではの取り組みを紹介する。
オーディオ・ノートは今回の創業祭に初出展。キャパシターや真空管のソケット、RCAのピンなど、自社オリジナルのこだわりパーツを紹介。銀メッキの上にパラジウムメッキを重ねていることが特徴で、メッキ業者も厳密に選定を行い、音質を徹底的に追求して組み上げたという。
DS AUDIOからは9月発売予定の「DS-W3」の光カートリッジとフォノイコライザーが登場。OTOTENでも参考出品されていたモデルだが、改めて音も披露された。セットで130万円程度を想定している。第3世代の振動板を採用しており、「光カートリッジの音を最初に知っていただくきっかけとして欲しい」としている。アクリルを採用したデザインも美しい、VERTEREのアナログプレーヤー「SG-1 PKG」と組み合わせて紹介した。
HORA AUDIOは滋賀県に拠点を置くスピーカーブランドで、独自の木工クラフト技術を生かした手作りのスピーカー製作を行っている。「Coco」は、オールホーンという珍しいスピーカー。「Cube」というモノラルでも使用できる小型スピーカーや、滋賀県産の木材を活用した「NORM」などを展示していた。
試聴イベントでは30日(土)午前中、土方氏による「ソース機器聴き比べ」と題し、CDプレーヤー3モデルとネットワークプレーヤー1モデル、それにアナログプレーヤー7機種の聴き比べが行われた。
前半はB&Wの「801 D4」とプリアンプにアキュフェーズの「C-3900」、パワーアンプにエアータイトの「ATM-2211J」というリファレンスセット。プレーヤーはエソテリックの「K-01X」(強化電源+クロックも追加)、ラックスマンの「D-07X」、プレイバック・デザインズの「MPD-8」「MPT-8」、それにリンの「KLIMAX DSM/3」と人気の高い4機種の聴き比べを実施。土方氏もリファレンスにしているというエリック・ミヤシロのSACD「TIMES SQUARE」や、今井美樹の「卒業写真」のカバーなど音質面でも定評ある音源を次々に再生、ブランドごとによる音の違いを確認した。
後半はJBL「4347」とマッキントッシュのアンプによる、パワー感と躍動感のあるシステムに変更しアナログ再生を追求。Reed「Muse 3C」、トランスローター「ZET-3」、ラックスマン「PD-151 MKII」、ドクトル・ファイキャルト・アナログ+クラウディオのトーンアーム、リン「SELEKT LP12」、オーディオノート「GINGA」、SME「Diamond Series SYNERGY」という贅沢な聴き比べを行った。
「Muse 3C」では、アイドラー再生とベルトドライブ再生という貴重な聴き比べを実施。アイドラーでは中域の密度感の高さが、ベルトでは透明度の高い高域が非常に印象的。切り替えは数分程度で完了するが、アイレックス担当者によると「購入される方の9割はアイドラーを選んでいます」とのこと。
午後の部はアンプの聴き比べが行われた。アキュフェーズ、クレル、エアータイト、マッキントッシュ、オクターヴ、オーディオ・ノート、ゴールドムンド、トライオード、プレイバック・デザインズ、オーロラサウンドと、真空管と半導体を交えた多国籍なブランドが競演するというゴージャスな試聴イベントとなった。
ゴールドムンドの、800万円オーバーとなる「TELOS 440」「MIMESIS 37S Nextgen」の組み合わせには、参加者からため息が漏れるほど。またプレイバック・デザインズの超巨大パワーアンプ「SPA-8」の強力なグリップによる表現力に圧倒される一方で、クレル「K-300i」といった一体型プリメインアンプも、繊細で洗練された音を描き出す。
いずれも2時間半にも及ぶ濃厚な聴き比べイベントとなったが、来場者もほとんど席を立たず、土方氏の解説、またオーディオの音に聴き入っていた。
イベントの最後に土方氏は、「アンプとスピーカーの組み合わせを選ぶことができること、コンポーネントの楽しみがオーディオにとって一番大切なこと。皆様も今回のシステムで、“これは!”と感じる組み合わせがあったと思います。ぜひそんなモデルに出会ったら、実際にお店を訪問し、お気に入りのシステムを見つけてください」と、オーディオならではの楽しみをさらに深めてほしいと訴えた。
そのほか、注目のブースを写真でレポートする。