公開日 2024/07/17 11:34
東京インターナショナルオーディオショウの角田氏の講演でも再生
イザベル・ファウストのSACDシングルレイヤー2作品が登場!「弱音部の再現性や空気感がさらに高まる」
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
角田郁男氏監修によるイザベル・ファウストのSACDシングルレイヤー盤が2作品、7月22日(月)より発売となる。キング関口台スタジオで実施されたそのDSDマスタリングの現場を取材した。
イザベル・ファウストは世界的に活躍するヴァイオリニストで、フランスのharmonia mundiレーベルから定期的にアルバムをリリースしている。harmonia mundiは録音クオリティの高さにも定評があるが、その素晴らしい演奏を日本のユーザーにDSDでも楽しんで欲しい、という思いから、角田氏の発案で日本独自企画のSACDシングルレイヤー盤を発売している。
今回登場するのは、ヴァイオリンソロ作品『SOLO』と、シューマンのピアノコンチェルトの2作品。DSDのマスタリングは、過去の作品同様キング関口台スタジオのマスタリングルームにて、エンジニアの辻 裕行氏の手によって行われた。
今回のマスタリングの肝となるのは、ドイツのスタジオ向け機器としても知られるMUTECブランドの10MHzクロックジェネレーター「REF10 SE120」を使用していること。本機は過去のマスタリングにも使用されたことがあるが、何と言ってもプロ機の現場で培われた強靭さがある。角田氏も、「ADとDAの双方に位相ノイズ特性の優れたクロックを供給することで、ダイナミックレンジがより広がり、弱音部の再現性、繊細さや空気感がこれまで以上に高まるのです」と今回選定した理由を熱く語る。
今回SACDシングルレイヤー化される作品は、いずれも2023年に発売された比較的新しい録音。コンチェルトは192kHz/24bit、ソロ作品は96kHz/24bitのマスターデータをharmonia mundiレーベルから借り出し、DSD化を行っている。
MUTECからアンテロープのワードクロックに10MHzクロックを供給、そこからdCSのDAコンバーターとマージングのADコンバーターにクロックが供給される。クロックケーブルもMUTECのPrimeケーブルと万全の体制で挑んでいる。
シューマンの室内楽作品集は、ピアノ四重奏曲とピアノ五重奏曲の2作品が収録されているが、角田氏も「実はこの作品、シューマンの作品としては地味であまり注目していなかった楽曲なのですが、ファウストとメルニコフの演奏が素晴らしくて、こんな魅力的な楽曲だったのかと新しい発見がありました」と内容にも惜しみない賛辞を送る。
メンバーの息のあったパフォーマンスは圧巻で、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、ピアノの掛け合いも生々しくまさに丁々発止の展開を聴かせてくれる。弱音でも全く痩せずに深い再現力を魅せる一方、ハーモニー豊かで音圧の高いパートも余裕で鳴らし切る力強さもまた頼もしい。楽器それぞれの質感を精緻に描きながらもそれらが溶け合うさま、ハーモニーの美しさには思わず息を呑む。
ファウストのソロ作品では、なんといってもヴァイオリンのリッチな倍音表現に耳を奪われる。ビーバーの「パッサカリア ト短調『守護天使』」では、滑らかで柔らかな弦のふくよかさも見事で、わずかな弦の揺らぎにも聴き惚れてしまう。「音が出たそのあと、楽器の音が減衰していくその微妙な表現の美しさもぜひ感じてほしいです」と角田氏。
エンジニアの辻氏も、「MUTECのクロックのおかげで、ステージの奥行き感がさらに表現されているように感じます」と絶賛する。
本作は、7月26日(金)より有楽町・国際フォーラムにて開催される「東京インターナショナルオーディオショウ」の角田氏の講演デモンストレーションでも披露される。ぜひSACDシングルレイヤーでしか表現できない広いダイナミックレンジ、そして深い音質の奥行きを体験して欲しい。
イザベル・ファウストは世界的に活躍するヴァイオリニストで、フランスのharmonia mundiレーベルから定期的にアルバムをリリースしている。harmonia mundiは録音クオリティの高さにも定評があるが、その素晴らしい演奏を日本のユーザーにDSDでも楽しんで欲しい、という思いから、角田氏の発案で日本独自企画のSACDシングルレイヤー盤を発売している。
今回登場するのは、ヴァイオリンソロ作品『SOLO』と、シューマンのピアノコンチェルトの2作品。DSDのマスタリングは、過去の作品同様キング関口台スタジオのマスタリングルームにて、エンジニアの辻 裕行氏の手によって行われた。
今回のマスタリングの肝となるのは、ドイツのスタジオ向け機器としても知られるMUTECブランドの10MHzクロックジェネレーター「REF10 SE120」を使用していること。本機は過去のマスタリングにも使用されたことがあるが、何と言ってもプロ機の現場で培われた強靭さがある。角田氏も、「ADとDAの双方に位相ノイズ特性の優れたクロックを供給することで、ダイナミックレンジがより広がり、弱音部の再現性、繊細さや空気感がこれまで以上に高まるのです」と今回選定した理由を熱く語る。
今回SACDシングルレイヤー化される作品は、いずれも2023年に発売された比較的新しい録音。コンチェルトは192kHz/24bit、ソロ作品は96kHz/24bitのマスターデータをharmonia mundiレーベルから借り出し、DSD化を行っている。
MUTECからアンテロープのワードクロックに10MHzクロックを供給、そこからdCSのDAコンバーターとマージングのADコンバーターにクロックが供給される。クロックケーブルもMUTECのPrimeケーブルと万全の体制で挑んでいる。
シューマンの室内楽作品集は、ピアノ四重奏曲とピアノ五重奏曲の2作品が収録されているが、角田氏も「実はこの作品、シューマンの作品としては地味であまり注目していなかった楽曲なのですが、ファウストとメルニコフの演奏が素晴らしくて、こんな魅力的な楽曲だったのかと新しい発見がありました」と内容にも惜しみない賛辞を送る。
メンバーの息のあったパフォーマンスは圧巻で、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、ピアノの掛け合いも生々しくまさに丁々発止の展開を聴かせてくれる。弱音でも全く痩せずに深い再現力を魅せる一方、ハーモニー豊かで音圧の高いパートも余裕で鳴らし切る力強さもまた頼もしい。楽器それぞれの質感を精緻に描きながらもそれらが溶け合うさま、ハーモニーの美しさには思わず息を呑む。
ファウストのソロ作品では、なんといってもヴァイオリンのリッチな倍音表現に耳を奪われる。ビーバーの「パッサカリア ト短調『守護天使』」では、滑らかで柔らかな弦のふくよかさも見事で、わずかな弦の揺らぎにも聴き惚れてしまう。「音が出たそのあと、楽器の音が減衰していくその微妙な表現の美しさもぜひ感じてほしいです」と角田氏。
エンジニアの辻氏も、「MUTECのクロックのおかげで、ステージの奥行き感がさらに表現されているように感じます」と絶賛する。
本作は、7月26日(金)より有楽町・国際フォーラムにて開催される「東京インターナショナルオーディオショウ」の角田氏の講演デモンストレーションでも披露される。ぜひSACDシングルレイヤーでしか表現できない広いダイナミックレンジ、そして深い音質の奥行きを体験して欲しい。