トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > Gadgetニュース

公開日 2024/03/27 09:56
変わる必要がなかったのかも

30年以上変わらないWindowsのフォーマットツール。その理由とは

Munenori Taniguchi
Windowsの最新バージョンは2021年にリリースされたWindows 11だが、実際にはWindowsの11番目のバージョンではない。Windowsのバージョンは初代からこれまでのあいだに約20もあり、多くの変更が加えられてきた。

しかし、そのごく初期からまったく変わっていないものもある。マイクロソフトでかつて開発に携わったデイブ・プラマー氏は、そのひとつについてX(Twitter)への投稿で語った。

プラマー氏は、90年代はじめから約10年にわたってマイクロソフトに在籍し、タスクマネージャーやZip形式の圧縮ファイルへの対応、さらにはピンボールゲームまで、Windowsを長く使ってきた人ならすぐに思い出せる機能の数々の開発に明け暮れたという。

そのなかのひとつがディスクフォーマッターだ。90年代当時はまだまだフロッピーディスクが当たり前に使われ、ハードディスクが一般に普及し始めた時期だ。いずれも新品状態から使えるようにするには、最初にフォーマットをするのがあたりまえだった。

プラマーによれば、Windows 11のフォーマットツールは、いまも彼が90年代に設計したものがベースのままだという。

プラマー氏がマイクロソフト在籍中もっとも忙しかった時期は1994年ごろで、当時同社はすべてのWindows 95システムをWindows NTシステムに移行しようとしていた。そしてWindodws 95のフォーマットツールをWindows NTに移植するという小さな仕事は、その後30年がすぎた現在も結果的にその形を残すことになったという。

このフォーマットツールをデザインするにあたり、ファイルシステム、ラベル、クラスタサイズ、圧縮など、処理に必要な機能をメモに書き出し、Visual C++ 2.0でこれらのオプションをシンプルに並べたGUIを作った。これがそのまま、われわれのよく知るフォーマットツールになった。

また、プラマー氏は、FATボリュームの制限容量を決める必要があったと述べている。彼は「どの程度の『クラスター スラック』が多すぎるかを決定する必要があり」その結果FATの最大容量を32GBに設定することにした。この制限はWindowsのフォーマットツールに長く引き継がれることになった。

プラマー氏は、誰かがフォーマットツールをきちんと作り直すまでの、一時的なつなぎになると思っていた。しかし、当時のマイクロソフトは2001年のWindows XPリリースよりも前からWindows Vistaの開発を始め、それを完成させるのに2006年まで歳月を要した。そしてフォーマットツールなど一部のユーティリティは必要最小限の修正のみで使われ続けることになった。

最新バージョンのWindowsで見ることができる、古来のWindows UIは他にもいくつかあるが、それらは「機能しているのなら大きく変える必要はない」という考え方を示すものと言えるかもしれない。

Source: Dave W Plumme(X)
via: The Verge, ExtremeTech

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 月額3万円の最強ChatGPTに「電源で音質が変わるか」と聞いたら意外な展開に
2 その男を怒らせてはいけない! “絶対に死なない”伝説の老兵がツルハシ1本で敵を討つ
3 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
4 QobuzもAmazonもこれ一台!コスパ抜群、機能も満点。ストリーマーの決定版「WiiM Ultra」を徹底ハンドリング
5 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
6 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
7 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
8 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
9 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
10 トップウイング、ネットワークオーディオの光絶縁を手軽に試せる「OPT ISO BOX」
12/23 10:35 更新

WEB