公開日 2018/04/16 12:25
海上忍のラズパイ・オーディオ通信(43)
「小型ラズパイでBluetoothオーディオ」を手軽に実現する方法
海上 忍
■話題の「OSECHI」がヘッドフォン祭に登場!
ワンボードオーディオコンソーシアムの技術説明会(関連ニュース)で発表した「AUDIO OSECHI BOX」は、あのラックスマンが開発した初のRaspberry Pi搭載機ということもあり、1ヶ月を経過した現在も予想を遙かに超える反響をいただいている。
その後、Raspberry PiをTinkerBoard Sに換装したバージョンを展示したこと(関連ニュース)はご存知だろうか?こちらは会場の都合上、CASE 01/DAC 01との組み合わせによるポータブルシステムの試聴デモのみとなってしまったが、TinkerBoard Sでもラズパイと互角か、それ以上の鮮烈な音を出すということで、多くの来場者から質問を頂戴した。
その「AUDIO OSECHI BOX」と「TinkerBoard S + CASE 01 + DAC 01」だが、4月28日(土)・29日(日)の2日間にわたり、東京は中野サンプラザで開催される「春のヘッドフォン祭2018」で試聴デモを行う予定だ。AUDIO OSECHI BOXはラックスマンブース、TinkerBoard S + CASE 01 + DAC 01はバリュートレード/AVIOTブースとなるので、ぜひお立ち寄りいただきたい。
なお、ワンボードオーディオコンソーシアムのWEBサイトでは、AUDIO OSECHI BOXおよび独自ディストリビューション「1bc」の情報を追加する予定である。ということは……ヘッドフォン祭では3月の技術説明会とTinkerBoardイベントでは全く触れられていないフィーチャーが公開される…!? Twitterアカウント(@1baudio)とあわせ、ぜひフォローのほどお願いしたい。
■Bluetoothオーディオの現状とLinux
さて、ワイヤレスでオーディオを愉しむトレンドは、日を追うごとに確実に、一般消費者にとって身近なものとなっている。数年前その傾向が顕著に現れた時には、Wi-Fi経由でロスレス再生を実現する「AirPlay」や他の独自形式との競争も存在したが、2018年現在はBluetoothの一人勝ちと言っていい状況だ。
しかし、Bluetooth(A2DPプロファイル)をオーディオに利用するための基礎条件は、ここ数年特に変わっていない。オーディオCDのビットレートが約1.4Mbpsあるのに対し、Bluetooth 2.0で非同期通信するときのデータレートは最大723kbps。後に登場した高速通信用拡張規格「EDR(Enhanced Data Rate)」を利用すると、最大3Mbpsの転送レートに対応できるが、それでも実際の環境を考慮すると1Mbpsがせいぜい限界とされる。LDACの最大ビットレートが990kbpsとされている理由の一つはここにある。
帯域を考えると再生条件的に厳しいことは事実だが、それでもBluetooth/A2DPはフォローする価値がある。左右分離型の完全ワイヤレスイヤホン関連技術然り、Huaweiの新スマートフォン「P20」に採用されたという最大990kbpsのHi-Fiコーデック「HWA」然り、まだまだ技術的進展を見ることができそうだ。
我らがRaspberry Piも、このトレンドと無関係ではない。Raspberry Pi 3はBluetooth対応の無線チップを標準装備しているし、小さくて安い「Raspberry Pi Zero W」もBluetooth対応だ。Moode Audioなど一部のディストリビューションも、すでにBluetooth関連機能の実装をスタートさせている。
ワンボードオーディオコンソーシアムの技術説明会(関連ニュース)で発表した「AUDIO OSECHI BOX」は、あのラックスマンが開発した初のRaspberry Pi搭載機ということもあり、1ヶ月を経過した現在も予想を遙かに超える反響をいただいている。
その後、Raspberry PiをTinkerBoard Sに換装したバージョンを展示したこと(関連ニュース)はご存知だろうか?こちらは会場の都合上、CASE 01/DAC 01との組み合わせによるポータブルシステムの試聴デモのみとなってしまったが、TinkerBoard Sでもラズパイと互角か、それ以上の鮮烈な音を出すということで、多くの来場者から質問を頂戴した。
その「AUDIO OSECHI BOX」と「TinkerBoard S + CASE 01 + DAC 01」だが、4月28日(土)・29日(日)の2日間にわたり、東京は中野サンプラザで開催される「春のヘッドフォン祭2018」で試聴デモを行う予定だ。AUDIO OSECHI BOXはラックスマンブース、TinkerBoard S + CASE 01 + DAC 01はバリュートレード/AVIOTブースとなるので、ぜひお立ち寄りいただきたい。
なお、ワンボードオーディオコンソーシアムのWEBサイトでは、AUDIO OSECHI BOXおよび独自ディストリビューション「1bc」の情報を追加する予定である。ということは……ヘッドフォン祭では3月の技術説明会とTinkerBoardイベントでは全く触れられていないフィーチャーが公開される…!? Twitterアカウント(@1baudio)とあわせ、ぜひフォローのほどお願いしたい。
■Bluetoothオーディオの現状とLinux
さて、ワイヤレスでオーディオを愉しむトレンドは、日を追うごとに確実に、一般消費者にとって身近なものとなっている。数年前その傾向が顕著に現れた時には、Wi-Fi経由でロスレス再生を実現する「AirPlay」や他の独自形式との競争も存在したが、2018年現在はBluetoothの一人勝ちと言っていい状況だ。
しかし、Bluetooth(A2DPプロファイル)をオーディオに利用するための基礎条件は、ここ数年特に変わっていない。オーディオCDのビットレートが約1.4Mbpsあるのに対し、Bluetooth 2.0で非同期通信するときのデータレートは最大723kbps。後に登場した高速通信用拡張規格「EDR(Enhanced Data Rate)」を利用すると、最大3Mbpsの転送レートに対応できるが、それでも実際の環境を考慮すると1Mbpsがせいぜい限界とされる。LDACの最大ビットレートが990kbpsとされている理由の一つはここにある。
帯域を考えると再生条件的に厳しいことは事実だが、それでもBluetooth/A2DPはフォローする価値がある。左右分離型の完全ワイヤレスイヤホン関連技術然り、Huaweiの新スマートフォン「P20」に採用されたという最大990kbpsのHi-Fiコーデック「HWA」然り、まだまだ技術的進展を見ることができそうだ。
我らがRaspberry Piも、このトレンドと無関係ではない。Raspberry Pi 3はBluetooth対応の無線チップを標準装備しているし、小さくて安い「Raspberry Pi Zero W」もBluetooth対応だ。Moode Audioなど一部のディストリビューションも、すでにBluetooth関連機能の実装をスタートさせている。