公開日 2018/07/20 07:45
高いデザイン性と良好な聴き心地を両立する、B&O PLAYのワイヤレススピーカーシリーズ。特にその優れたデザインクオリティーは他の追随を決して許さず、映画やドラマのセットに度々登場するなど、もはや不動のポジションを築いている。そのB&O PLAYに新たに登場したのが、ポータブルワイヤレススピーカー「Beoplay P6」だ。筆者自身、その存在をずっと気になっていたのだが、幸運にも試聴する機会を得たので、早速ここにご紹介したい。
B&O PLAYブランドの母体であるBang & Olufsen(バング&オルフセン)社は、1925年創業という長い歴史を持つデンマークのオーディオブランドだ。創設当初よりバウハウスの影響を受けた先鋭的なデザイン指向を持ち、1960年代には世界的にも高名なデンマークのデザイナー、ヤコブ・イェンセンをプロダクトデザイナーに起用するなど、優雅なフォルムと機能美が極めて高次元で融合することが大きな特徴だ。
実際、同社のプロダクトはニューヨーク近代美術館“MoMA”にコレクションされるなど、単なるオーディオ機器の枠を超え高い評価を獲得する、非常に稀有なブランドと言えるだろう。同時に、デザイン性だけでなく、高い技術力を擁することでも知られている。例えば、高性能デジタルアンプユニットとして世界中のオーディオ機器に採用されている「アイスパワー(ICEpower)」も、同社の開発によるものだ。
そんなBang & Olufsenのカジュアルブランドとして、2012年に誕生したのがB&O PLAY。同社の高いデザインセンスと技術力を元に、より手軽にオーディオを楽しめるワイヤレススピーカーやイヤホン・ヘッドホン製品をラインナップしている。
今回紹介するワイヤレススピーカー「Beoplay P6」は、本体前後にスピーカーユニットを配置して360度方向に音楽再生が可能な無指向性タイプで、5月17日よりブラックカラーが先行で発売され、6月7日にナチュラルカラーも発売となった。サイズは幅130mm×高さ170 mm×奥行き68mmで、質量は1kg。手のひらサイズの同社「P2」や「A1」と比べると、少し大きなサイズとなっている。
スピーカーユニットは、1.5インチフルレンジを2基、4インチウーファーを1基搭載する2way構成になっており、それぞれフルレンジ用に出力30Wを2基、ウーファー用に出力36WのクラスDアンプを1基搭載して駆動する。勿論、音質はBang & Olufsenのサウンドエンジニアによって入念なチューニングが施されている。
本体にはバッテリーが内蔵され、独自のアルゴリズムを用いたDSPによって効率的に電力をコントロールすることで、3時間の充電で最大約16時間の連続再生が可能となっている。充電端子にはUSB Type-Cを採用。BluetoothはVer.4.2を搭載し、コーデックはSBC/AACに対応。Wi-Fi機能は搭載していない。本体素材はアルミニウムを採用し、IP54相当の防塵防滴性能も備えている。
早速本体を手にしてみると、丸みを帯びたボディがなんとも愛らしい。アルミボディに付けられたレザー製ストラップもまた、筐体デザインの持つキュートさをより一層引き立てている。本体と一体化してフラットに配されたシンプルな操作ボタンは、同社のアイコニックなアンプ製品「Beomaster 6000」のデザインを継承したという。ボタンの一部には「スマートボタン」が装備され、音楽再生/一時停止のほか、専用アプリ「Beoplay」を用いて通話応答や、Siri/Google アシスタント等へのアクセスにも変更可能となっている。
電源ボタンを長押しすると、「ポコッ」というミニマルかつ可愛らしいサウンドとともに起動する。サイン音の印象とスピーカーの外観が見事に一致しており、サウンドデザインへの配慮も実に秀逸だ。このサウンドだけでも、プロダクトに抱く印象や愛着は確実に高まる。
タブレット端末とペアリングして、いくつかのファイル音源を再生してみる。音源はflacソースを中心に聴いた。まず、ポップス楽曲を再生して耳に飛び込んでくるのは、実に弾み豊かなベースラインやバスドラムだ。ふくよかな量感で張り出しよく再生され、中低域がパワフルに空間へと響き渡る。同時に、声の質感表現が饒舌で、女性ボーカルの再生では、ウィスパーボイスの細かい表情やブレスまでを、実に瑞々しい音で描写し楽しませてくれた。
歌詞がしっかりと聴き取れるほどの明瞭さを備えるものの、それが決して乱雑な音にならない点が、やはりB&Oクオリティなのである。同様に、ジャズやクラシックなどの繊細な音色表現が肝となるアコースティックソースを再生しても、生楽器の豊かなボディ感を伴う柔らかいタッチで奏でられ、演奏の細部をしっかりと描きながらも、心地良いサウンドを耳に届けてくれた。
「Beoplay P6」は、充分な駆動力を持ったアンプを搭載するとともに、IP54という高い防塵防滴性能も備えており、屋内での使用は勿論のこと、屋外で音量を出して楽しむのにも持ってこいの製品だ。高いデザイン性と良質な再生音質を楽しむことが出来るポータブルワイヤレススピーカーとして、これからのシーズン、屋外でスタイリッシュに音楽を楽しむツールとして実にオススメのスピーカーである。
高い防水性能で屋外でもスタイリッシュに楽しむ
パワフルさと繊細な表現力を両立する360度スピーカー、B&O PLAY「Beoplay P6」レビュー
生形三郎高いデザイン性と良好な聴き心地を両立する、B&O PLAYのワイヤレススピーカーシリーズ。特にその優れたデザインクオリティーは他の追随を決して許さず、映画やドラマのセットに度々登場するなど、もはや不動のポジションを築いている。そのB&O PLAYに新たに登場したのが、ポータブルワイヤレススピーカー「Beoplay P6」だ。筆者自身、その存在をずっと気になっていたのだが、幸運にも試聴する機会を得たので、早速ここにご紹介したい。
B&O PLAYブランドの母体であるBang & Olufsen(バング&オルフセン)社は、1925年創業という長い歴史を持つデンマークのオーディオブランドだ。創設当初よりバウハウスの影響を受けた先鋭的なデザイン指向を持ち、1960年代には世界的にも高名なデンマークのデザイナー、ヤコブ・イェンセンをプロダクトデザイナーに起用するなど、優雅なフォルムと機能美が極めて高次元で融合することが大きな特徴だ。
実際、同社のプロダクトはニューヨーク近代美術館“MoMA”にコレクションされるなど、単なるオーディオ機器の枠を超え高い評価を獲得する、非常に稀有なブランドと言えるだろう。同時に、デザイン性だけでなく、高い技術力を擁することでも知られている。例えば、高性能デジタルアンプユニットとして世界中のオーディオ機器に採用されている「アイスパワー(ICEpower)」も、同社の開発によるものだ。
そんなBang & Olufsenのカジュアルブランドとして、2012年に誕生したのがB&O PLAY。同社の高いデザインセンスと技術力を元に、より手軽にオーディオを楽しめるワイヤレススピーカーやイヤホン・ヘッドホン製品をラインナップしている。
今回紹介するワイヤレススピーカー「Beoplay P6」は、本体前後にスピーカーユニットを配置して360度方向に音楽再生が可能な無指向性タイプで、5月17日よりブラックカラーが先行で発売され、6月7日にナチュラルカラーも発売となった。サイズは幅130mm×高さ170 mm×奥行き68mmで、質量は1kg。手のひらサイズの同社「P2」や「A1」と比べると、少し大きなサイズとなっている。
スピーカーユニットは、1.5インチフルレンジを2基、4インチウーファーを1基搭載する2way構成になっており、それぞれフルレンジ用に出力30Wを2基、ウーファー用に出力36WのクラスDアンプを1基搭載して駆動する。勿論、音質はBang & Olufsenのサウンドエンジニアによって入念なチューニングが施されている。
本体にはバッテリーが内蔵され、独自のアルゴリズムを用いたDSPによって効率的に電力をコントロールすることで、3時間の充電で最大約16時間の連続再生が可能となっている。充電端子にはUSB Type-Cを採用。BluetoothはVer.4.2を搭載し、コーデックはSBC/AACに対応。Wi-Fi機能は搭載していない。本体素材はアルミニウムを採用し、IP54相当の防塵防滴性能も備えている。
早速本体を手にしてみると、丸みを帯びたボディがなんとも愛らしい。アルミボディに付けられたレザー製ストラップもまた、筐体デザインの持つキュートさをより一層引き立てている。本体と一体化してフラットに配されたシンプルな操作ボタンは、同社のアイコニックなアンプ製品「Beomaster 6000」のデザインを継承したという。ボタンの一部には「スマートボタン」が装備され、音楽再生/一時停止のほか、専用アプリ「Beoplay」を用いて通話応答や、Siri/Google アシスタント等へのアクセスにも変更可能となっている。
電源ボタンを長押しすると、「ポコッ」というミニマルかつ可愛らしいサウンドとともに起動する。サイン音の印象とスピーカーの外観が見事に一致しており、サウンドデザインへの配慮も実に秀逸だ。このサウンドだけでも、プロダクトに抱く印象や愛着は確実に高まる。
タブレット端末とペアリングして、いくつかのファイル音源を再生してみる。音源はflacソースを中心に聴いた。まず、ポップス楽曲を再生して耳に飛び込んでくるのは、実に弾み豊かなベースラインやバスドラムだ。ふくよかな量感で張り出しよく再生され、中低域がパワフルに空間へと響き渡る。同時に、声の質感表現が饒舌で、女性ボーカルの再生では、ウィスパーボイスの細かい表情やブレスまでを、実に瑞々しい音で描写し楽しませてくれた。
歌詞がしっかりと聴き取れるほどの明瞭さを備えるものの、それが決して乱雑な音にならない点が、やはりB&Oクオリティなのである。同様に、ジャズやクラシックなどの繊細な音色表現が肝となるアコースティックソースを再生しても、生楽器の豊かなボディ感を伴う柔らかいタッチで奏でられ、演奏の細部をしっかりと描きながらも、心地良いサウンドを耳に届けてくれた。
「Beoplay P6」は、充分な駆動力を持ったアンプを搭載するとともに、IP54という高い防塵防滴性能も備えており、屋内での使用は勿論のこと、屋外で音量を出して楽しむのにも持ってこいの製品だ。高いデザイン性と良質な再生音質を楽しむことが出来るポータブルワイヤレススピーカーとして、これからのシーズン、屋外でスタイリッシュに音楽を楽しむツールとして実にオススメのスピーカーである。