公開日 2023/10/27 06:30
当サイトの読者であれば、 “JBLサウンドバーは、音響にこだわる映画館に導入されている劇場のJBLスピーカーの音をリファレンスとし、自宅に届けるものである” という事実は、すぐに思い当たることだろう。
2020年には、JBL PROFESSIONAL製のスピーカーで構成された映画館である千葉県にあるイオンシネマ幕張新都心に足を運び、そのサウンドを確認した上で、JBLのサウンドバー「Bar 5.0 MultiBeam」を検証。
2022年にはJBL製の最新かつ最上位シネマスピーカーをカスタムしたという “規格外” のJBL PROFESSIONALを導入した宮城県のイオンシネマ新利府を訪問した上で、JBLの7.1.4chの完全ワイヤレスサラウンドシステム「BAR 1000」を試聴した。
上記した2モデルはいずれもブランドの追求するシネマサウンドを体現するシステムとして、一貫した思想があることを確認済みだ。
ちなみにではあるが、映画『トップガン・マーベリック』のメイキング映像内に一瞬JBLサウンドバーを使ってサウンドチェックしている一幕を確認できる。使用機種は2018年発売のサウンドバー「BAR 3.1」のようだが、高いサラウンド再生能力を持つJBLサウンドバーへの映画業界からの信頼を窺わせる。
そんなJBLからサウンドバーの最新モデルBAR 800、BAR 300が登場。位置づけとしては、7月に発売されたワイヤレスサブウーファーとワンボディタイプのサウンドバーで構成される「BAR 500」からのステップアップモデルがBAR 800、機能をシンプル化することで価格も抑えたシリーズエントリーのハイコスパモデルがBAR 300となる。なお、BAR 800はJBL公式サイト限定アイテムとして発売される。
そして、この2機種をもって昨年から実施していたラインナップの刷新も完了する形となった。シリーズトップエンドのBAR 1000を体験した身からすると、それぞれのサウンドに興味が高まる。まずはエントリーモデルとなるBAR 300から検証していきたい。
テレビの前に手軽に設置できるワンボディ設計の、導入しやすいスタイルで登場する最新サウンドバーがBAR 300だ。JBLサウンドバーが人気を集めるきっかけとなったBar 5.0 MultiBeamの後継にあたり、Dolby Atmosに対応しながら5万円以下で購入できるコスパ志向モデルとなっている。
高さ56mm、横幅820mmというコンパクトさでテレビ前の狭いスペースでも無理なく設置することができるだろう。
一方でシンプルなスタイリングながら、同価格帯の他社サウンドバーとの技術的なアドバンテージとして、総合出力260Wの6基のスピーカーを搭載するとともに、JBL独自の「MultiBeam」技術の採用により、リアルなサラウンド再現を志向していることが挙げられる。
MultiBeam技術とは、設置した部屋の壁や天井に向かってビーム状に音を放出、その反射音によって視聴位置の左右後方からサラウンドの音声成分を再現するものだ。4基のレーストラック型ユニットとともに、サウンドバーの左右両端にMultiBeam用のビームフォーミングスピーカー2基を搭載している。
さらにサウンドバー本体には測定用マイクを内蔵。リモコン操作によるテストトーン再生で、設置場所に応じてサラウンドを最適化してくれる。本機能で設置場所を選ぶことなく、良好なサウンドを楽しめるのも本モデルの使い勝手の良さの一つだろう。なお、高さ方向についてはDolby Atomsによる「バーチャルハイト」の技術を利用することで再現する仕組みだ。
入力端子はHDMI eARC端子を備えるほか、HDMI入力、光デジタル入力も搭載することでゲームなどと接続できる汎用性も確保。Bluetoothからの音楽再生も可能だ。デュアルバンドWi-Fi6対応のWi-Fi、有線LAN端子を搭載し、AirPlay2を始めとするネットワーク音楽再生もサポートしている。
そして、新世代のJBLサウンドバーとして注目したいポイントが「JBL One」アプリとの連携だ。セットアップやカスタマイズ可能なイコライザー設定、音楽再生はもちろんのこと、新たに登場するJBL製のポータブルWi-Fiスピーカーと組み合わせることで、リアル5.1chへのアップグレードも可能。将来性を見据えた機能は、まさに “はじめてのホームシアター” に最適といえる。
実際にBAR 300でUltraHD Blu-rayの『トップガン・マーベリック』を体験。まずオープニングから始まる空母甲板のシーン。甲板上を行き交う戦闘機のジェットエンジンが放つ、唸るような振動も、頭の上を過ぎていく移動音の全てが正面のテレビ下に設置したサウンドバーだけで再現されるのは驚きだ。
フロント方向に高さも伴って定位する音楽の距離感も良い。眼の前のスピーカーの存在が消えるサラウンド体験は、まさに劇場を彷彿とさせるものだ。
続いて視聴したのはプライム・ビデオでレンタル配信中の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。作品中盤にあるレインボーロードでのカートバトルのシーンをチェックした。
配信版ではドルビーデジタルによる5.1ch配信となっているが、それでも音空間の再現は劇場級。シーン序盤にあるクッパによる愛の告白(の練習)は、センターの定位を保ちつつ、部屋の四隅まで広がるようなサラウンドに満ちた音空間を展開する。
見せ場となるカートでの走行シーンは、間近に迫るカートのエンジン音や、クッパ軍団が乱入してきて、甲羅や砲弾をドコドコと打ち込んでくるといった音の距離感や迫力をしっかりと鳴らしてくれる。
非現実的な世界をリアルに再現する、これを成し得るのが映画の醍醐味なのだなと改めて実感させてくれるサウンドクオリティ。テレビの前に配置するワンボディのサウンドバーで、部屋のサイズを超えたスケールで空間を再現するBAR 300。設置性とDolby Atmosによる劇場の音の再現を両立させた、サラウンド入門にうってつけのモデルに仕上がっている。
テレビの音がワンランク以上アップする
最高峰の劇場サウンドを自宅でお手軽実現!JBLサウンドバー「BAR 800」「BAR 300」で映画を楽しみ尽くす
折原一也(提供:ハーマンインターナショナル)■トム・クルーズもお墨付き? シネマサウンドを体現するJBLのサウンドバー
当サイトの読者であれば、 “JBLサウンドバーは、音響にこだわる映画館に導入されている劇場のJBLスピーカーの音をリファレンスとし、自宅に届けるものである” という事実は、すぐに思い当たることだろう。
2020年には、JBL PROFESSIONAL製のスピーカーで構成された映画館である千葉県にあるイオンシネマ幕張新都心に足を運び、そのサウンドを確認した上で、JBLのサウンドバー「Bar 5.0 MultiBeam」を検証。
2022年にはJBL製の最新かつ最上位シネマスピーカーをカスタムしたという “規格外” のJBL PROFESSIONALを導入した宮城県のイオンシネマ新利府を訪問した上で、JBLの7.1.4chの完全ワイヤレスサラウンドシステム「BAR 1000」を試聴した。
上記した2モデルはいずれもブランドの追求するシネマサウンドを体現するシステムとして、一貫した思想があることを確認済みだ。
ちなみにではあるが、映画『トップガン・マーベリック』のメイキング映像内に一瞬JBLサウンドバーを使ってサウンドチェックしている一幕を確認できる。使用機種は2018年発売のサウンドバー「BAR 3.1」のようだが、高いサラウンド再生能力を持つJBLサウンドバーへの映画業界からの信頼を窺わせる。
そんなJBLからサウンドバーの最新モデルBAR 800、BAR 300が登場。位置づけとしては、7月に発売されたワイヤレスサブウーファーとワンボディタイプのサウンドバーで構成される「BAR 500」からのステップアップモデルがBAR 800、機能をシンプル化することで価格も抑えたシリーズエントリーのハイコスパモデルがBAR 300となる。なお、BAR 800はJBL公式サイト限定アイテムとして発売される。
そして、この2機種をもって昨年から実施していたラインナップの刷新も完了する形となった。シリーズトップエンドのBAR 1000を体験した身からすると、それぞれのサウンドに興味が高まる。まずはエントリーモデルとなるBAR 300から検証していきたい。
【BAR 300】■コスパ志向の新世代JBLサウンドバー
テレビの前に手軽に設置できるワンボディ設計の、導入しやすいスタイルで登場する最新サウンドバーがBAR 300だ。JBLサウンドバーが人気を集めるきっかけとなったBar 5.0 MultiBeamの後継にあたり、Dolby Atmosに対応しながら5万円以下で購入できるコスパ志向モデルとなっている。
高さ56mm、横幅820mmというコンパクトさでテレビ前の狭いスペースでも無理なく設置することができるだろう。
一方でシンプルなスタイリングながら、同価格帯の他社サウンドバーとの技術的なアドバンテージとして、総合出力260Wの6基のスピーカーを搭載するとともに、JBL独自の「MultiBeam」技術の採用により、リアルなサラウンド再現を志向していることが挙げられる。
MultiBeam技術とは、設置した部屋の壁や天井に向かってビーム状に音を放出、その反射音によって視聴位置の左右後方からサラウンドの音声成分を再現するものだ。4基のレーストラック型ユニットとともに、サウンドバーの左右両端にMultiBeam用のビームフォーミングスピーカー2基を搭載している。
さらにサウンドバー本体には測定用マイクを内蔵。リモコン操作によるテストトーン再生で、設置場所に応じてサラウンドを最適化してくれる。本機能で設置場所を選ぶことなく、良好なサウンドを楽しめるのも本モデルの使い勝手の良さの一つだろう。なお、高さ方向についてはDolby Atomsによる「バーチャルハイト」の技術を利用することで再現する仕組みだ。
入力端子はHDMI eARC端子を備えるほか、HDMI入力、光デジタル入力も搭載することでゲームなどと接続できる汎用性も確保。Bluetoothからの音楽再生も可能だ。デュアルバンドWi-Fi6対応のWi-Fi、有線LAN端子を搭載し、AirPlay2を始めとするネットワーク音楽再生もサポートしている。
そして、新世代のJBLサウンドバーとして注目したいポイントが「JBL One」アプリとの連携だ。セットアップやカスタマイズ可能なイコライザー設定、音楽再生はもちろんのこと、新たに登場するJBL製のポータブルWi-Fiスピーカーと組み合わせることで、リアル5.1chへのアップグレードも可能。将来性を見据えた機能は、まさに “はじめてのホームシアター” に最適といえる。
【BAR 300】■サイズを感じさせない表現力。サラウンド入門にうってつけ
実際にBAR 300でUltraHD Blu-rayの『トップガン・マーベリック』を体験。まずオープニングから始まる空母甲板のシーン。甲板上を行き交う戦闘機のジェットエンジンが放つ、唸るような振動も、頭の上を過ぎていく移動音の全てが正面のテレビ下に設置したサウンドバーだけで再現されるのは驚きだ。
フロント方向に高さも伴って定位する音楽の距離感も良い。眼の前のスピーカーの存在が消えるサラウンド体験は、まさに劇場を彷彿とさせるものだ。
続いて視聴したのはプライム・ビデオでレンタル配信中の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。作品中盤にあるレインボーロードでのカートバトルのシーンをチェックした。
配信版ではドルビーデジタルによる5.1ch配信となっているが、それでも音空間の再現は劇場級。シーン序盤にあるクッパによる愛の告白(の練習)は、センターの定位を保ちつつ、部屋の四隅まで広がるようなサラウンドに満ちた音空間を展開する。
見せ場となるカートでの走行シーンは、間近に迫るカートのエンジン音や、クッパ軍団が乱入してきて、甲羅や砲弾をドコドコと打ち込んでくるといった音の距離感や迫力をしっかりと鳴らしてくれる。
非現実的な世界をリアルに再現する、これを成し得るのが映画の醍醐味なのだなと改めて実感させてくれるサウンドクオリティ。テレビの前に配置するワンボディのサウンドバーで、部屋のサイズを超えたスケールで空間を再現するBAR 300。設置性とDolby Atmosによる劇場の音の再現を両立させた、サラウンド入門にうってつけのモデルに仕上がっている。
シリーズ最上位機種譲りの機能と音響表現。「BAR 800」の性能に迫る
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