公開日 2024/03/11 06:30
ブランド8周年の節目となる8BAモデルの実力とは
qdcの原点は“BAマルチ”にこそアリ!3つのプロサウンドが詰まったIEM「8Pro」を聴く
高橋敦
ステージモニター用カスタムIEM(インイヤーモニター、イヤモニ)メーカーとして中国では圧倒的なシェアを誇り、また多様なドライバー構成による個性的なイヤモニも数多くラインナップするqdc。しかし筆者の意見としては、同社の真価を最も実感できるのは最もスタンダードな構成、つまり複数のBAドライバーを組み合わせる“BAマルチ”だ。
現在の同社が複雑なハイブリッド構成をうまくまとめ上げられているのも、ブランド初期からBAマルチの設計で培ってきた基礎技術とチューニングノウハウがあってこそ。BAマルチこそqdcの背骨と言える。
その最新機にしてブランド8周年モデルとして登場したのが、8BA構成の「8Pro」(エイトプロ)だ。qdc自身も「周年に立ち返るべき原点はBAマルチ」との思いがあったのかもしれない。
もちろん、周年記念かつ税込27万5000円と高価なモデルとしての強烈なアピールも持たされている。カーボンファイバー製のシェル&フェイスプレートと、「Hifi」「Studio」「Live」のサウンド切替スイッチだ。特に後者は、同社プロ向けイヤモニのサウンド傾向3タイプのすべてを1モデルに詰め込む技術であり、周年モデルらしい集大成感もある。
改めて8Proのドライバー構成は、低域2基/中域2基/高域4基の8BA。プロ向けに展開してきた8BAイヤモニ“8シリーズ”従来機と同様の、変える必要のない鉄板構成だ。
一方ネットワーク周りは特許技術「シングル・ポール・リンケージ・フィルター調整」を採用して一新。前述のサウンド切替スイッチに加え、低域の沈み込みや高域の伸びに全体バランスといった、基本特性の改善もこの技術で実現されている。
サウンド切替スイッチそれ自体の使いやすさも特長だ。指先で動かせるスイッチ1つで3つのサウンドを選択できる。工具を使って低域と高域の2つのスイッチを云々……みたいな面倒さはなし。スイッチ周りにはH/S/Lの印字があって選択中のサウンドを確認しやすいのも嬉しい。こういった使いやすさがあってこそ、ユーザーも積極的に活用していこう、使い続けていこうと思える。
そしてカーボンファイバー製のシェルとフェイスプレート。耐久性向上と軽量化に貢献しているというが、メカ好きにとってロマン素材のひとつであるカーボンファイバーは、何より見た目にかっこいい。その上もちろん、イヤモニを長く手掛けているだけあり、同社シェルのフィット感は最高クラスだ。
付属の新型ケーブルの導体は銅と銀のミックス。3.5mmシングル/4.4mmバランス/2.5mmバランスを着脱交換できる3-in-1マルチプラグも、従来よりも短くなったショートストレート形状の新型。リケーブル端子は頑強さに優れるqdc 2pin。ほか付属品は、カーボンファイバーテクスチャー仕様キャリングケース、好評の同社製イヤーピースなどが用意されている。
ではAstell&Kern「KANN ULTRA」でのバランス駆動を中心にしてのサウンドインプレッション……の前に、「Hifi」「Studio」「Live」各サウンドのコンセプトについて、“8シリーズ”既存モデルの位置付けを見て確認しておこう。
●「Hifi 8SH」:音楽ファン向けリスニング用
●「Studio 8SS」:エンジニア・クリエイター向けスタジオモニター用
●「Live 8SL」:PA・アーティスト向けライブステージモニター用
8Proなら、上記のサウンドすべてを1台で楽しめるわけだ。
現在の同社が複雑なハイブリッド構成をうまくまとめ上げられているのも、ブランド初期からBAマルチの設計で培ってきた基礎技術とチューニングノウハウがあってこそ。BAマルチこそqdcの背骨と言える。
その最新機にしてブランド8周年モデルとして登場したのが、8BA構成の「8Pro」(エイトプロ)だ。qdc自身も「周年に立ち返るべき原点はBAマルチ」との思いがあったのかもしれない。
もちろん、周年記念かつ税込27万5000円と高価なモデルとしての強烈なアピールも持たされている。カーボンファイバー製のシェル&フェイスプレートと、「Hifi」「Studio」「Live」のサウンド切替スイッチだ。特に後者は、同社プロ向けイヤモニのサウンド傾向3タイプのすべてを1モデルに詰め込む技術であり、周年モデルらしい集大成感もある。
■盤石な8BAドライバー構成に、プロ向けでは初のサウンド切替スイッチ採用
改めて8Proのドライバー構成は、低域2基/中域2基/高域4基の8BA。プロ向けに展開してきた8BAイヤモニ“8シリーズ”従来機と同様の、変える必要のない鉄板構成だ。
一方ネットワーク周りは特許技術「シングル・ポール・リンケージ・フィルター調整」を採用して一新。前述のサウンド切替スイッチに加え、低域の沈み込みや高域の伸びに全体バランスといった、基本特性の改善もこの技術で実現されている。
サウンド切替スイッチそれ自体の使いやすさも特長だ。指先で動かせるスイッチ1つで3つのサウンドを選択できる。工具を使って低域と高域の2つのスイッチを云々……みたいな面倒さはなし。スイッチ周りにはH/S/Lの印字があって選択中のサウンドを確認しやすいのも嬉しい。こういった使いやすさがあってこそ、ユーザーも積極的に活用していこう、使い続けていこうと思える。
そしてカーボンファイバー製のシェルとフェイスプレート。耐久性向上と軽量化に貢献しているというが、メカ好きにとってロマン素材のひとつであるカーボンファイバーは、何より見た目にかっこいい。その上もちろん、イヤモニを長く手掛けているだけあり、同社シェルのフィット感は最高クラスだ。
付属の新型ケーブルの導体は銅と銀のミックス。3.5mmシングル/4.4mmバランス/2.5mmバランスを着脱交換できる3-in-1マルチプラグも、従来よりも短くなったショートストレート形状の新型。リケーブル端子は頑強さに優れるqdc 2pin。ほか付属品は、カーボンファイバーテクスチャー仕様キャリングケース、好評の同社製イヤーピースなどが用意されている。
■広い再生帯域でクッキリ音楽を描き出す「これぞBAマルチの音」
ではAstell&Kern「KANN ULTRA」でのバランス駆動を中心にしてのサウンドインプレッション……の前に、「Hifi」「Studio」「Live」各サウンドのコンセプトについて、“8シリーズ”既存モデルの位置付けを見て確認しておこう。
●「Hifi 8SH」:音楽ファン向けリスニング用
●「Studio 8SS」:エンジニア・クリエイター向けスタジオモニター用
●「Live 8SL」:PA・アーティスト向けライブステージモニター用
8Proなら、上記のサウンドすべてを1台で楽しめるわけだ。