HOME > インタビュー > ビクターのヘッドホン“HP-FXC”シリーズ開発者に訊く − 独自技術「トップマウント構造」の秘密

キーデバイスは直径5.8ミリの「マイクロHDユニット」

ビクターのヘッドホン“HP-FXC”シリーズ開発者に訊く − 独自技術「トップマウント構造」の秘密

公開日 2008/11/07 16:51 高橋 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■「原音再生」のコンセプトを基軸に音質を練り上げていった

−−音質の仕上げについてですが、HP-FXC50と後に発売された上位機種のHP-FXC70の開発は同時進行ですよね。

石坂:そうです。けれども音質チューニングに関して言えば、まずはHP-FXC50を先に完成させ、上位機種であるHP-FXC70はそれを上回る音質ということで仕上げています。


HP-FXC50(ブラック) 

HP-FXC50(レッド) 

HP-FXC50(シルバー) 
−−確かに僕の印象としても、HP-FXC50は低域の重みに加えて全体的な解像感も良好でしたが、HP-FXC70は重みに加えて質感を増して、解像感や音の細やかさも向上していると感じました。

石坂:全くの新構造なので、最初はどこまでの音を出せるのか試行錯誤でした。我が社のポリシーである「原音再生」を基本にチューニングを重ねてHP-FXC50の音を完成させ、それをベースにさらに向上させたのがHP-FXC70の音です。


HP-FXC70(ブルー)

HP-FXC70(ダークシルバー)
−−音質に関わる面で、HP-FXC70のみに採用されているデュアルシリンダー構造や高比重ハウジングは、どのような効果をもたらすものなのでしょうか。

石坂氏:筐体を重くすることで余分な振動を抑えるというのが主眼です。そうすることで、より原音に忠実な再生を実現できます。また音質に関しては、HP-FXC70では、吸音材を入れることでもチューニングしています。

−−ちなみに音決めに使った音源はどのようなものでしたか。

石坂氏:音決め用の曲を入れたDAPを用意していたのですが、その電池が現地(中国)で切れてしまい、現地で借りたDAPに入っていた曲で音決めを行いました。様々なジャンルの曲を100曲ほどひたすら聴き込みました。しかし怪我の功名というか、偏りなく様々な曲でチューニングすることができました。

次ページルックスや装着感も重視したデザイン

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: