HOME > インタビュー > キリンジ・堀込泰行さんが体験したビクター“ウッドコーンシステム”のサウンド

HQCDで登場!キリンジの最新ベスト・アルバムを聴く

キリンジ・堀込泰行さんが体験したビクター“ウッドコーンシステム”のサウンド

公開日 2008/12/02 11:40 インタビュー/Phile-web編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE


■最新ウッドコーンシステムを堀込泰行さんが聴いた

ーー今日はこれからキリンジの新作の中から堀込さんがオススメのタイトルや、普段自宅のシステムで聴かれているCDなどを、この最新モデルの「EX-AR3」「EX-AR3LTD」で聴いていただこうと思います。製品の詳細については、ウッドコーンシステムの開発をご担当されている、日本ビクターの今村智さんにお願いしたいと思います。

今村さん(以下 敬称略):よろしくお願いします。

堀込:楽しみです。よろしくお願いします。


EX-AR3
<EX-AR3のプロフィール>
“ウッドコーンシステム”08年ニューモデル。振動板素材に“木”を採用した独自の“ウッドコーンスピーカー”を搭載したDVD一体型オーディオシステム。スピーカーには9cmのウッドコーン・フルレンジユニットを搭載。エンクロージャー内部の構造と吸音材の素材を変更し、前モデルのEX-A3と比べて、解像度だけでなく臨場感、リアル感を大幅に向上させている。低音の質感向上を図るため、5パーツ2段構成の竹響板をキャビネット底板部に装着。センターユニット部には独自の高音質・高出力デジタルアンプ“DEUS(デウス)”を採用。デジタル圧縮によって欠落した音楽情報を独自のアルゴリズム処理により再生成し、DVDオーディオからDAPまで臨場感あふれる音場感を実現する独自の高音質化技術“K2テクノロジー”も同様に搭載している。DVDビデオ・オーディオやCDの再生に対応したほか、本体前面に設けたUSB端子により、USBメモリー内のMP3/WMAファイルが再生できるほか、CDからUSBメモリーへの録音機能も新しく備わっている。
>>製品の詳細はこちら


EX-AR3LTD
<EX-AR3LTDのプロフィール>
スタンダード機「EX-AR3」の上位“限定版”モデルとして、さらなる高音質化が図られている。スピーカーの振動板には音の伝わり方が速い「木」の特性を活かしつつ、新たに横方向の音速を高める「異方性振動板」を採用。また素材の「木」にもこだわり抜き、「木」をゆがみのない円形状に、80μという極限の薄さに削り出してボビンの素材として使った特製のウッドボイスコイルも搭載する。これにより音の伝達ロスを抑え、解像度を高めたという。キャビネットには天然無垢チェリー材が使用されている。吸音材もEX-AR3と同じメイプル材を採用するなど、まさに木にこだわり抜いた仕様となっている。センターユニットの天板にはウッドトップベースを採用。金属と比較して内部損失の高い木を組み合わせることで、共振を抑制し、さらに天板の剛性を高めて振動を遮断している。
>>製品の詳細はこちら


今回はビクターの試聴室で「EX-AR3LTD」「EX-AR3」の2台をリスニングした

1.キリンジ/『KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration』より〜『千年紀末に降る雪は
<聴き比べのポイント>リファレンスモデルは「EX-AR3LTD」。キリンジのニューアルバムから、堀込さんが「録音のバランスが良いので選びました」と語るタイトルをHQCD盤と通常CD盤(プロモーション用)で聴き比べた。

−−いかがでしたか。

堀込:HQCD、通常CDのどちらもアコースティックのベースをはじめ、弦楽器・管楽器両方の細かいニュアンスが見えてくるサウンドでした。HQCDの方が奥行き感が深い感じがしました。レコーディングの時と印象のズレもなく、凄くニュートラルなサウンドで、最後にミックスダウンしたものを再生しているようなイメージです。

−−ご自宅のEX-AK1でも新作のHQCD盤は何度も聴かれたと思いますが、EX-AR3LTDで聴いた印象と違いはありましたか。

堀込:そうですね、やっぱりスピーカーのサイズ自体も奥行きがあるからなんでしょうか。サウンド全域によりいっそう迫力があると感じました。


製品の詳細についてはウッドコーンシステムの開発を担当する日本ビクターの今村智さんが解説
2.フリートウッド・マック/『』より〜『DREAMS
<聴き比べのポイント>リファレンスモデルは同じく「EX-AR3LTD」。堀込さんが普段から自宅のEX-AK1で聴いているというタイトルを持参してもらった。ウッドコーンシステムが搭載する圧縮音源の高音質再生技術「K2テクノロジー」をON/OFFと切り替えて聴き比べてみる。

−−最初は「K2」をOFFにして聴いてもらいたいと思います。

堀込:特別なリマスター盤などじゃないシンプルな作品を敢えて持ってきました。解像度が自宅のシステムで聴いた時よりも断然いいですね。定位も凄くわかりやすいです。

−−続いて「K2」をONにしてみます。

堀込:低音がグっとハッキリしてきますね。これはシステムの中でどんなことをしてるんですか?

今村:CDなどディスクに音源を収録する際、アナログの音源をデジタルに変換する段に発生する情報の欠落を、再生時に独自のアルゴリズムで予測して補完し、高音質に再生するための技術が「K2テクノロジー」です。こちらのシステムにはK2の効果の違いによって、2つのモードを設けました。「K2 Mode 1」はCDに収録されたリニアPCMのように圧縮されていないデジタル音声信号を再生する際に最適なモードです。「K2 Mode 2」はドルビーデジタルやDTS、MP3やWMAなど、圧縮されたデジタル音声信号を再生する際に最適です。

堀込:なるほど、この作品ではONにした方が良いと感じます。わずかな差ですが、音に深みが増す感じがします。

−−ふだん自宅のシステムで「K2」の機能は使っていますか。

堀込:ほかのミュージシャンの方の作品を聴く時に使うこともあります。キリンジの作品を聴く時は、商品として出回っているCDが一般的にどう聴こえるか確認したいということもあるので、「K2」は使っていません。


3.クイーン/『JAZZ』より〜『Dreamers Ball』『Dead on Time
4.ロージー・トーマス/『If Songs Could Be Held』より〜『Death Came and Got Me』『Say What You Want
<聴き比べのポイント>リファレンスモデルは同じく「EX-AR3LTD」。「K2テクノロジー」をOFF→ONの順に聴き比べて、その効果をもう少しじっくりと確認してみることにした。

堀込:やっぱり「K2」ONの状態では音がよりふくよかに、安定してくると思います。

−−普段音楽を聴くときにはどれくらいのボリュームに設定していますか。

堀込:そうですね、EX-AK1で言うとだいたい「30」前後で、割と大きめのボリュームで聴いています。ある程度音量を上げた方が、音質を含めた曲の全体像がよく見えてきますので。

−−ロージー・トーマスの曲ではどんなところをチェックしましたか。

堀込:スネアの音や、女性ボーカルなど高域の再現力に注目して聴いてみました。EX-AR3LTDの印象としてはどんな曲もバランスよく再生する実力を持っていると感じましたが、特に繊細な曲を再生したときにいっそう真価を発揮するようですね。

5.キリンジ/『KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration』より〜『愛のCoda
<聴き比べのポイント>再びキリンジのニューアルバムから、堀込さんが録音のバランスが良いと評価するタイトルをセレクト。ここでリファレンスモデルをスタンダード機の「EX-AR3」に交代してみた。K2はOFFの状態。

−−今度はEX-AR3で聴いていただきましたが、こちらの印象はいかがでしたか。

堀込:僕が持っているEX-AK1も十分良いと思いますが、こちらのシステムでは音の定位、解像度、低域のふくよかさがさらに高まっていると感じました。より立体的になって、密度も高まります。

高い再現力を持ったシステムで音楽を聴くと、ミュージシャンが丁寧につくった曲の“丁寧さ”がはっきりと伝わってきます。今回聴かせてもらいましたビクターの新しいウッドコーンシステムでは、どの曲を聴いても“丁寧”につくったミュージシャンの思いが見えてきました。反対に質の高いシステムで聴くと、「良い音」と「悪い音」の差がよりハッキリとしてくるので、僕たちミュージシャンの側もきちんと曲を創らなければいけないと、改めて実感しました。

−−今日はありがとうございました。

堀込:ありがとうございました。

次ページビクター開発者が語る“最新ウッドコーンシステムの魅力”

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE