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「モンスターマシン」の圧倒的な高画質を体験

“CELL REGZA”がやって来る! − 評論家 貝山知弘氏×山之内正氏が語る「55X1」の魅力<第2回・探求編>

公開日 2009/11/19 11:06 取材・対談/貝山知弘、山之内正 構成/Phile-web編集部
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◆早くも期待感が高まるREGZAの「NEXT STEP」

− お二人にはこれまで、歴代REGZAシリーズの取材を続けてこられたものと思いますが、この“CELL REGZA”を通じて東芝の技術陣の取り組みが垣間見える瞬間などはありましたか。

山之内 やはり、今回のモデルはどこにこだわってつくっているのかというポイントは、だんだん伝わってくるものですね。画を輪郭で太く描かないとか、誇張した画があまり好まれていないとか、本当にじっくりと画をつくって来られたプロセスは、映像を見ていると私たちにも伝わってくるものです。今回のモデルだけでなく、特にフラグシップクラスのREGZAに関しては、そういったエンジニアのこだわりが画を見れば分かってくる、伝わってくることは確実にあります。


貝山 超解像技術が高く評価できるのは「正しい考えからスタートしたものは、必ず良い結果を生む」という理想を実現してくれたからです。コントラストのつけ方、細部の表現、色の表現、みなそうですよね。やはり出発点に正しい発想がないところには、いい結果はないんです。


− “CELL REGZA”の発売まで間もなくとなりましたが、最後にご期待のほどをそれぞれお二人に伺いたいと思います。

貝山 私は昔から自分の部屋に6台ぐらい小さなモニターを置いて、全てのテレビ局の番組を一挙に見るのが夢だったんです。ばかばかしい話なんだけれども、周りに話してみると結構同じことをやってみたかったという人がいるんですよね(笑)。私が嬉しくて仕方がないのは、“CELL REGZA”ならば長年の夢がこの1台で叶うことです。

− 地上デジタル8局分のチューナーを1台にまとめていますからね。そういった多彩な機能の部分も“CELL REGZA”の見どころですよね。

貝山 これからさらに進化を遂げるためには、色々な取り組みが必要になると思いますが、これもやはり正論に従って探求して行けば必ず良い結果が生まれると思います。

本機に搭載された新UI「ローミングナビ」では、HDDに録画された大量の番組のほか、現在放送中の番組、今後の放送予定番組を独自のアルゴリズムで関連づけて検索することができる

デジタル放送の視聴中は裏で放送されている地上デジタル放送最大7チャンネルをサブ画面に表示して同時に見られる「8画面マルチ表示」にも対応する

山之内 今回のモデルが「CELL Broadband Engine」の能力を何%ぐらいまで使っているのか知りませんが、ひょっとしたらまだ全てを使い切っていなくて、まだまだ未知のパフォーマンスが追求できるのではないかと期待してしまいます。個人的には4K2Kクラスの高解像度パネルを使ったら、どんな表現が“CELL REGZA”で実現されるのか楽しみだと思っています。元の映像ソースは1920のフルHD信号でも良いので、それを超解像技術との組み合わせにより、4K2Kの高解像なパネルで、今までに私たちが見たことのないような画が見られたらいいなという期待を持っています。

今回は55V型というサイズですが、もしこれより大きいパネルだったらたぶん4K2Kを実現できるだろうし、逆にこれより下のサイズで完成度の高いテレビを追い込んでいくのであれば、今の解像度がより良いのかもしれないと思います。いずれにせよ、昔から55V型というサイズは、豊かな臨場感を得るための、ひとつのスタンダードとされてきたサイズですので、“CELL REGZA”の第1号機としてはベストなサイズであるように思いますが、オーディオ・ビジュアルファンとしてはより大型で高解像度のモデルの“CELL REGZA”も、いつか見てみたいと期待しています。

− ありがとうございました。


【CELL REGZA 55X1 Specification】
●画面サイズ:55V型 ●パネル:広色域VA方式フルHDクリアパネル、白色直下型LEDバックライト ●解像度:1920×1080 ●ダイナミックコントラスト:500万対1 ●コントラスト:5,000対1 ●ピーク輝度:1,250カンデラ ●チューナー:地上デジタル×11、BS・110度CSデジタル×3、地上アナログ×1 ●内蔵HDD:3TB ●入出力端子(ディスプレイ):HDMI入力×1、D5入力×1、ビデオ入力×1、USB×1(サービス用)、ヘッドホン×1 ●入出力端子(ボックスユニット):HDMI入力×5、D5入力×1、S映像×1、ビデオ入力×3、光音声出力×1、音声出力×1、USB×3(汎用1/ 録画専用2)、LAN×1 ●消費電力:320W(ディスプレイ)、140W(ボックスユニット) ●外形寸法:1333W×963H×402Dmm(ディスプレイ、卓上スタンド取付時)、436W×109H×387Dmm(ボックスユニット) ●質量:44.0kg(ディスプレイ)、10.5kg(ボックスユニット)


◆筆者プロフィール 貝山 知弘 Tomohiro Kaiyama
鎌倉原住民。早稲田大学卒業後、東宝に入社。東宝とプロデュース契約を結び、13本の劇映画をプロデュースした。代表作は『狙撃』(1968)、『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1970)、『化石の森』(1973)、『雨のアムステルダム』(1975)、『はつ恋』(1975)。独立後、フジテレビ/学研製作の『南極物語』(1983)のチーフプロデューサー。この時の飛行距離は地球を6周半。アンプの自作から始まったオーディオ歴は50年以上。映画製作の経験を活かしたビデオの論評は、家庭における映画鑑賞の独自の視点を確立した。自称・美文家。ナイーヴな語り口をモットーとしている。

◆筆者プロフィール 山之内 正 Tadashi Yamanouchi
神奈川県横浜市出身。東京都立大学理学部卒。在学時は原子物理学を専攻する。出版社勤務を経て、音楽の勉強のためドイツで1年間過ごす。帰国後より、デジタルAVやホームシアター分野の専門誌を中心に執筆。大学在学中よりコントラバス演奏を始め、東京フィルハーモニー交響楽団の吉川英幸氏に師事。現在も市民オーケストラ「八雲オーケストラ」に所属し、定期演奏会も開催する。

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