【鼎談インタビュー】音のプロ達が語る「防音/調音/遮音」の重要性と導入ポイント
■音環境の整備、これからの取り組み |
―さて、音環境の整備に関して今後の取り組みで考えていることはありますか?
野田 今、オーディオの世界では、CDを超えるハイクオリティなハイレゾ音源が主流になり、わたしたちも積極的に提案しています。ただ、ハイレゾ音源のビットレートの本当の違いは、意外と一般の店頭では詳しいところまではわからないこともあります。それを音環境をしっかりと整備した部屋で聴くとどれくらいの違いが出るのかといったようなことをやれると面白いなと考えています。音環境がしっかりと整備されていると、CDとの違いがはっきりとわかるはずです。
関本 ハイレゾはレンジが広いので、例えば無音時だとより無音にならないとなりませんが、音環境を整えないと、わかりにくいという部分はありますね。
井上 少し話は違いますが、入社間もないころ「防音をしっかりやったから見てくれ」というお客さんのところにいったことがありました。当時はレコードでしたが、高価なパーツを買ったけど今までは違いがわからなかった。DAIKENで調音をやって「ようやく違いが分かった」といってもらったエピソードがありました。
野田 ケーブルの違いなんかも、わかりやすくなるでしょうね。
関本 そうですね。ネットワーク系はお客様の要望も増えていますし、そういったものを、よりよい環境で体験するとどうなるのかは未体験の方も多いでしょうしね。
―関本さんは音環境について今後どんな取り組みをやっていこうとお考えですか?
関本 最近は、オーディオルームやホームシアター以外の場所、たとえばダイニングにも音楽を配信したいなど、家全体で音楽を楽しみたいという方が非常に増えています。そうなると1部屋だけ調音すればよいということではなくなってきます。家全体の調音を考えなければならない。基本的には、どの部屋でも話をしますから、声がよく聴こえる響きのいい部屋、響きのよい家をつくっていくとよいのではないかと思います。
井上 LDKで、キッチンの音でテレビの音声が聴こえないからボリュームをあげる、そうすると奥様に怒られる…なんてことがよくあるパターンです。しかし吸音がある程度しっかりできていれば、キッチンの音が聴こえてきてもテレビの音も不思議なくらい聴こえてきます。逆に奥様も家事をしながらテレビの音もはっきり聴こえることになります。響きがちゃんとコントロールされている部屋ですと、精神的によいと思います。
野田 この前携わったお宅がまさにそうでした。キッチンがあるリビングシアターで、奥様が料理されている中で納品をしていましたが、吸音をしっかりとしましたので、キッチンの音が全然気になりません。旦那様との話が聴こえないといったことが全然ありませんでした。
関本 響きは本当に大切です。「しゃべりやすい部屋」というのは絶対に必要だと思います。オーディオルームが特別だという部分も確かにありますが、音をよくするというのは別にオーディオに限った話ではありません。ストレスなく生活するためには、響きのいい、しゃべりやすい部屋は大切だと思います。
野田 そういうよい響きを実際に体験していただきたいですね。音に関しては体験してみないとわからない部分もあります。わたし自身もショールームで実際の部屋を体験してみて、音環境に対する認識が変わりました。DAIKENさんは各地にショールームを持っていますし(全国のショールーム情報一覧)、ぜひご自身で体験や確認をしていただきたいです。
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