登場から1年あまり、その魅力を改めて検証
【特別鼎談】PC-Triple C開発陣×貝山知弘 - 「ペンクラブ音楽賞」受賞や開発秘話を語る
■純度と結晶構造、2つの要因が導電率を左右する
貝山 PC-Triple Cが銅の結晶構造に着目することで音質向上を実現したことが良く理解できました。
矢口 銅の導電率を左右するのが純度と結晶構造という話がでました。銅の結晶粒というのは、実は非常に綺麗なのです。もちろん3Nのタフピッチと6Nを比較すれば、異物や不純物は増えますが、いずれにしろ不純物はほとんど結晶粒界にあるわけです。結晶粒自体の純度はタフピッチ銅でも非常に綺麗で、OFCともそれほど変わりません。
貝山 銅の純度を下げ、導電率を悪化させているのは結晶粒界であるということですね。
矢口 その通りです。しかし線材の純度は全体で計測するので、純度は低くなります。一方で信号が結晶粒界を通るとき、そこに鉄や亜鉛など様々な不純物が入っていれば、高純度の銅であっても伝送特性は悪化します。先ほども説明した「迷走電流」が、ここで発生すると考えます。結晶粒では素直に流れる電流が、結晶粒同士の隙間の結晶粒界では迷走するのです。信号損失のほとんどは結晶粒界の中で起こっているのですね。
矢口 私も芥田さんも単結晶は重要と考えていたので、ならば結晶は結晶で並べて連続させれば良いとなと。結晶粒界は結晶粒界で、これは振動の対策として必要なものなのだから、別にしてやろうということで、どんどん寝かせていきます。写真(下写真参照)を見ていただけるとわかりますね。結晶粒は連続化し、結晶粒界は結晶粒界でまとまります。最終的に綺麗なミルフューユのような層になっていくわけです。
■PC-Triple Cの用途はケーブルにとどまらない
貝山 「6N」「7N」という純度のものさしはわかりやすいので、こちらを重視してきたオーディオファンは少なからずいらっしゃると思います。しかし、オーディオケーブルの音質を結晶構造がこれだけ左右するとなれば、こうした価値観は変化せざるを得ないでしょう。
矢口 純度のように数値での表現はわかりやすいです。結晶構造はなかなか数字で表せないですからね。
貝山 PC-Triple Cが銅の結晶構造に着目することで音質向上を実現したことが良く理解できました。
矢口 銅の導電率を左右するのが純度と結晶構造という話がでました。銅の結晶粒というのは、実は非常に綺麗なのです。もちろん3Nのタフピッチと6Nを比較すれば、異物や不純物は増えますが、いずれにしろ不純物はほとんど結晶粒界にあるわけです。結晶粒自体の純度はタフピッチ銅でも非常に綺麗で、OFCともそれほど変わりません。
貝山 銅の純度を下げ、導電率を悪化させているのは結晶粒界であるということですね。
矢口 その通りです。しかし線材の純度は全体で計測するので、純度は低くなります。一方で信号が結晶粒界を通るとき、そこに鉄や亜鉛など様々な不純物が入っていれば、高純度の銅であっても伝送特性は悪化します。先ほども説明した「迷走電流」が、ここで発生すると考えます。結晶粒では素直に流れる電流が、結晶粒同士の隙間の結晶粒界では迷走するのです。信号損失のほとんどは結晶粒界の中で起こっているのですね。
矢口 私も芥田さんも単結晶は重要と考えていたので、ならば結晶は結晶で並べて連続させれば良いとなと。結晶粒界は結晶粒界で、これは振動の対策として必要なものなのだから、別にしてやろうということで、どんどん寝かせていきます。写真(下写真参照)を見ていただけるとわかりますね。結晶粒は連続化し、結晶粒界は結晶粒界でまとまります。最終的に綺麗なミルフューユのような層になっていくわけです。
■PC-Triple Cの用途はケーブルにとどまらない
貝山 「6N」「7N」という純度のものさしはわかりやすいので、こちらを重視してきたオーディオファンは少なからずいらっしゃると思います。しかし、オーディオケーブルの音質を結晶構造がこれだけ左右するとなれば、こうした価値観は変化せざるを得ないでしょう。
矢口 純度のように数値での表現はわかりやすいです。結晶構造はなかなか数字で表せないですからね。