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ジャンルを超えたコラボの背景を聞く

ペルソナ×デノンのコラボはいかに実現したのか? アトラスに聞くP4Dサウンドの楽しみ方

公開日 2015/07/29 11:14 アニソンオーディオ編集部:押野由宇
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■P4Dとデノンのコラボレーションはどうやって実現したのか!?

ーー 続いて、P4Dとオーディオという世界との接点について聞かせてください。

小塚氏 僕はオーディオに対して正直うとくて。一応、会社ではソニーのMDR-CD900STをモニターヘッドホンとして使っています。定番というか、普通ですいません……(笑) けど、宇田はすごいです。

宇田氏 いえ、僕自身はマニアではないですけど、オーディオが好きなんです。家で使っているシステムは、デノンのSACD/CDプレーヤー「DCD-1500SE」とプリメインアンプ「PMA1500SE」、スピーカーはエラックの「BS243BE」を使っています。ヘッドホンはAKGのTIESTOモデルを主に使っていますね。ちなみにTIESTOモデルは音も聴かずに、DJ TIESTOが好きだっていう理由で買いました(笑)

ーー オーディオとゲームとのコラボが始まるきっかけは、明らかにそこにありそうですね。

宇田氏 僕は実際に使っているくらいデノンが好きで、P4Dでそういったコラボの話が出た時に思い切ってアタックしてみたら、話を聞いていただけたというのがきっかけです。こういったゲームとメーカーのコラボの話はハードルが高いというか、あんまり思いつかないことらしくて。相手のメーカーさんからしてもゲームのことを知ってもらえていないと、そもそも話を聞いてもらえないことが多いです。けれども、デノンの方には話を聞いていただけました。実際にイベントなどでも盛り上がったように、良いコラボが実現できたと思います。


宮原利温さん
宮原氏 お話をいただいた時、ペルソナというタイトルについてはもちろん知っていたので、非常にありがたいとまず思いましたね。いや「本当になんてありがたい話を」と(笑) このコラボをどう広げていくかについてはその段階ではまだイメージがなかったのですが、めったにないチャンスだと思いました。

ーー ゲームに登場するモデルやコラボモデルの選定は、どういった経緯で決まったのですか?

宮原氏 ゲームで登場するデノンのヘッドホンは、昨年登場したプレミアムポータブルモデルの「AH-MM200」「AH-MM300」「AH-MM400」とノイズキャンセリング対応Bluetoothヘッドホン「AH-GC20」です。そして「AH-GC20」はコラボモデルにもなりました。これらのモデルはP4Dのキャラクターに合わせて、カラーなどをこちらで指定させていただきました。コラボモデルがAH-GC20になったのは、ゲームの発売にちょうどタイミングが合う新製品だったこともあります。我々のヘッドホンの発売が少し遅れることになって。

宇田氏 ゲームの開発も遅々としてしまった。結果としてうまく発売のタイミングがあったんです。最初は別のモデルの話もあったんですけど、AH-GC20とはタイミングがうまく合致したんですね。

鳴上 悠 with AH-GC20

久慈川りせ with AH-MM200


花村陽介 with AH-MM300

里中千枝 with AH-MM400

ーー 画面上を動き回るキャラクター達が実在のモデルを装着するにあたり、苦労された点などはありましたか?

宇田氏 例えばイラストレーターの副島成記が描いたものをグラフィックにすることはあったんですけど、実際に世の中にある製品をグラフィックに落としこむことが、これまでなかったのです。そこで新鮮な気持ちもある反面、探り探りの部分もありました。「ここ端折っちゃったけどいいの?」「ここ盛っちゃったけど大丈夫?」みたいなドキドキ感が(笑)

ーー そういったチャレンジや色々な流れがうまく重なって実現できた企画なんですね。それでは、オーディオ機器を使ってゲームをプレイすると、どういったメリットがあると思いますか?

小塚氏 例えばPlayStation Vita(以下、PS Vita)をPlayStation Vita TVにつないで、スピーカーをつないでプレイしてみたりすると。……楽しそうですよね(笑)

宇田氏 そういうことなの?(笑)

小塚氏 全然プレイ感覚が変わりそうです。自分も踊りながらプレイしそう(笑)

宮原氏 今回コラボさせてもらうにあたって、楽曲を色々と聴かせていただいたんです。そうすると、ものすごいクオリティが高いということをつくづく感じました。ここまで作り込まれた曲を再現するのは、PS Vita本体ではなく、出力された音を実際に鳴らすイヤホンなりヘッドホンなわけです。デノンのヘッドホンがそのクオリティを受け止めて、ゲームをプレイする方に伝えていかなくてはならない、という使命感がありますね。ただ、それは自信を持って出している製品なので、しっかり楽しんでいただけると思います。

小塚氏 ヘッドホンでないと再現できない音があるというのは、本当にその通りだと思います。仕方の無い事なのですが、PS Vitaのスピーカーは、スマートフォンほどじゃないですけど、かなり上下がカットされてしまいます。このP4Dに限らずですが、ヘッドホンでプレイしていただくのは、すごく良いなあと思っていたんです。一般的には本体のスピーカーでプレイすることが多いと思いますが、音を作っている側の人間としては、ちゃんと低音が出る環境で聴いていただけると嬉しいな、と思います。

ーー では実際に、小塚さんと宇田さんのお二人に、デノンのヘッドホンを使ってP4Dをプレイしてもらいたいと思います(編集部員の私物のPS VitaとP4Dを取り出す)。


小塚氏 会社以外の実機で動いているのを見ると、発売されてるんだな、という実感が湧きます(笑)

宇田氏 そんないまさら(笑) 僕は結構ハマってプレイしてますよ。

宮原氏 僕も毎日やっています。ストーリーモードもクリアしましたし、フリーダンスも全曲プレイしました。3日間くらい、夜はストーリーモードをやりながら寝落ちしてました(笑)


宇田さんが今回のコラボモデル「AH-GC20」を使用。メインメニューで流れる曲がファンク調で好きという宇田さん。「もうこのヘッドホンのワイヤレス設定も淀みなく行えるようになりました」

小塚さんは「AH-MM200」を使用。小塚さんの身体が揺れている。指の動きが大変なことになっている。ノリノリだ

ーー ヘッドホンを使ってみた印象はどうでしょうか?

宇田氏 音の分離が良いですね、これ。やっぱりプレイするとき、難易度が高くなればなるほど目で追っていたらダメなんですよ。音楽を聴いて、リズムに乗ってタイミングを取ることが重要になります。目黒さんが細かいオカズを沢山入れていることが、ヘッドホンでプレイすると分かりますね。

小塚氏 ・・・あっ、すいません、普通に遊んでしまいました。ハイスコア出しましたよ! 良い音で、色々聴きたくなっちゃいますね。それにこのAH-MM200、つけ心地がすごく良いですね。全然耳周りが痛くならない。

宇田氏 僕はAH-MM200とAH-MM300、AH-MM400では、AH-MM300が一番好きですね。AH-MM400は音が良すぎて…めっちゃ良いんですよ!(笑) だから逆にゲームと音楽どっちに集中していいか分からなくなっちゃう(笑) 手を止めて聴いちゃうんで、ゲーム的にはAH-MM300が丁度良いというか・・・(さえぎって)小塚氏 質感が良いんですよね……。

カットインする小塚さん。かなり気に入った様子だ

小塚氏 表面の感じとか、イヤーパッドの部分にマシュマロ感があるんですよね。

宮原氏 普通イヤーパッドって中国などで作られることが多いんですけど、これは国産で作っています。だから質が良くて、耐久性も2倍くらいになっています。

宇田氏 あっ、そうなんですね! 僕、必ずイヤーパッドがボロボロになるんですよ。ちょっとでもボロってなりはじめると、そこからどんどん破けていってしまうのが悲しいんですよね。

宮原氏 長く使っているヘッドホンって、やっぱりそれだけイヤーパッドが摩耗してしまいますから。けど、そこが2倍強いわけです。

小塚氏 ヘッドバンドのデザインにも統一感がありますよね。モノとして綺麗というか。

宮原氏 そこは完全にアルミなんですよ。プラスチックが使用されることが多いのですけど、こだわりました。見た目にも良いですし、耐震・防振もできるので音にも良い影響があります。また頭に当たるパッド部はメッシュ素材になっていて、通気性も良いです。

「2倍ですよ、2倍」と製品の特徴をアピールする宮原さんからは、製品に対する自信がうかがえる

オーディオ機器を使ってのゲームプレイは、音楽やゲームにずっと触れている方にもつい夢中になってしまうような、大きな魅力があるようだ。では一度ゲームを置いて、ペルソナサウンドはハイレゾというスペックでも楽しめるのか聞いてみた。

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