<山本敦のAV進化論 第68回>
<IFA>“最高画質”を実現した世界初の4Kスマホ −「Xperia Z5 Premium」開発者インタビュー
■カメラの性能も大きな飛躍を遂げた
Xperia Z5 Premiumは4Kディスプレイを搭載しただけでなく、メインカメラにも大きな改良が加えられている。イメージセンサーに最新世代の1/2.3型裏面照射積層型CMOS「Exmor RS for mobile」を搭載。有効画素数がZ4の約20.7Mから、Z5シリーズでは約23Mに向上している。カメラ周りの技術開発を担当した高野氏はさらに、オートフォーカス性能がスマートフォンとして世界最速となる0.03秒の高速AF性能を実現した点について、「動画、静止画の撮影ともに素速く正確なフォーカス合わせができるようになり、スマホによる撮影体験そのものが大きく向上している」と、そのメリットを強調する。
Z5シリーズには、これまでコラボレーションしてきた“サイバーショット”の技術資産だけでなく、新しくソニーのデジタル一眼レフカメラ“α”シリーズにより培われた技術のエッセンスも注入されている。代表的なものでは、像面位相差方式とコントラスト方式を併用したハイブリッドAF方式の採用が挙げられる。また動画撮影の手ブレを抑えるインテリジェントアクティブモード機能も継続進化。カメラモジュールが一新されたことで性能が上がっているという。高野氏は「その他の細かな部分も従来モデルからチューニングしているので、使い込むほど違いが実感されるはず」と胸を張る。
本機は4K動画を撮影して、4Kディスプレイですぐに再生して楽しめるようになった初めてのスマートフォンだ。それだけでも大きな価値があると言えるが、MHL3.0に対応したことで、4KブラビアにMHLで接続すれば、スマートフォンで撮影した4K動画が大画面で再生できる。さらにZ5シリーズでは動画撮影時にAVC/H.264のほかにHEVC/H.265のフォーマットによる撮影が選択できるようになり、HEVCのフォーマットで撮影しておけば、そのコンテンツをDLNA経由でも対応機器に再生可能だ。
さらに撮影した4K動画から8メガの静止画を抜き出せる機能や、静止画撮影は「プレミアムおまかせオート」撮影時に従来の最大設定値だった8メガ以上の、4対3の画角で最大23メガ、16対9時も最大20.9メガの画質が選べるようになっている。オート撮影時にも「明るさ」と「ホワイトバランス」がマニュアルで微調整できる機能も付けた。動画・静止画撮影の楽しみ方が大きく広がったと言えそうだ。
世界初の4Kディスプレイ搭載というエッジの効いた新製品「Xperia Z5 Premium」は“One Sony”を掲げながら「4Kワールド」の完成をめざして突き進んできたソニーのひとつの大きな集大成だ。さらに音楽再生まわりでも、Zシリーズが受け継いできたハイレゾ再生やデジタルノイズキャンセリング機能などが盛り込まれている。
本機の国内発売に関するアナウンスはまだないが、おそらく順当に行けば大手キャリアの15年秋冬モデルのラインナップとして、近く発表される機会がやってくるのではないだろうか。おなじZ5シリーズとした発表された3機種の中で、どのモデルが一番人気を集めるのかなど、反響も興味深いところだ。
(山本敦)