EARINのハイレゾ対応は? 次の製品の計画は?
“耳栓BTイヤホン”EARIN開発者に聞く今後の展開。編集部が通勤のお供に使ってみた
ゼンストローム氏 最も苦労したのは、Bluetoothの接続技術開発でした。当初はスマートフォンと充電カプセルをペアリングして、そこ経由でイヤーピースとコネクトする…という考えだったんです。でもそれだと少し煩雑になる。もっとシームレスにつなげたいということで、左のイヤーピースとペアリングして、右のイヤーピースにバイパスする形式にしました。このバイパスする際に、左右のイヤーピースで音のズレを発生させないこと…ここがすごく重要で、すごく大変な部分でした。左右で音がズレると、音楽を快適に聴くことなんてできませんからね。
―― BluetoothのコーデックはSBCとaptXに対応していますが、左右間もaptXのままバイパスできるのですか?
ゼンストローム氏 できます。左で受けたaptXの信号をそのまま右に受け渡すだけなので。
―― もともと「音楽を聴くための製品」を目指していたということは、音づくりにもこだわっているのでしょうか?
ゼンストローム氏 もちろんです。バランスの取れた音にしたいと考えていました。フラットというよりは、バランスのいい音です。低音が強調されすぎたサウンドにはしたくなかった。もし味付けをしたい場合は、アプリにベースブースト機能がありますから、そちらを使っていただくことができます。
―― EARINを使っていて、音楽を聴いていることを周りに気づかれなくて、ちょっと困ったりもしました(笑)
ゼンストローム氏 そうですよね(笑)。我々の会社でもよくある風景です。「オーレちょっと…おーい、オーレ?…あ、音楽聴いてるのか」みたいな(笑)
EARINのハイレゾ対応は? 次の製品の計画は?
―― 日本では“ハイレゾ”がトレンドのひとつになっています。Bluetoothでも、ソニーのLDACやクアルコムのaptX HDなど、ハイレゾ相当の音源を伝送できるコーデックが登場してきました。EARINが今後こういったコーデックに対応する可能性はありますか?
ゼンストローム氏 そうですね、それらが真にハイレゾ対応したら、商品に投入する可能性は大です。
―― 次の商品開発はどうなっていくのでしょう?
ゼンストローム氏 もちろん、何もしていないわけではありません。でもリリースするまでは秘密です(笑)
ベンチャーや大手問わず、EARINに似た製品が他社から出てきています。しかし我々は“完全ワイヤレス”スタイルのパイオニアという自負がありますし、技術開発の手をゆるめずに突き進んでいきたいと思っています。
―― たとえば、EARINにカラーバリエーションが加わったりすることは…?
ゼンストローム氏 うーん、それはいい質問です(笑)。可能性は非常に高いですね。
―― 今後の展開を楽しみにしています。有り難うございました。