「Ultmate Ears 11 Pro」導入の背景とこだわりを訊く
実はオーディオマニアなメタルギタリスト・若井望が語るUltimate Ears カスタムIEMの魅力
− そしてライヴのプレイバックにもこだわりたくなったということですか。
若井 そうですね。今回参加している浜田麻里さんのツアーがカスタムIEMを使うことが大前提なんですよ。私も作っておいて本当に助かりましたね。ちなみに浜田麻里さんはJH Audio、ドラムの宮脇“JOE”知史さんがSensaphonics、もうひとりのギターの増崎孝司さんがFitearを使っていて、キーボードの増田隆宣さんはオンキヨーで新しいものを作られていましたね。
− やっぱりカスタムIEM作成前とは全然違いますか?
若井 もう全然違いましたね。劇的に変わりました。集中できるんです。汎用のやつだと、やっぱり音が漏れてしまったり、製品によっては音がゴチャッとなってしまうものもありました。カスタムIEMなら動いた時にも支障ありませんし、ライヴ時のパフォーマンスも違ってきます。
− UEのカスタムIEMにもラインナップが色々ありますが、他のモデルも試したのですか?
若井 ええ。中域が豊かでギター向きだとのことで「Ultmate Ears 7 Pro」や、11 Proより上位機の「Ultmate Ears 18 Pro」なども試しましたが、現在の自分のスタイルには11 Proが合うなと感じました。ハイとミッドがバランスよく出た上でローもあるという点が自分には合ってるな、と。
(同席していたロジクール 梅田氏) 11 Proをお使いのミュージシャンの方は多いですよ。
若井 結構レベルも入りますしね。ライヴハウスで自分にあまり返しがうまくこないときなど、音量の問題があるような場合でも強いですね。
ライヴハウスって狭いじゃないですか。その狭さで足元のモニターから音を返して横(スピーカー)からも音出して、ボーカルが「歌が聞こえないんですけど」と言ってもそりゃそうだよ、となりますよ(笑)。でも、自分がイヤモニを使っていれば、足元は全部ボーカルに返してもいいんですよ。ボーカルがイヤモニを使っていなくてもね。
− モニターからなどの音圧を体全体で感じないと音にノれない、みたいな感覚の違いはありませんでしたか?
若井 11 Proはローもしっかり出てくれるので、僕は全然問題ないですね。ドライバーで音像がきちんとリアルに感じられていれば、いつもと同じか、場合によってはもっといいんです。実際に使ってみてカスタムIEMのメリットを色々と感じました。