人気シリーズ「CKR」第2世代機はどう変わったのか？ オーディオテクニカ開発者に聞く

着脱式ケーブルに独自コネクターを採用する理由とは

―― そして目に見える大きな変化としてはもうひとつ、ケーブルが着脱式になりましたね。

國分：世の中のニーズとして、この価格帯のモデルには着脱対応が求められている。それにきちんと応えなければということで、今回実現できました。

―― 汎用性の高いMMCXではなく、敢えて自社独自のA2DCコネクターを採用した訳は何故でしょうか？

田久保：当社では、以前「ATH-CK100PRO」でMMCXコネクターを採用した実績がありますが、オーディオ用イヤホンの着脱コネクターとしては接点の品質や軸がクルクル回転することによって生まれるノイズといった課題がありました。

そこで、ここをもっとよくできるのではないかという発想から開発したのがA2DCコネクターです。このA2DCコネクターは、昨年発売した「ATH-CKS1100」にも搭載しています。多くの方から「なぜ互換性がない端子を採用するのか」といった疑問の声をいただくこともありますが、いい音を長く楽しんでもらいたいという想いから生まれた端子であることを、これからも丁寧にご説明していきたいと思っています。脱着式にするなら唯我独尊になってしまうかも知れないけど、きちんとしたものにしたいなと考えたんです。

―― 今回のCKRを実際に聴いてみて、すごくいいプロダクトになっていると思いました。第一世代機以上の完成度を実現しつつ、いまの時代に合わせたやり方も追求しなければいけない − そんな様々な難しい命題をクリアして詰めこんだイヤホンだと感じます。今日は有り難うございました。