【特別企画】価格以上の完成度を感じさせるモデルに
コウォン新ハイレゾDAP「PLENUE M2」はどう進化した? 評論家・野村ケンジが評価を語る
「PLENUEシリーズのポイントはノイズレベルの低さ、音のピュアさ。初代のPLENUE Mにもあった部分だが、今回のM2と比べると、抑揚表現のきかせ方が少し客観的すぎたかなとも思う」とし、このPLENUE M2では、そこの“聴かせどころ”がより感じられるようになったと続ける。
例えばライブものの音源では、PLENUE Mでは2階席から全体を見渡すような印象だったのに比べ、今回のPLENUE M2では会場の最前列で聴いているような感覚に変わったと表現。「女性ボーカルものを聴くと、歌声がグッと前に出てくるし、バックバンドの距離感も適切。特長である、SNの良さからくる空間表現、定位感の表現が凄く顕著に感じられる」と評する。
また、「例えば、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDを聴いてみると、定位感を元々キッチリ作っている、かなり音色も突き詰めた楽曲だということがキチンと伝わってくる」とコメント。「イヤホンであることを忘れるような、目の前のスピーカーで聴いている錯覚を覚えるような定位感がちゃんと出ている」と語り、「奥行き感もそうだが、特に、左右への音の広がり感は前モデルとの大きな違いだろう」と語る。
■「“ワガママな曲”もいけるプレーヤー」
そのほかのジャンルの楽曲に対する適応力はどうだろうか。クラシックを試聴した印象を野村氏は「バイオリンのソロでは、抑揚表現のバランスがいい。抑揚がハッキリ出ているのに細かいニュアンスもちゃんと伝わってくる」と語る。
「ノイズレベルの低さが活きるのでクラシックはもともと得意なジャンルなのだが、それがM2になってさらに進歩した印象だ」と野村氏はコメント。「ダイナミックな表現というか、トランジェントがよく、付帯音が少なくフッと収束するのでメリハリが凄くよく感じられる」と言葉を続ける。
そして「ダイナミックレンジが広い“ワガママな曲”もいけるプレーヤー」だと本機を表現。「テクノボーイズのような現代の曲をきちんと再生できるプレーヤーはなかなかない。その一方でクラシックやアコースティックなものもちゃんと再生してくれる」とし、ジャンルを選ばず使えるプレーヤーであると評価した。