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デノン「PMA-60」にも採用

クアルコムの先進的デジタルアンプ「DDFA」が第二世代に進化。その詳細をキーマンに聞いた

公開日 2017/09/22 10:40 鴻池賢三
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もう1つのメリットは、1チップ化によってDDFA部分の性能が安定することにより、セットメーカーはDDFAの特性をより引き出しやすくなること。DDFAの特性に直結する部分の設計が楽になれば、高音質化に向けて周辺回路の検討により多くの時間を割くことができると考えて良い。

DDFAは1チップ化によって、搭載されるオーディオ機器の範囲がさらに広がった。ヘッドホンアンプからBluetoothスピーカーまで、その高音質がさらに広い領域で享受できることが期待できる

1チップ化はメリットが多いが、そう考えると、なぜ第1世代は2チップだったのだろうか? Damien氏によると、デジタル処理部とアナログ系を1チップに集積する場合、デジタル処理部のノイズがアナログ信号に悪影響を及ぼし、所望の性能を得るのは困難だったのだという。CSR社時代のDDFAが2チップ構成を採ったのは、ハイエンドオーディオにも通用するオーディオ性能を優先してのことだ。

2チップ時代のオーディオ性能を維持しての1チップ化は大変困難だったが、実に4年の歳月を費やしてこれが実現された。クアルコム社は最先端の半導体技術を有し、DDFAの進化も北米の開発拠点が担ったとのことで、そうした総合力の高さが活かされたようだ。採用されている半導体プロセスの世代は教えて貰えなかったが、チップの面積を考えれば、1〜2世代進化したと考えて良いだろう。

DDFAがHi-Fiオーディオの裾野を広げていく

日本ではデノンが積極的に採用を進めている感のあるDDFAだが、海外ではコストパフォーマンスの高いプリメインアンプが人気のブランド「NAD」が採用していて、評判もすこぶる良好。デジタル技術とアイデアを活かし、限られたコストで高音質を達成する試みは、Hi-Fiに市民権を与える動きとして歓迎したい。

それは、巨額の費用と労力を惜しまなければ究極の高音質を引き出せるレコードおよびアナログオーディオの世界が、デジタル方式のCDに置き換わったのに似ているかもしれない。

一般ユーザーの手に届くオーディオがより高音質に。そんな可能性を秘めたDDFAの今後の展開に期待したい。

(鴻池賢三)

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