Lotoo渾身の最新モデル
「誰にとっても一台必要」な製品を − 世界最小のDSD対応DAP、Lotoo「PAW Pico」開発秘話
だからこそ、このサイズにはこだわったようだ。その重さはわずか26gで、本体の厚みはわずか12mm。この軽さは実際に手に取ると驚くほどのものだが、かといってその質感は決してチープではない。
シャオ ボディはプラスチックを採用していますが、これは軽さを追求したかったからです。しかし、ボリュームノブにはCNC処理を行ったアルミを採用して、ボリュームそのものもアルプス製のものを採用しています。もしかすると、一見ボリュームノブはアルミに見えないかもしれませんが、実際に回していただけると操作フィーリングはプラスチックと違う、ガッチリとしたフィーリングを味わっていただけるはずです。こうした細かなところへの配慮も、PAW Picoに高級感をもたらすために工夫したポイントです。
PAW Picoのボディは、PAW GoldやPAW 5000同様、非常に頑丈に作り込まれている。薄さと軽さを徹底的に突き詰めたPAW Picoの内部には、Lotooがこれまで培って来た技術が満載されている。
シャオ スペックを見ていただいた時、出力はそんなに大きいものではないと思われるかもしれません。でも、PAW Picoを実際に聴いていただくと、そうではないと感じていただけると思います。駆動力が抜群なんです。
それと、欠かせないのはデジタルの部分。これについては音に関連する大事なパーツというものがあって、ひとつがプロセッサー、そしてもうひとつがDACの部分となります。プロセッサーは私たちの最上位モデルとなるPAW Goldや非常にご好評をいただいたPAW 5000と同じシリーズを使用していまして、アナログ・デバイセスの“Blackfin”ADI 500シリーズを使っています。DACはテキサス・インスツルメンツのプロ向けレコーダーに使われているものと同じものを使いました。具体的にはTLV320シリーズですね。私たち以外にTLV320を使用した会社は、レコーダー関係の会社以外ではないと思います。このDACチップの音を評価して採用した企業としては、スイスのNAGRAが代表的で、NAGRA SDはこのチップを使っています。
注目したいのは長時間再生に対応したバッテリーの部分だ。通常、この超小型サイズでDSDのPCM変換再生を行ったり、スマートフォンと通信をしたりすれば消費電力は自ずと高くなる。シャオ氏は「このバッテリーの使い方こそがLotooの技術力の見せ所だった」と振り返る。
シャオ バッテリーそのものは300mAで、ごくごく普通のものですね。ではなぜ、こんなに長時間のドライブを可能とできたのかというと、全体の回路デザインを工夫したことによって、効率の良い電源供給を行うことができたからなんです。また私たちは、DSDを高品位に再生する技術を持っています。であれば、それを搭載しない理由などありません。
PAW Picoでは、DSDはPCM変換再生となりますが、Lotooのエンジニアが内部のプロセッサーをうまく活用することで、DSDを最も良いかたちでPCMへ変換しています。そうしたDSD-PCM変換を行っておきながらバッテリーをあまり消費しないという点も、やはりPAW Picoならではの技術のポイントですね。「Lotooにかかれば、高精度なDSDのPCM変換再生もこんなに簡単にできます」というような自己アピールポイントのひとつです。
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