<山本敦のAV進化論 第147回>
ソニーのコミュニケーションロボット『Xperia Hello!』は「スマートスピーカーの先を目指した」
ソニーモバイルがXperiaシリーズのスマートプロダクト第3弾「Xperia Hello!(ハロー)/G1209」を加え、11月に発売する。いったいどんな製品で、どんな独自技術が搭載されているのか? ソニーモバイルコミュニケーションズで本機の開発に携わった倉田宜典氏、城井学氏にインタビューした。お二人に本連載にご登場いただくのは、夏に紹介したソニーの「アバターエージェントサービス」に続けて2度めになる(関連記事)。
■「Xperia Hello!」はコミュニケーションロボット
Xperia Hello!(以下:Hello!)は家族を結びつける潤滑油としての使命を帯びて誕生した「コミュニケーションロボット」だ。ソニーからスマートスピーカーが国内で発売されることも発表されたが、Hello!は能動的に「自分から話しかけてくる」こともあれば、「ボディや瞳(LED)を動かす」こともできる。モノラルスピーカーも搭載しているが、どちらかと言えば会話用のもので、単体で音楽を聴く用途に向けて設計されていない。
繰り返すが、本機はシンプルに区別して呼ぶのであれば「コミュニケーションロボット」であり、AI(人工知能)に対応しているところがスマートスピーカーと似ているが、目指している用途や、将来に向けて成長していく方向性は異なっていると捉えた方が良い。本体にはAndroid OS、クアルコムの高性能CPUや3GBのRAMなどを搭載するところなど、スマホのXperiaシリーズの開発から培ったノウハウがベースになっている。
Hello!はソニーが独自に開発する音声アシスタントに対応。高性能なマイクアレイ、人感センサー、そして額のところに約13.2MPのカメラが搭載されている。ユーザーが近づいてきたことを人感センサーで感知すると、本体が目を覚ましてキョロキョロし始める。「エクスペリア」と声をかけるか、あるいはユーザーの顔をカメラで認識するとコマンド入力の待機状態になる。
ニュースや交通情報、天気予報の情報を読み上げてくれるところはスマートスピーカーと似ているが、本体の“お腹”のところに約4.6インチのタッチ液晶ディスプレイが乗っていて、音声の読み上げと同時にニュース記事はテキストだけでなく写真も交えて表示してくれたり、マメ知識は写真入りのWikipediaのページで解説してくれるなど、本機ならではの特徴が多い。
コミュニケーションはLINEによるテキストメッセージの送信、Skypeによるビデオ・音声通話、ビデオ伝言板の3機能がある。LINEやスカイプは家族用のアカウントを登録しておくと、わが家のHello!を使って外出先から家族とメッセージの交換やビデオ通話ができる。外出先の家族がスマホを使って家族宛にLINEのメッセージを送った場合は、Hello!が顔を自動で識別して、それぞれに届いているメッセージを読み上げる。ビデオ伝言板も宛てた相手が帰宅すると、顔を認識して伝言が入っていることを伝えてくれる。
家族の誕生日を本体のユーザープロフィールに登録したり、または結婚記念日や卒業式など大切な日をカレンダーアプリに登録しておけば、その日が近づくと「お父さんにメッセージを送りますか?」とHello!が能動的に問いかけてくれる。家族の詳細なプロフィールは10人分まで登録できる。
もうひとつの機能が、額に乗せたカメラを活用する「見守り機能」だ。LINEに作成した家族用のアカウントにアクセスして、「家の様子おしえてコマンド」というメニューを起動すると、家族がHello!と最後に会話した時間を「お母さんを3分前に見かけました」といった感じでメッセージにしたためて教えてくれる。
「家を撮影してコマンド」は簡易なセキュリティカメラのような使い方ができる。Hello!を置いた部屋の360度周囲を8枚の静止画で撮影し、LINEのメッセージに貼り付けて送ってくれるというもの。家族が写真を撮られたくない場合は、Hello!の額を軽くタップすると撮影を中止。家族に無事を知らせるメッセージを代わりに送ってあげればよい。プライバシーへの配慮も備え十分だ。
なお、Android 7.1を搭載するデバイスなので、「OK Google」と呼びかけるとAndroidスマホと同じようにGoogleアシスタントが起動する。近所の美味しいイタリアンの店や、自宅から東京駅までの交通手段などは、Googleアシスタントに聞いてもいい。もしHello!で音楽を楽しむのであれば、32GBの内蔵メモリーに音楽ファイルを保存したり、Google Playミュージックなどの音楽ストリーミングアプリを入れられる。なお、外部のWi-Fi/Bluetoothスピーカーを接続して聴いた方が音質はベターだ。
以上、はじめにXperia Hello!の簡単なプロフィールからご紹介したが、さらに踏み込んだ詳細については発表会ニュース、動画レポートを合わせて確認してみてほしい。
■ソニーが培った技術で“自然”な動作を目指す
Xperia Hello!はソニーモバイルが2016年にバルセロナで開催されたIT・モバイルの展示会「MWC2016」に出展した「Xperiaスマートプロダクト」のコンセプトモデルとして初めて披露された(MWCのニュース記事)。当時は「Xperia Agent」という名前で発表され、その後も同年に開催されたIFA2016(IFAのニュース記事)のほか、ソニーが出展した様々なイベントで注目されてきた。
先に音声アシスタントを搭載する片耳タイプのBluetoothヘッドセット「Xperia Ear/XEA10」、画面に触れて操作できるAndroid搭載のプロジェクター「Xperia Touch/G1109」が商品化され、いよいよ今回Xperia Hello!として商品化が決まったわけだ。商品企画を担当する城井氏も、感慨深げにこれまでの経緯を語る。
「MWC2016にXperia Agentとして出展した時の反応はとても良かったです。Hello!はただ音声でメッセージやニュースを読み上げるだけでなく、カラダや顔を動かしたり、瞳にあたるLEDを瞬かせてかわいらしい動き、ボディランゲージを使ってコミュニケーションを膨らませる愛嬌のあるロボットです。国内・海外の様々な展示会に出展してみて、人間のように振る舞いながらユーザーと触れ合えるロボットの価値が万国共通に受け入れてもらえることが見えたことで、商品化に向けた自信を深めてきました」。
■「Xperia Hello!」はコミュニケーションロボット
Xperia Hello!(以下:Hello!)は家族を結びつける潤滑油としての使命を帯びて誕生した「コミュニケーションロボット」だ。ソニーからスマートスピーカーが国内で発売されることも発表されたが、Hello!は能動的に「自分から話しかけてくる」こともあれば、「ボディや瞳(LED)を動かす」こともできる。モノラルスピーカーも搭載しているが、どちらかと言えば会話用のもので、単体で音楽を聴く用途に向けて設計されていない。
繰り返すが、本機はシンプルに区別して呼ぶのであれば「コミュニケーションロボット」であり、AI(人工知能)に対応しているところがスマートスピーカーと似ているが、目指している用途や、将来に向けて成長していく方向性は異なっていると捉えた方が良い。本体にはAndroid OS、クアルコムの高性能CPUや3GBのRAMなどを搭載するところなど、スマホのXperiaシリーズの開発から培ったノウハウがベースになっている。
Hello!はソニーが独自に開発する音声アシスタントに対応。高性能なマイクアレイ、人感センサー、そして額のところに約13.2MPのカメラが搭載されている。ユーザーが近づいてきたことを人感センサーで感知すると、本体が目を覚ましてキョロキョロし始める。「エクスペリア」と声をかけるか、あるいはユーザーの顔をカメラで認識するとコマンド入力の待機状態になる。
ニュースや交通情報、天気予報の情報を読み上げてくれるところはスマートスピーカーと似ているが、本体の“お腹”のところに約4.6インチのタッチ液晶ディスプレイが乗っていて、音声の読み上げと同時にニュース記事はテキストだけでなく写真も交えて表示してくれたり、マメ知識は写真入りのWikipediaのページで解説してくれるなど、本機ならではの特徴が多い。
コミュニケーションはLINEによるテキストメッセージの送信、Skypeによるビデオ・音声通話、ビデオ伝言板の3機能がある。LINEやスカイプは家族用のアカウントを登録しておくと、わが家のHello!を使って外出先から家族とメッセージの交換やビデオ通話ができる。外出先の家族がスマホを使って家族宛にLINEのメッセージを送った場合は、Hello!が顔を自動で識別して、それぞれに届いているメッセージを読み上げる。ビデオ伝言板も宛てた相手が帰宅すると、顔を認識して伝言が入っていることを伝えてくれる。
家族の誕生日を本体のユーザープロフィールに登録したり、または結婚記念日や卒業式など大切な日をカレンダーアプリに登録しておけば、その日が近づくと「お父さんにメッセージを送りますか?」とHello!が能動的に問いかけてくれる。家族の詳細なプロフィールは10人分まで登録できる。
もうひとつの機能が、額に乗せたカメラを活用する「見守り機能」だ。LINEに作成した家族用のアカウントにアクセスして、「家の様子おしえてコマンド」というメニューを起動すると、家族がHello!と最後に会話した時間を「お母さんを3分前に見かけました」といった感じでメッセージにしたためて教えてくれる。
「家を撮影してコマンド」は簡易なセキュリティカメラのような使い方ができる。Hello!を置いた部屋の360度周囲を8枚の静止画で撮影し、LINEのメッセージに貼り付けて送ってくれるというもの。家族が写真を撮られたくない場合は、Hello!の額を軽くタップすると撮影を中止。家族に無事を知らせるメッセージを代わりに送ってあげればよい。プライバシーへの配慮も備え十分だ。
なお、Android 7.1を搭載するデバイスなので、「OK Google」と呼びかけるとAndroidスマホと同じようにGoogleアシスタントが起動する。近所の美味しいイタリアンの店や、自宅から東京駅までの交通手段などは、Googleアシスタントに聞いてもいい。もしHello!で音楽を楽しむのであれば、32GBの内蔵メモリーに音楽ファイルを保存したり、Google Playミュージックなどの音楽ストリーミングアプリを入れられる。なお、外部のWi-Fi/Bluetoothスピーカーを接続して聴いた方が音質はベターだ。
以上、はじめにXperia Hello!の簡単なプロフィールからご紹介したが、さらに踏み込んだ詳細については発表会ニュース、動画レポートを合わせて確認してみてほしい。
■ソニーが培った技術で“自然”な動作を目指す
Xperia Hello!はソニーモバイルが2016年にバルセロナで開催されたIT・モバイルの展示会「MWC2016」に出展した「Xperiaスマートプロダクト」のコンセプトモデルとして初めて披露された(MWCのニュース記事)。当時は「Xperia Agent」という名前で発表され、その後も同年に開催されたIFA2016(IFAのニュース記事)のほか、ソニーが出展した様々なイベントで注目されてきた。
先に音声アシスタントを搭載する片耳タイプのBluetoothヘッドセット「Xperia Ear/XEA10」、画面に触れて操作できるAndroid搭載のプロジェクター「Xperia Touch/G1109」が商品化され、いよいよ今回Xperia Hello!として商品化が決まったわけだ。商品企画を担当する城井氏も、感慨深げにこれまでの経緯を語る。
「MWC2016にXperia Agentとして出展した時の反応はとても良かったです。Hello!はただ音声でメッセージやニュースを読み上げるだけでなく、カラダや顔を動かしたり、瞳にあたるLEDを瞬かせてかわいらしい動き、ボディランゲージを使ってコミュニケーションを膨らませる愛嬌のあるロボットです。国内・海外の様々な展示会に出展してみて、人間のように振る舞いながらユーザーと触れ合えるロボットの価値が万国共通に受け入れてもらえることが見えたことで、商品化に向けた自信を深めてきました」。