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「日本のお客様が我々を突き動かす」

完全ワイヤレスイヤホンも開発中、ソフトへの投資で未来を創る。ゼンハイザーCEO アンドレアス・ゼンハイザー氏インタビュー

公開日 2018/01/19 09:45 構成:編集部 風間雄介
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アンドレアス氏:答えは両方です。たとえばハードウェアの機能を実現するためのソフトウェアというものがありますよね。一例を挙げますと、AMBEOでは4つのカプセルマイクで録音した音を活用するためのコンバーターがありますが、これはソフトウェア技術が重要になります。

ソフトウェアへの投資を加速させている

また、日本ではこれから発売される「AMBEOスマートヘッドセット」は、ソフトウェアプラグインと一緒に使うものです。これは一番イノベーティブな製品の一つで、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載していたり、周囲の環境音を聞くモードなどを、ソフトの力によって実現します。

AMBEOスマートヘッドセットでは、スマートフォンのアプリからすべてをコントロールできます。それに加えて、iPhoneのカメラで動画を撮影する際にバイノーラル録音を行うことができるのです。

つまりソフトとハードをうまく組み合わせることで、GoProが映像の世界で起こしたイノベーションと同じような革新を、我々はマイクの世界で起こせると考えています。プロ向けはもちろん、一般のお客様の映像・音声の楽しみ方を書き換えるような体験になると思います。

さらに業務用では「ワイヤレスシステムマネージャー」の大規模なシステムアップデート、オーバーホールなども行っていきます。これもソフトウェアへの投資の一環ですね。

世界4箇所で研究開発を行っている

−−ソフトウェアへの投資を拡大させて開発体制を強化していることについて、具体的にどのような方法を採っているのでしょう。 買収でしょうか、それともエンジニアの雇用拡大でしょうか?

アンドレアス氏:買収などはあまり行っていません。行うにしてもたとえば5人程度など、小さなところが対象です。基本的には雇用を拡大することでソフトウェアを強化していくというのが我々の考え方です。

現在、我々の研究所は、世界中に4箇所あります。ドイツ、サンフランシスコ、シンガポール、スイスです。未来を見据えたプロジェクトは、シンガポール以外の3箇所が非常に強いという状況です。特にサンフランシスコは未来を見た研究開発を積極的に行っています。またドイツについては、伝統的な製品を次に向けて進めていく開発を行っています。スイスでは消費者調査を行ったり、ユーザーインタラクションの研究を行っています。

−−先ほどいまのゼンハイザーの経営方針には、「イノベーション」と「プリザーブ」という2つの方向性があると説明されました。イノベーティブな部分についてはくわしくご紹介頂きましたが、もう1つの「プリザーブ」について、御社の戦略を教えてください。

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