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<山本敦のAV進化論 第164回>

Bluetooth “第3のハイレゾ級規格”「HWA」本格展開は秋から! ファーウェイ担当者が詳細を語った

公開日 2018/07/26 08:00 山本 敦
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またChang氏によると、LHDCはハードウェアとソフトウェア、どちらのコーデックを使った場合も96kHz/24bit対応は可能という。

なおLHDCにハードウェアで対応する場合、AAC/SBCとの互換性も確保されている。もしオーディオメーカーがさらにaptXやaptX HD、LDACへ対応させたい場合は、それぞれに必要なBluetoothレシーバーなどのチップを用意し、LHDCのソフトウェアコーデックを組み合わせることで、HWAプレミアムグレードの96kHz/24bit対応製品を作れるとChang氏は説明する。

Wu氏は「メーカーがターゲットとする性能や価格帯に合わせ、多種多様なモジュールの中から自由に組み合わせを選び、対応製品をデザインできるところがHWAの特徴」と説明する。従来のBluetoothオーディオの場合、レシーバーからDAC、アンプまでオールインワンのICチップを使うことが多かったため、メーカーが音質をカスタマイズできる余地が少なかったと言葉を続ける。

「コーデックだけで高音質化を図るのでなく、最適なモジュールの組み合わせによるデザイン、またはBluetoothの通信精度を高めるためのアンテナ設計など、パートナー同士の知見をオープンに共有しながら、ユーザーがBluetoothオーディオの利便性だけでなく『音質』にも注目するような体験をアピールしていくことがHWAの狙い」と、Wu氏は強くアピールする。

試作機のイヤホンに搭載されていたのはサイプレス・セミコンダクタのBluetoothレシーバーチップと、サビテックのCPUを一体化したHWAのハードウェアコーデックと、シーラスロジックのDAコンバーターを乗せたリファレンスの基板。メーカーがパートナーの製品を自由に組み合わせながら、それぞれの高音質を追求できる環境を提供することがHWAのフィロソフィーだという

HWAフォーラムを創設したファーウェイはスマートフォンメーカーなので、同じスマートフォンを扱うライバルブランドも参加できるよう、HWA対応製品の検査・認証試験については第三者として公平なポジションのパートナーが行う体制を徹底するという。また検査・認証試験についてはパートナーの負担を最小化するため、各地域ごとに窓口をつくる計画だ。

Chang氏は、LHDCが今後も発展できる柔軟性を備えたコーデックであると強調する。完全ワイヤレスイヤホンへの搭載は既に可能で、次世代チップでは最大5.1chのマルチチャンネル再生に対応することも検討しているようだ。

またLHDCコーデックに対応するモバイルアプリも、Android OS向けには「Hi-Res BT Player」というアプリが提供されており、HWAに対応するヘッドホンやイヤホンを組み合わせればハイレゾ相当のBluetooth再生が楽しめる。同じようにiOSアプリでLHDCによるハイレゾ相当のワイヤレスリスニングを実現することも可能という。

ファーウェイは今後、HWAをスマートフォンに積極的に組み込んでいくのだろうか。今後の商品発表が楽しみだ。またWu氏によると、Bluetoothの送信に対応したスマートテレビにHWAを搭載したいという要望も届いているという。秋以降の展開も引き続き追いかけていきたい。

(山本 敦)

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