ケーブル、アクセサリーにまでこだわった音づくり
オランダの注目レーベル「TRPTK(トリップティック)」 に聞く 「最高の音を録ること」へのこだわり
ここまでで、TRPTKがサウンドに対して驚異的なまでのこだわりを持つレーベルであることは存分にお分かりいただけたはずだ。そんな同レーベルは先日、QOPEというアーティストによる最新作品『Nocturnal』をリリースした。本作はハインスト氏とお会いした時にちょうど制作していた音源で、本作の収録でもフルテック製品が徹底的に活用されているとのことである。
「最新アルバムでは、これまで以上に楽曲もサウンド面でも、一切の妥協をせずに収録しています。今回はマイクケーブルもフルテックを使いますし、NCF BoosterやNCF Booster- Signalといったアクセサリーもフル活用します。ある意味、自分が現時点で最高だと思っている環境でレコーディングした作品ですね」
先日、この完成した音源が送られてきた。ピアノによる即興演奏を収録した本作で聴けたのは、ピアノの一音一音が非常に豊かな響きを伴いながら空間を漂うという、見事というよりほかないサウンドだった。ピアニストの実体感は確実に感じられるのだが、それでありながら響きが自由な動きを伴ってリスナーの元と飛んでくる。これもレコーディング機器からケーブル、アクセサリーに至るまで徹底的にS/Nを追い込んだからこそ実現できたサウンドなのかもしれない。
レコーディング環境においては、ここ数年で取り扱うことのできるスペックが飛躍的に向上している。だからこそシステム面でも、もっと言えばケーブルやアクセサリーなどの環境面でも、従来のアプローチだけではない新しいアプローチが世界中で試みられている。そのなかでも、とりわけ現代的かつユニークなアプローチをしているTRPTKは、次世代の高音質レーベルとして見逃すことのできない存在ということができるだろう。
現在、同レーベルは日本語のサイトも準備中とのことで、そうなればもっと日本のオーディオファイルにとって身近な存在となる。CDや配信、さらにはサラウンドまで用意するTRPTKのそのサウンドは、一聴の価値ありだ。