ケーブル、アクセサリーにまでこだわった音づくり
オランダの注目レーベル「TRPTK(トリップティック)」 に聞く 「最高の音を録ること」へのこだわり
ハインスト氏がフルテックにたどり着くまでに使っていたケーブルについて聞くと、そのいずれもがオーディオファイルの間で高い評価を受ける、いわゆるハイエンドブランドの名が並んでいた。そうした名だたるブランドと比較しても、ハインスト氏にとってフルテックは特別なケーブルだったようだ。
「もちろん多くのハイエンドケーブルは、正確性などの観点から見て全く問題はありません。ただ、フルテックのケーブルを初めて聴いた時、“音に直面できた”というべきでしょうか、まさに音に触れることができるくらい“そこに音がある”という感じだったんです。これはある意味ではちょっと恐ろしくて、あまりにも実在感のある音だから、例えばちょっとでも録音の方法を間違えたら、いままで気づかなかったことも表現されてしまいます(笑)」。
フルテックのケーブルを使い始めたのは2年前からとのことで、徐々に自身のレコーディング環境へフルテックのケーブルを導入して行った。そうして導入を進める過程で、TRPTKの作品にある成果が見え始めたそうだ。
「面白い話なんですけど、2016年にレコーディングしたAEON TRIOの『ELEGY』というアルバムがあるのですが、この作品が初めて、マイクロフォン以外の全てのケーブルをフルテックで統一してレコーディングしたものになります。この作品がリリースされた時、いくつかのレビューが載ったのですが、その採点が全て10点満点。結局この『ELEGY』のCDは、たった3ヵ月で完売してしまったんです。ちなみに、この作品でピアノを引いているのは小橋敦子さんという東京から来た方なので、日本の皆様にも馴染みがあるかもしれませんね」 。
ハインスト氏が優れたレコーディングについて「関わる人々全てがリラックスできる環境を作ることが大事」と考えていることは先に述べたとおりだ。TRPTKレーベルが『ELEGY』で受けた高い評価は、フルテックのケーブルがサウンドだけではなく、その制作現場の空気感をも変えてしまうような効果をもたらしたと言い換えることもできそうだ。
ちなみに、フルテック製品のなかでも世界的に注目を集めているNCF BoosterやNCF Booster-Signalについても、ハインスト氏は素晴らしい効果を持つアクセサリーと語る。
「NCF BoosterやNCF Booster-Signalは、例えばマイクロフォンケーブルに使うとノイズレベルがぐっと下がるんです。マイクロフォンの信号は非常に微細なものとなりますから、より繊細に効いてくるんですよね。それと、外からの干渉に起因する歪みを避ける効果も実感しています。私個人としては、使う機材は少なければ少ないほど良いと思っているので、やはり最高のものを組み合わせて、最大限のポテンシャルを発揮させた状態で使いたいですね。例えば、良いパワーアンプがあったとして、そこにフルテックのような素晴らしいケーブルやアクセサリーを組み合わせれば、バイアンプで動かすよりも良い結果になることを体験しています」