ネット接続なしでワンタッチ翻訳が可能
Snapdragon搭載のオフライン型・翻訳デバイス。ログバー「ili」の詳細を開発者に聞いた
ウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」は、Logbar(ログバー)社が展開するスティック型の翻訳機だ。マイクとスピーカーを内蔵しており、ボタンを押した状態で日本語で話しかけると、最速0.2秒の速さで英語/中国語/韓国語のいずれかに変換して再生する。
主に海外旅行での使用を想定したもので、内蔵した翻訳システムによってインターネットに接続することなく使用できる利便性も魅力のひとつ。オフラインで使えるスタンドアローン型の翻訳デバイスは世界初だという。質量も42gと軽く、持ち運びにも便利だ。
iliは2017年6月にアメリカや中国、台湾など海外で先行販売し、そこでの反響や国内販売を望む声に応えるかたちで、同年12月に日本でもオーダー受付を開始。2018年3月から一般発売をスタートさせた。海外販売時は翻訳は1言語、連続駆動は最大8時間だったが、最新モデルでは先述したとおり、英語/中国語/韓国語の3言語対応となり、連続駆動時間も最大3日間と大幅にパワーアップしている。
このパワーアップした最新モデルでは、クアルコム社のモバイルSoC“Snapdragon”シリーズのチップセットを採用しているとのこと。今回、Logbarの代表取締役兼CEOである吉田 卓郎氏にインタビューを実施し、製品コンセプトから技術詳細、最新モデルの特徴など詳しく話を伺った。
■ネット接続なしに、ボタンを押すだけで誰でも使える“シンプルさ”が最大の特徴
Logbarは2013年創業の若い会社だが、始まりは名前の通りお酒を提供する「bar(バー)」の運営からだという。当初のLogbarでは訪れたお客さんたちにiPadを配布、注文するとその内容がFacebookのタイムラインに投稿され、それを見た人たちが「いいね!」や「乾杯!」といった反応をすることで、“テクノロジーを通してコミュニケーションの場を提供する”というコンセプトのもと営業をしていたとのこと。
barの営業を続ける中で、さらに何か新しいことをやりたいという思いから、ハードウェアとしては同社初製品となる「Ring(リング)」を開発した。Ringは指輪型ウェアラブルデバイスで、独自のジェスチャー認識技術を使って動きだけでAV機器などのデバイス操作を可能にするというもの。例えば空中に指で文字を描いてテレビの電源をつけることができるなど、これまでにない全く新しい製品だった。
同社はRingのクラウドファンディングをスタートさせて成功を収めたのだが、いざ一般販売を開始すると市場にはあまり浸透しなかったと吉田氏はふり返る。吉田氏は「この経験から、次はより多くの人に受け入れられて使ってもらえるもの、なおかつ新規性のある製品を開発したいと思い、考えついたのが翻訳機の“ili”だった」と語る。Logbarの提供するサービス・製品としては3つ目にあたり、bar運営とRingの販売はすでに終了しているため、現在はiliの開発・販売がメイン事業となる。
「Ringの次は…と考えた時、当初は漠然とリング型の何かというイメージを持っていました。たとえば決済システムであったり、音声アシスタント機能を備えたものだったり、様々検討していく中で、果たしてそれが市場に普及するのか?という観点で見た時に、“音声認識機能を備えて翻訳できたら面白いんじゃないか”と考えたのが、iliの始まりです」(吉田氏)。
こうして検討を重ね、“翻訳できる進化系Ringを作ろう”というコンセプトで製品開発を開始。実際に開発を進めていくと、リング型で製品化するにはCPUは極めて小さく、バッテリーの持続力も低くなってしまうなど、実現したいことに対して制限が多いことに気づき、結果的に使い勝手も考慮して今のスティック型に行き着いたのだという。
主に海外旅行での使用を想定したもので、内蔵した翻訳システムによってインターネットに接続することなく使用できる利便性も魅力のひとつ。オフラインで使えるスタンドアローン型の翻訳デバイスは世界初だという。質量も42gと軽く、持ち運びにも便利だ。
iliは2017年6月にアメリカや中国、台湾など海外で先行販売し、そこでの反響や国内販売を望む声に応えるかたちで、同年12月に日本でもオーダー受付を開始。2018年3月から一般発売をスタートさせた。海外販売時は翻訳は1言語、連続駆動は最大8時間だったが、最新モデルでは先述したとおり、英語/中国語/韓国語の3言語対応となり、連続駆動時間も最大3日間と大幅にパワーアップしている。
このパワーアップした最新モデルでは、クアルコム社のモバイルSoC“Snapdragon”シリーズのチップセットを採用しているとのこと。今回、Logbarの代表取締役兼CEOである吉田 卓郎氏にインタビューを実施し、製品コンセプトから技術詳細、最新モデルの特徴など詳しく話を伺った。
■ネット接続なしに、ボタンを押すだけで誰でも使える“シンプルさ”が最大の特徴
Logbarは2013年創業の若い会社だが、始まりは名前の通りお酒を提供する「bar(バー)」の運営からだという。当初のLogbarでは訪れたお客さんたちにiPadを配布、注文するとその内容がFacebookのタイムラインに投稿され、それを見た人たちが「いいね!」や「乾杯!」といった反応をすることで、“テクノロジーを通してコミュニケーションの場を提供する”というコンセプトのもと営業をしていたとのこと。
barの営業を続ける中で、さらに何か新しいことをやりたいという思いから、ハードウェアとしては同社初製品となる「Ring(リング)」を開発した。Ringは指輪型ウェアラブルデバイスで、独自のジェスチャー認識技術を使って動きだけでAV機器などのデバイス操作を可能にするというもの。例えば空中に指で文字を描いてテレビの電源をつけることができるなど、これまでにない全く新しい製品だった。
同社はRingのクラウドファンディングをスタートさせて成功を収めたのだが、いざ一般販売を開始すると市場にはあまり浸透しなかったと吉田氏はふり返る。吉田氏は「この経験から、次はより多くの人に受け入れられて使ってもらえるもの、なおかつ新規性のある製品を開発したいと思い、考えついたのが翻訳機の“ili”だった」と語る。Logbarの提供するサービス・製品としては3つ目にあたり、bar運営とRingの販売はすでに終了しているため、現在はiliの開発・販売がメイン事業となる。
「Ringの次は…と考えた時、当初は漠然とリング型の何かというイメージを持っていました。たとえば決済システムであったり、音声アシスタント機能を備えたものだったり、様々検討していく中で、果たしてそれが市場に普及するのか?という観点で見た時に、“音声認識機能を備えて翻訳できたら面白いんじゃないか”と考えたのが、iliの始まりです」(吉田氏)。
こうして検討を重ね、“翻訳できる進化系Ringを作ろう”というコンセプトで製品開発を開始。実際に開発を進めていくと、リング型で製品化するにはCPUは極めて小さく、バッテリーの持続力も低くなってしまうなど、実現したいことに対して制限が多いことに気づき、結果的に使い勝手も考慮して今のスティック型に行き着いたのだという。
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