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ネット接続なしでワンタッチ翻訳が可能

Snapdragon搭載のオフライン型・翻訳デバイス。ログバー「ili」の詳細を開発者に聞いた

公開日 2019/01/17 06:30 編集部:川田菜月
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クアルコム“Snapdragon”採用で、大幅なバッテリー改善。安定性も向上

クアルコムのモバイルSoC“Snapdragon”は、2世代目のモデルから搭載している。初期モデルでは別のチップセットを採用していたが、当時はバッテリーが電源をOFF(実際はスリープ状態)にしていても半日程度しか持たなかったところ、Snapdragonの採用で、電源ONの状態でも最大3日間連続して利用可能となった。

電源コントロール部にあたるPMICとの相性もよく、製品の安定性も向上。ノイズキャンセリング機能においても、従来は内蔵する2つのマイクによりハードウェア側でノイズキャンセリング処理を行っていたが、Snapdragonではノイズキャンセリング機能がチップセット内に内蔵されているため、マイク1つで十分高いノイズ低減効果を発揮させることができ、最も助かっている点だと説明する。

ili本体(写真上)と内部におさまっている基板と電源(写真下)。Snapdragonの採用は、省スペース、部品点数を抑えたコストダウンにも繋がっている

製品の開発段階でも利点は多かったという。iliではLinuxベースのOSを採用しているとのことだが、チップ側の調整や変更への柔軟な対応から、開発を始めて半年程度で量産まで実現している。

吉田氏はSnapdragonの採用について、「チップセット自体の安定性が非常に高いのが、初代とは圧倒的に違う点です。また製品を使うにあたって、メーカー側の考えるリファレンスデザインを崩して使用するには、通常ハードルが高いのですが、クアルコム社と設計・製造会社の連携がしっかりしていて、スムーズかつスピード力を持って開発を進めることができました」と語った。

「世の中にないものを作ること」が原点。2019年にも新たな製品を展開予定

最後に今後の展望について伺うと、「2019年の早い段階で、何か新製品を披露できたらと思っています」とのこと。iliについても性能や機能アップをした次世代モデルの開発も予定しているとした。クアルコム社との協業については、「新しい技術や部品など情報交換やコミュニケーションを取っていくことで、次世代の新しい製品やサービスの構想、実現に繋がっていくと思います。今後もそうした繋がりを大事にしていきたいです」と語った。

「世の中にないものを作ること」がコンセプト。今後も新規性のある製品の開発を進めていきたいとした

同社では「世の中にないものを作ること」、さらに「日本だけでなく世界中の人たちが使えるかどうか?」という視点を大事にしているという。これまでを振り返り、「Ringでは“世界でいかに目立つか?”ということをメインに考えて、利便性という点は当時は考えませんでした(笑)。そこで事業として次に何をしようかと考えたとき、世界中の人に使ってもらえて面白い製品という視点を新たに追加して、翻訳機のiliという形に行き着きました」と吉田氏。期待される次の新製品では、方向性をまた新たにして、『自分自身が使うもの、欲しいもの』で、全く新しい製品・サービスを考えていきたいとした。

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