DSD1024まで対応したフラグシップ
「行きすぎ」なほどの最先端仕様! iFIオーディオ「Pro iDSD」の何がすごいのか?
ーー やっぱりかなりマニアックな設計になっているわけですね。ところで、2014年のころの構想と比較して、DSD128がDSD1024になったことなど以外、変わった点というのはあるのですか?
嶋田 入力が増えましたね。当時と比較してコンシューマー機でもネットワークプレーヤーなどが広がったため、ネットワーク機能を搭載し、NASなどと接続も可能になりました。その際、有線のLANだけでなくWi-Fi接続なども可能にしています。
もっともBluetoothにはあえて対応させていません。やはりBluetoothだと圧縮されて音質劣化が起こるので、除外しているのです。一方でこれはこれからのアップデートですが、MQAフルデコーダーを搭載したのも新しい点ですね。また入力という意味ではXLRの端子にAES/EBUを入れられるようにもなっています。
ーー 同軸のBNC端子も2つありますが、これはWord Clockですか?
菅沼 左が入力端子で、右が出力端子となっているのですが、このBNC入力はマルチファンクションとなっています。つまりS/PDIF、AE3idなどのデジタル信号を入力できる一方、10MHzのクロックの入力も可能で、それを端子の間にあるスイッチで切り替えられるようにしています。またクロック入力においては10MHzの正弦波を入れるのか、矩形波を入れるのかといったことも選択可能になっています。
ーー 10MHzのクロックまで入っちゃうんですか! レコーディングスタジオでもなかなかやらないですもんね。まるでマスタリングスタジオ用というような感じですね。
嶋田 まさにプロシューマーというのは、マスタリングスタジオなどで利用されることを想定しているわけです。そうした業務用とも考えているので、出力もRCAとともに、XLRのバランスを持っているわけで、これもー10dBVと+22dBuを選択可能としています。
さらにフロントパネルにはヘッドフォンの出力が用意されています。それも6.3mmと3.5mmがあるだけでなく、2.5mmのバランスももちろん用意しています。さらにフロントパネルにはボリュームがあるけれど、それを通すか、バイパスするかの設定もできるようになっています。
ーー フロントパネルの右側でボリューム調整ができるのは分かりましたが、左側にあるInputで、先ほどの各種入力を切り替えるというわけですね?
嶋田 はい、その通りです。それぞれ「Wi-Fi、イーサネット(LAN)、ハードディスク、マイクロSDHC」、「デバイスUSB(コンピュータ接続)」、「同軸&光デジタル入力」、「XLR デジタル入力」、「BNC デジタル入力」を切り替えられるほか、このセレクターを押したり、押し続けることで、明るさや極性も変えられるようになっています。
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