BT/Wi-Fi両対応の「SONOS MOVE」を発表
米SONOS CEO単独インタビュー。なぜ今Bluetoothに対応したのか、今後の戦略は?
またプロダクトデザインについては「飽きのこない普遍性を持つこと」や、ユーザーにとっての「使いやすさ」、そして「ディティールへのこだわり」などがSONOSの美学であるとスペンス氏は説明する。
SONOS MOVEは「シャドーブラック」という深みのある黒色だけが展開される。ブランドのトレードカラーであるホワイトを追加しなかった理由について、スペンス氏は次のように答えた。
「SONOS MOVEでは、日焼けや、様々な液体成分がかかった時にも高い耐久性を実現するため、ブラックを採用しています。このほかのカラーバリエーション展開については、目指すべき性能を確保しながら、ユーザーの声にも耳を傾けたいと思っています」(スペンス氏)。
■日本市場参入から間もなく1年。その手応えは?
SONOSのオーディオ製品が理想とするサウンドについて、スペンス氏は「アーティストが意図したままの音を再現すること」だと述べる。
同社には数年前に、ビートルズ作品のリミックスなども手がけるサウンドプロデューサーのジャイルズ・マーティン氏が「サウンドエクスペリエンスリーダー」
として一員に加わっている(関連インタビュー)。新製品のSONOS MOVEも、マーティン氏が中心になり、プロトタイプの段階から著名サウンドプロデューサーやエンジニア、アーティストたちと意見交換を図りながらサウンドを磨いてきた。
「SONOSの真摯なものづくりの姿勢が日本のオーディオファンにも伝わっていることを心強く思う」と語るスペンス氏。昨年秋に日本市場に本格参入してから、寄せられてきたフィードバックは、SONOSに対して好意的なものばかりだったという。高く評価されているのがそのサウンドだけでなく、デザインやユーザーフレンドリーな操作性などの体験全体であることも「狙い通り」と、スペンス氏は身を乗り出して熱く語った。
SONOSの「今後の展開」についてもスペンス氏に興味深い話を聞くことができたが、その前に、今回発表された「SONOS ONE SL」と「SONOS PORT」について、担当者のコメントを紹介しておきたい。
■SONOS ONE SL/SONOS PORTの特徴
SONOS ONE SLは現行モデルのSONOS ONEからマイクロフォンと音声コントロール機能を省略したWi-Fi対応のワイヤレススピーカーだ。本体のデザインとサイズ、サウンドもSONOS ONEから変えていない。なぜ今このような製品を発表したのか、プロダクトマネージャーのサラ・モリス氏に聞いた。
「SONOS ONEを発売した直後から、その高品位なワイヤレスオーディオ体験をより気軽に楽しみたいという声が届いていました。SONOS ONE SLではボイスコントロール機能を省略して、価格を30ドルほど下げています」。
また複数のSONOS ONEによるステレオ再生、グループ再生、マルチルームリスニングを、SONOS ONE SLとの組み合わせによって実現できるようになることから、シリーズとしての展開を強化する狙いもありそうだ。