「音楽として本当に個性があった」
ピンク・レディーの“完成された音楽”が高音質で蘇る。ハイレゾ化のキーマン川崎 洋氏インタビュー
1970年代後半、ミリオンヒットを立て続けに飛ばし、社会現象を巻き起こしたピンク・レディー。彼女たちが1977年から79年の全盛期にリリースしたアルバム12作品(スタジオ録音6作品、ライブ録音6作品)が、12月11日(水)よりe-onkyo musicにて一斉配信されている。
リマスタリングを担当したのは、ビクタースタジオFLAIR MASTERING WORKSの川崎 洋氏(さきは正しくは山へんに立、可)である。全曲オリジナルのアナログマスターテープから、96kHz/24bitのデジタルリマスターを制作した。
その川崎 洋氏に、これらの作品の制作の経緯や聴きどころをお聞きする機会を得たのでレポートしたい。担当A&Rのビクターエンタテインメント森谷秀樹氏にも同席いただいた。
歌って踊るアイドルの先駆け、洋楽の要素を持ち込んだピンク・レディー
――私(記者)はピンク・レディーのヒットシングル曲は全曲踊れる世代なので、今回のハイレゾ化がとても嬉しいです!
配信ラインナップは『ペッパー警部』などスタジオレコーディング作品が6タイトル、『チャレンジ・コンサート』などのライブレコーディングが6タイトルで、『インU.S.A』という世界デビューアルバムもありますね。
当時、ミイ、ケイちゃんはフォークソング全盛期に突然現れて、ダンサブルで、祭りっぽい歌詞の内容で日本中を元気にしてくれましたね。あらためて、ピンク・レディーはどんな存在だったのか、教えていただけますか?
川崎 雲の上にいるお姫さまのような2人でした。豪華なオケといっしょに、今まで聴いたことがない音楽を歌っている。歌詞も曲もです! 音楽もそうですが、衣装もね。僕は高校生でしたがピンク・レディーが出てきた時に、「え?! 何? 脚とか出しちゃって」って(笑)。他のアイドルとは別次元の、まさにUFOに乗ってきたようなすごい人たちでした。
当時僕は、洋楽のロックやクロスオーバー(今でいうフュージョン)も聴いていました。それに通じるものもあって衝撃的でした。
森谷 1976年に「ペッパー警部」でデビューして、2ndシングル「S・O・S」から10th「カメレオン・アーミー」まで、9作連続オリコンチャート1位のミリオンセラーという、最近AKB48に破られるまでずっとその記録を維持していました。アルバムには、実は洋楽のカバーもたくさん入っているんです。
――格好も振り付けも奇抜でしたしね。
川崎 何が奇抜って、タイトル、詞、曲。音楽の素人である高校生が聴いても「UFOって……?」ってなるじゃないですか。カッコいいダンスとね。当時から阿久 悠さん、都倉俊一さん、すごいんだなって思っていました。
森谷 阿久 悠さんが作詞を手掛け、都倉俊一さんが作曲。当時の担当ディレクター飯田久彦さんがザ・ピーナッツの次の2人組として売り出そうとしました。
中学高校の同級生で、ケイさんがミイさんに声をかけたそうですね。『スター誕生』ではオーバーオールを着たフォークっぽい2人組でしたが、フォークではダメだ、おしゃれでダンサブルなアイドルにしよう、と方針を決めたようです。2人の希望も実は、洋楽のようにカッコいいポップスをもともとやりたかったそうです。
歌謡音楽史的に、「歌って踊るアイドルグループの源流」といえるのではないでしょうか。プロデューサーとして、つんく♂さん、秋元康さんがその流れを継ぎましたね。
――奇抜な内容なのに、本人たち、全力じゃないですか。だからカッコいい。だからちっともばかばかしくならない。
川崎 そのカッコよさを今回、表現したかったのです。ハイレゾというフォーマットも含め、音楽としてカッコイイピンク・レディーをどう創るかということを念頭に置いて音作りしました。
――今回のハイレゾ化にあたっては、40年前のアナログテープを使ったのですよね。
川崎 はい。2006年に一度CD化していますが、今回はアナログからハイレゾマスターを作ることになりました。しかし、マスターの特定に時間がかかりました。当時はLPとカセットが出ていたのです。曲目や曲数が違っていたりするので、どっちを使ったらいいの? ということで、森谷ディレクターとひとつひとつ調べました。また、テープを出してみると、どこかしらつなぎ目があるのです。そのつなぎ目を留めているスプライシングテープの糊が経年変化で溶けていて、テープがずれて音が一瞬切れたようになっている。それを修正するという作業が必要でした。
――つなぎ目はデジタルで修正したのでしょうか。
川崎 はい。もとはアナログテープに記録されたものを、アナログエフェクターとデジタルエフェクターを使いながらDAWで最終的に96kHz/24bitのファイルを作っています。音がなくなってしまっているところは、デジタルにしてから、こことここ、キュッてするのです。やること自体は苦ではないのですが、見つけた時、愕然となりましたね(笑)。
ライブなどには何カ所かあるんです。それに、不自然なエディットもあるんですよ。パチパチパチパチ、ダーン、みたいに、拍手の余韻なく、次の音楽が始まっている。これはうまくクロスさせることで修正できるんですけれども、間は完璧には直せない。でも、これがオリジナルだし、ある程度はこれで行こう、と。当時のエディットはそれしかできなかったのです。
森谷 カセットの方が収録できる時間が長いので、ライブのアルバムはカセットの方が曲が多いものもあります。2006年にCDにしたときにコンプリートにしましたが、その時はハイレゾにしていない。今回アナログテープからデジタル化しているので、カセットとLPを合体させていることになります。
――96kHz/24bitにされた理由は?
川崎 96kHzはスタンダード。デジタルのアウトボード(エフェクターなど)に192kHz対応はほぼ存在していないのです。いつも使っている機材でないと自分の音が出てこないので、96kHzとしました。
――オーディオファンは、より一層の原音再生を求めて機器選びをしていると思いますので、モニター機器にも興味があります。どのようなものをお使いになりましたか。
川崎 モニタースピーカーはジェネレックのパワードスピーカーです。ところで、いまおっしゃられた「原音」って、皆さん、何をもって原音と考えておられるのでしょう? スタジオで録音する時の、生のピアノの音、弦の音が原音なんだ、という人もいますが、私は、それは原音であると同時に、商品としての原音ではないと思っています。音楽を作っていく過程のなかでマルチで録音し、ミックスして2ch、あるいは5.1chになった時点、いや、それよりさらにマスタリングして世の中に出るための状態になった時の音、それが原音だと思っています。
――マスターの音ですね。
川崎 はい。つまりここ(マスタリングスタジオ)で聴いた音がある意味原音です。コンシューマーの機械を使ってその音が再現されれば、その機械はベストなオーディオ機材ということになるでしょう。ハイエンドオーディオは、ここよりクオリティが高いはずです。ノイズも少ないでしょう。オーディオマニアにとっては、この部屋のようにこんなにケーブルが這っていると音が悪くなると感じるでしょう。でも音を作るためにはこれだけのケーブルも必要なのです。
こことは違う場所、自宅でも、僕たちが作った音のイメージが伝わったら、この音は原音に近いね、というわけです。僕自身が聴かないと、それもわからないわけです。
――そうですね。リスナーはここの音を知ることはできません。ただ、実際に再生してみると、マスタリングスタジオで鳴っていたのは、こんな感じなんじゃないか、と感じられる指標があるのだと思います。川崎さんも、マスターを完成させるとき、ライブの現場にいたのならば、こういう風に聴こえたのではないかと想像しながら、リマスタリングされているのではないでしょうか。
川崎 ライブ会場でこういう音がしていたんじゃないか、というものは、僕の頭のなかにはとりあえず、ないのです。自分がライブ会場に行ったとします。イメージと違うなと思った、とします。このバンド、いつものイメージじゃないな、と。これを商品化しましょうとなった時に、その音を再現させるかというとそうはしない。この音は、気持ちいいとか、かっこいいとか、あと、メインは誰なのか、と。そういうことに重きをおいて、作品を作っていきます。そのステージがこうだったから、こう感じられた、というイメージに従うということではないんです。会場の広さ、奥行きは考えます。演奏がかっこいい音で出てきたらいいのでしょうけれど、その時、あまりボーカルが聴こえなかったよね、という時に、聴こえなかったとおりに作るのはナンセンス。ライブを再現するんじゃなくて、ライブなんだけれども、オーディオCDと同じように聴こえるように心がけているんです。
もってこられた音をなるべくそのままにしようということもあれば、もっとこうした方がいい、ということもあります。ここ(スタジオ)で、ジャッジしている部分があります。自分は、音楽がかっこよくなれば、と考えています。今回のピンク・レディーのライブも何枚かありました。当時どんなテープレコーダーを回したかわからないんですが、8chか16chのマルチテープレコーダーで録って2chにアナログミックスしたのではないでしょうか。
森谷 ピンク・レディーは忙しすぎたので、特に初期はレコーディングの時間がなく、ライブアルバムが多いんです。
――楽曲をお聴きになって、こういう素晴らしさを生かしたいと感じた部分はどんなことでしょう?
川崎 あの人数のビッグバンドが「せーの」で同時録音。ドキドキするものがあるな、と思いました。ビッグバンド・オーケストラを超えた、カッコいい演奏をしているんですよ。それをぜひ聴いてもらいたい。もちろんミイさん、ケイさんの歌もバッチリだと思います。
森谷 川崎さんを、ピンク・レディーのふたりが信頼しているというのも大きいのです。2010年にピンク・レディーは『イノベーション』というアルバムを出しました。オリジナルのアナログのマルチテープをすべてデジタル化して、いまなら低音をもっと出した方がいいんじゃない? などと言ってリミックスをしました。歌は2010年の声で2人が歌い直したんです。その時にマスタリングをしたのが川崎さんです。2人は川崎さんをとても信頼しているのです。ピンク・レディー・サウンドを熟知しているということで。
リマスタリングを担当したのは、ビクタースタジオFLAIR MASTERING WORKSの川崎 洋氏(さきは正しくは山へんに立、可)である。全曲オリジナルのアナログマスターテープから、96kHz/24bitのデジタルリマスターを制作した。
その川崎 洋氏に、これらの作品の制作の経緯や聴きどころをお聞きする機会を得たのでレポートしたい。担当A&Rのビクターエンタテインメント森谷秀樹氏にも同席いただいた。
歌って踊るアイドルの先駆け、洋楽の要素を持ち込んだピンク・レディー
――私(記者)はピンク・レディーのヒットシングル曲は全曲踊れる世代なので、今回のハイレゾ化がとても嬉しいです!
配信ラインナップは『ペッパー警部』などスタジオレコーディング作品が6タイトル、『チャレンジ・コンサート』などのライブレコーディングが6タイトルで、『インU.S.A』という世界デビューアルバムもありますね。
当時、ミイ、ケイちゃんはフォークソング全盛期に突然現れて、ダンサブルで、祭りっぽい歌詞の内容で日本中を元気にしてくれましたね。あらためて、ピンク・レディーはどんな存在だったのか、教えていただけますか?
川崎 雲の上にいるお姫さまのような2人でした。豪華なオケといっしょに、今まで聴いたことがない音楽を歌っている。歌詞も曲もです! 音楽もそうですが、衣装もね。僕は高校生でしたがピンク・レディーが出てきた時に、「え?! 何? 脚とか出しちゃって」って(笑)。他のアイドルとは別次元の、まさにUFOに乗ってきたようなすごい人たちでした。
当時僕は、洋楽のロックやクロスオーバー(今でいうフュージョン)も聴いていました。それに通じるものもあって衝撃的でした。
森谷 1976年に「ペッパー警部」でデビューして、2ndシングル「S・O・S」から10th「カメレオン・アーミー」まで、9作連続オリコンチャート1位のミリオンセラーという、最近AKB48に破られるまでずっとその記録を維持していました。アルバムには、実は洋楽のカバーもたくさん入っているんです。
――格好も振り付けも奇抜でしたしね。
川崎 何が奇抜って、タイトル、詞、曲。音楽の素人である高校生が聴いても「UFOって……?」ってなるじゃないですか。カッコいいダンスとね。当時から阿久 悠さん、都倉俊一さん、すごいんだなって思っていました。
森谷 阿久 悠さんが作詞を手掛け、都倉俊一さんが作曲。当時の担当ディレクター飯田久彦さんがザ・ピーナッツの次の2人組として売り出そうとしました。
中学高校の同級生で、ケイさんがミイさんに声をかけたそうですね。『スター誕生』ではオーバーオールを着たフォークっぽい2人組でしたが、フォークではダメだ、おしゃれでダンサブルなアイドルにしよう、と方針を決めたようです。2人の希望も実は、洋楽のようにカッコいいポップスをもともとやりたかったそうです。
歌謡音楽史的に、「歌って踊るアイドルグループの源流」といえるのではないでしょうか。プロデューサーとして、つんく♂さん、秋元康さんがその流れを継ぎましたね。
――奇抜な内容なのに、本人たち、全力じゃないですか。だからカッコいい。だからちっともばかばかしくならない。
川崎 そのカッコよさを今回、表現したかったのです。ハイレゾというフォーマットも含め、音楽としてカッコイイピンク・レディーをどう創るかということを念頭に置いて音作りしました。
――今回のハイレゾ化にあたっては、40年前のアナログテープを使ったのですよね。
川崎 はい。2006年に一度CD化していますが、今回はアナログからハイレゾマスターを作ることになりました。しかし、マスターの特定に時間がかかりました。当時はLPとカセットが出ていたのです。曲目や曲数が違っていたりするので、どっちを使ったらいいの? ということで、森谷ディレクターとひとつひとつ調べました。また、テープを出してみると、どこかしらつなぎ目があるのです。そのつなぎ目を留めているスプライシングテープの糊が経年変化で溶けていて、テープがずれて音が一瞬切れたようになっている。それを修正するという作業が必要でした。
――つなぎ目はデジタルで修正したのでしょうか。
川崎 はい。もとはアナログテープに記録されたものを、アナログエフェクターとデジタルエフェクターを使いながらDAWで最終的に96kHz/24bitのファイルを作っています。音がなくなってしまっているところは、デジタルにしてから、こことここ、キュッてするのです。やること自体は苦ではないのですが、見つけた時、愕然となりましたね(笑)。
ライブなどには何カ所かあるんです。それに、不自然なエディットもあるんですよ。パチパチパチパチ、ダーン、みたいに、拍手の余韻なく、次の音楽が始まっている。これはうまくクロスさせることで修正できるんですけれども、間は完璧には直せない。でも、これがオリジナルだし、ある程度はこれで行こう、と。当時のエディットはそれしかできなかったのです。
森谷 カセットの方が収録できる時間が長いので、ライブのアルバムはカセットの方が曲が多いものもあります。2006年にCDにしたときにコンプリートにしましたが、その時はハイレゾにしていない。今回アナログテープからデジタル化しているので、カセットとLPを合体させていることになります。
――96kHz/24bitにされた理由は?
川崎 96kHzはスタンダード。デジタルのアウトボード(エフェクターなど)に192kHz対応はほぼ存在していないのです。いつも使っている機材でないと自分の音が出てこないので、96kHzとしました。
――オーディオファンは、より一層の原音再生を求めて機器選びをしていると思いますので、モニター機器にも興味があります。どのようなものをお使いになりましたか。
川崎 モニタースピーカーはジェネレックのパワードスピーカーです。ところで、いまおっしゃられた「原音」って、皆さん、何をもって原音と考えておられるのでしょう? スタジオで録音する時の、生のピアノの音、弦の音が原音なんだ、という人もいますが、私は、それは原音であると同時に、商品としての原音ではないと思っています。音楽を作っていく過程のなかでマルチで録音し、ミックスして2ch、あるいは5.1chになった時点、いや、それよりさらにマスタリングして世の中に出るための状態になった時の音、それが原音だと思っています。
――マスターの音ですね。
川崎 はい。つまりここ(マスタリングスタジオ)で聴いた音がある意味原音です。コンシューマーの機械を使ってその音が再現されれば、その機械はベストなオーディオ機材ということになるでしょう。ハイエンドオーディオは、ここよりクオリティが高いはずです。ノイズも少ないでしょう。オーディオマニアにとっては、この部屋のようにこんなにケーブルが這っていると音が悪くなると感じるでしょう。でも音を作るためにはこれだけのケーブルも必要なのです。
こことは違う場所、自宅でも、僕たちが作った音のイメージが伝わったら、この音は原音に近いね、というわけです。僕自身が聴かないと、それもわからないわけです。
――そうですね。リスナーはここの音を知ることはできません。ただ、実際に再生してみると、マスタリングスタジオで鳴っていたのは、こんな感じなんじゃないか、と感じられる指標があるのだと思います。川崎さんも、マスターを完成させるとき、ライブの現場にいたのならば、こういう風に聴こえたのではないかと想像しながら、リマスタリングされているのではないでしょうか。
川崎 ライブ会場でこういう音がしていたんじゃないか、というものは、僕の頭のなかにはとりあえず、ないのです。自分がライブ会場に行ったとします。イメージと違うなと思った、とします。このバンド、いつものイメージじゃないな、と。これを商品化しましょうとなった時に、その音を再現させるかというとそうはしない。この音は、気持ちいいとか、かっこいいとか、あと、メインは誰なのか、と。そういうことに重きをおいて、作品を作っていきます。そのステージがこうだったから、こう感じられた、というイメージに従うということではないんです。会場の広さ、奥行きは考えます。演奏がかっこいい音で出てきたらいいのでしょうけれど、その時、あまりボーカルが聴こえなかったよね、という時に、聴こえなかったとおりに作るのはナンセンス。ライブを再現するんじゃなくて、ライブなんだけれども、オーディオCDと同じように聴こえるように心がけているんです。
もってこられた音をなるべくそのままにしようということもあれば、もっとこうした方がいい、ということもあります。ここ(スタジオ)で、ジャッジしている部分があります。自分は、音楽がかっこよくなれば、と考えています。今回のピンク・レディーのライブも何枚かありました。当時どんなテープレコーダーを回したかわからないんですが、8chか16chのマルチテープレコーダーで録って2chにアナログミックスしたのではないでしょうか。
森谷 ピンク・レディーは忙しすぎたので、特に初期はレコーディングの時間がなく、ライブアルバムが多いんです。
――楽曲をお聴きになって、こういう素晴らしさを生かしたいと感じた部分はどんなことでしょう?
川崎 あの人数のビッグバンドが「せーの」で同時録音。ドキドキするものがあるな、と思いました。ビッグバンド・オーケストラを超えた、カッコいい演奏をしているんですよ。それをぜひ聴いてもらいたい。もちろんミイさん、ケイさんの歌もバッチリだと思います。
森谷 川崎さんを、ピンク・レディーのふたりが信頼しているというのも大きいのです。2010年にピンク・レディーは『イノベーション』というアルバムを出しました。オリジナルのアナログのマルチテープをすべてデジタル化して、いまなら低音をもっと出した方がいいんじゃない? などと言ってリミックスをしました。歌は2010年の声で2人が歌い直したんです。その時にマスタリングをしたのが川崎さんです。2人は川崎さんをとても信頼しているのです。ピンク・レディー・サウンドを熟知しているということで。